週刊金融日記 第348号 ふるさと納税ではポイントに踊らされるな、中国政府カナダ人拘束で報復合戦に突入、オークランドの美味しいレストラン、持たざるオスたちの嫉妬から身を護るには、他

// 週刊金融日記
// 2018年12月17日 第348号
// ふるさと納税ではポイントに踊らされるな
// 中国政府カナダ人拘束で報復合戦に突入
// オークランドの美味しいレストラン
// 持たざるオスたちの嫉妬から身を護るには
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 最近、めちゃ寒いですね。僕は季節で気分が変わるタイプで、冬は鬱々としがちなので、今年の冬は暖かいところで過ごせる体制を整えようとがんばっていたのですが、いろいろ間に合いませんでした。今年はかなり海外取材などしておりまして、メルマガで書くネタが相当に溜まっているのですが、これは来年ぐらいに機を見てたくさん書こうかと思います。

 この前も書きましたが、日本はぜんぜんグローバル化していません。いま日本でいろいろ問題になっている少子高齢化だとか、財政問題、あとはメンバーシップ型の雇用慣行、学歴競争は大学入試による18歳時点の格付け的なもので高等教育がまったく重視されていないことなど、驚くことに、僕が学生だったころからまったく何も変わっていません。たぶん、僕が社会問題に関心を持つ以前からもそうなので、もう何十年もずっと変わっていないことになります。土地バブルで日本の1人当たりGDPや企業の時価総額などで日本経済が世界の頂点を極めた約30年ぐらい前をピークに、日本の相対的な地位はゆるやかに下がり続けました。何が間違ってこうなったんだ、という声が聞かれますが、むしろ何も間違っておらず、何も変えなかったからこそ、世界に置いていかれたわけですね。
 それでやはり今後も変わらないのか、と問われると、何となくですがそろそろガラガラポンが起こる、そろそろと言っても、あと5年とか10年ぐらいのタイムスパンですけど、一気に崩れるときが来るんじゃないか、と感じております。制度疲労による矛盾点が行き着くところまで行き、開国と攘夷に揺れた幕末のような状況になるんではないか、と。レジーム☆チェンジ! 楽しみですね。

●カルロス・ゴーン逮捕は攘夷派の反撃か
http://agora-web.jp/archives/2035812.html

 さて、青山といえばブランドショップが建ち並ぶ憧れの地でして、オシャレなイメージで地価ももちろん非常に高いのですが、そこに児童相談所などの複合施設「港区子ども家庭総合支援センター」ができるというので、住民が反対することになり、ネット界ではなかなかの炎上案件になっております。大変ですね。

★青山の空き地に児童相談所ができるというので(一部の)住民が選民意識丸出しの「言ってはいけないこと」をメディアに吐露する羽目になって、大変なことになっています。

 もうひとつのネットの話題ですが、MBA5人衆(炎上後には1人がこっそり削除されて4人衆に)がバズっておりました。まあ、話の内容をかいつまんで説明すると、日本の一流大学(東大・京大・慶応・早稲田とか)を卒業して誰もが知る大企業にそれぞれ就職した5人が、アメリカのカリフォルニア大学のMBAコースに社費で留学して出会い、そこで外国人のクラスメートは自分のやりたい仕事のために目標を持っていろいろと勉強しており、そんなこと今まで考えたこともなかった、いい大学に入り、いい会社に入ればそれでいいと思っていた自分たちはこのままではダメなんじゃないか、と日本を代表するエリートを自負する自分たちが大変な「気づき」をして、日本の将来を憂う、という内容です。

★なぜかTwitterで大炎上してしまったMBA5人衆(後に4人衆へ)ですが、みな立派な方たちばかりですね。

 これがTwitter民の琴線に触れ、炎上してしまったわけですが、まあ、彼らを腐している人たちはいったいどれだけ立派な経歴の持ち主なのか、と思ってしまいます。というのも、僕は教育工学の研究をしており、大変に教育熱心で、SAPIXや日能研に子供を通わせているお母さんたちに詳しいのですが、ここに出てきたMBA5人衆こそ、こうしたお母さん方のまさに夢なわけです。正確に言えば、こうした教育熱心な家庭は、子供をお医者さんにするのか、お医者さん以外を目指すのかに分けることができるのですが、非医学部を目指す家庭にとって、まさに理想的な夢の息子さんたちが、このMBA5人衆(後に4人衆)なんですよ。
 厳しい受験勉強をこなし一流大学に入学し、部活やサークルでも活躍し、誰もが知る大企業に総合職として入社する。そして、その中でも幹部候補生として、社費でMBAに留学できる。お母さん方の超自慢の息子さんではないですか。日本の教育熱心な家庭は、みんなこれを目指しているわけですね。それにもかかわらず、Twitterでこんだけ腐されるというのはいかがなものか、という感想をつい漏らしてしまった次第です。

●教育工学バックナンバー
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52121885.html

 さて、あれよあれよという間に、PayPayの20%還元100億円ばら撒きキャンペーンが終わってしまいました。転売屋などの情報強者が高額家電などを次々と買ったからです。Apple製品などを買えて間に合った方、おめでとうございます。
 それで、これで本当に普及するかというと、じつはけっこう厳しいのではないか、と思っています。PayPay対応しているファミリーマートなんか見てみても、使ってる人は誰もいません。Suicaが便利すぎるからでしょうか。

★日本はやっぱり「かざす」だけでピッと決済が完了するSuicaが強いな、と。

 インターネットビジネスはネットワーク外部性が働くので、最初にマーケット取ったところの勝者総取りになる、などというのはいまどき小学生でも知っている常識になりましたね。だから、QR決済みたいに、仕組みやアプリ自体はあまり差異がないものの場合、大資本がこうやって札束でビンタするようなマーケティング戦略をすれば、一見、勝てるような気がします。

『週刊金融日記 第347号 ふるさと納税とポイント還元祭りで札束でビンタされる』

 まあ、しかし、よく見ると、僕がよく使っているサービス、たとえば、Twitter、Airbnb、Uber、あとは、LINEなんかも仕方なく使っていますが、こういう世界で成功したアプリが、大資本が札束でビンタして、いきなりマーケットを取りにいくような戦略だったか、というとそうではないんですよね。不思議なことに。そういえば、Facebookも、ザッカーバーグがハーバード大学でリア充コミュニティにはぶられてたから、こういうネットで大学内でつながるコミュニティを作ろうと必死でやってたんですよね。ついでにいうと、この金融日記コミュニティも、まったくマーケティングなんかしていません。自然と同じような志を持つ人たちが集まってきたわけです。
 創業者はこれはイケるはずだ、と信じているんだけど、最初はほとんど閑古鳥が鳴いている。それでも信念を持って必死にやり続けたら、いつの間にか口コミで広がって、世界的なサービスへと成長していくわけです。逆に、TwitterやFacebookの二番煎じをやろうとして、大資本を投入したけど失敗した例は、いくらでも思い浮かびます。
 勝者総取りビジネスは、必ずしも大資本で札束でビンタしたら勝てるわけじゃなさそうです。それはなぜでしょうか? 正直、よくわからないのですが、やはりそういうやり方は人々をインスパイアしないからなんだと思います。昔、記事を書いたんですが、Why(=信念)からはじめよ、ということはことのほか重要なことなのではないか、と。

『週刊金融日記 第176号 Why(=信念)からはじめよ』

 いつものように読者からの興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

- アラフォー医師ですが藤沢所長の日本医療への疑問に答えます
- 医師ですが論文を書いてみたいです
- 若いうちに残業しまくると力がつきますか
- 持たざるオスたちの嫉妬から身を護るには自前の軍隊でも持たないと無理かもしれません

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.ふるさと納税ではポイントに踊らされるな

 そろそろ2018年も終わりに近づいてきました。個人の確定申告は1月1日から12月31日までが一区切りなので、節税などいまのうちにやっておかないといけません。まあ、いまからできることといえばふるさと納税ぐらいなものですけどね。そこで、先週はどのプラットフォームを通してふるさと納税をするべきか、というのを議論しました。ポイント還元率が高い「楽天ふるさと納税」で、楽天のクレジットカードで「寄付」する、というのが答えでした。しかし、本当にこれが正解なのでしょうか?

●楽天ふるさと納税
https://a.r10.to/hvP81c

『週刊金融日記 第200号 確定申告を自分でやってみよう』
『週刊金融日記 第207号 自分で確定申告できました』
『週刊金融日記 第255号 みなさん確定申告はお済みですか』
『週刊金融日記 第307号 確定申告の季節ですがこれから事業をはじめる人にアドバイス』

 じつは僕もさっそく楽天プレミアムカードを作り、喜び勇んでふるさと納税しようといろいろ検索していたら、表面的な情報だけからはわからないことがいろいろと見えてきたのです。
 その前にこれからふるさと納税する人のために基本的な仕組みを解説します。
 自分が住民票を置いている地方自治体に住民税を納めていると思います。ざっくり言って所得の10%が住民税です。この住民税の一部を、自分が好きな自治体に振り分けることができます。つまり、これだけだと住民税を納めるところが変わるだけなんですが、こうやってふるさと納税してもらった自治体は、お礼にその自治体の特産品をお返しできるのです。昔は、換金性の高い金の延べ棒や商品券などを配っていた自治体もあり、一儲けしたデイトレーダーが、ふるさと納税でさらに儲けるみたいなことをして炎上し、いまではいろいろ規制が入り、商品価値が納税額の3割以内で、かつ、その地方に関わる返礼品でないといけない、ということになっています。納税者はわずか2,000円の負担で、一定枠のふるさと納税ができて、その3割の返礼品がもらえるという、まさにフリーランチでして、これは利用しない手はないわけです。
 ところで、確定申告していないふつうのサラリーマンは、5自治体まではワンストップ特例というのがあり、確定申告することなくふるさと納税できるので安心してください。

●「ふるさと納税」還付・控除限度額計算シミュレーション
https://www.furusato-tax.jp/about/simulation

●かんたん!「ワンストップ特例制度」
https://www.furusato-tax.jp/about/onestop

 これで東京都などは住民税を取り逸れるので怒っているわけですが、そもそも一極集中で住民税を集めすぎている東京都がそんなことを言っても誰も聞く耳は持たないでしょう。いろいろな意見がありますが、確かにこれで地方名産品に需要が発生するわけで、ちょっとしたばら撒きタイプの経済政策的な側面があり、景気対策になります。実際に、いろんな品を受け取った僕から見ても、ばら撒きタイプの需要政策としては悪くないかな、という気がしております。

●ふるさと納税、東京都から645億円の流出に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33497750X20C18A7EA1000/

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藤沢数希

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藤沢数希

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