// 週刊金融日記
// 2017年5月18日 第266号
// まだ出会い系アプリで消耗してるの？ Instagram編
// 日経平均２万円の壁
// 麻布十番のデートのための高級居酒屋
// なぜ格安SIMは普及しないのか
// 他

　こんにちは。藤沢数希です。
　この１週間ぐらい、僕は自分の会社の決算で苦しんでおりました。

★JR東海のEXICと連携しているセディナカードは、ログインごとに画像認証を要求し、明細がPDFのみなので、マネーフォワードと相性が悪く、読み込み漏れがあるという決算前のとんだ罰ゲームが発生してしまいました。

　そもそも、僕は自分がいくら稼いでいるのか知らず、だいたい１年でこのときにはじめて、ああ、こんだけ稼いだんだ、とわかるわけです（笑）。あと、僕は自分がいくら持ってるのかも、よく知りません。まあ、だいたいこんぐらいかなぁ、というのはわかるんですが……。そういえば、僕は自分のブログのSEOとか、アクセス解析とかまったくやりません。でも、こういうの大好きな人がいて、毎月綺麗にスプレッドシート作って、「分析」したりするんですよね。いや、だって、そんな暇があったら、その時間で稼いだほうがよくね？と思うわけです。
　めんどくさい分析とかが嫌いなわけじゃなくて、むしろ好きで、トレーディングしていたときも、金の臭いがすると、必死こいて必要なデータを集めてガリガリ分析しましたし、恋愛工学の研究でも、面白い仮説を思いついたら必死こいて分析します。
　まあ、僕は性格的には狩猟民族で、ふだんはゴロゴロ寝ていて、マンモスが来たら急に人が変わったようにがんばる、みたいなタイプなんですね。だから、サラリーマンをやっていたときも、僕が意味ね～、と思うような仕事をルーティーンで組み込んでくるような上司とはとことん合いませんでした。あと、証券会社の社員にもかかわらず、遅刻も多かったような気がします（苦笑）。
　やり方は人それぞれだと思います。
　さて、僕のクラウド会計もこれで３年目で、なかなか使いこなしてきました。クラウド会計は、これから本格的に個人事業したり、会社作ったりする人は、必須アイテムじゃないでしょうか。バックナンバーを熟読してください。

『週刊金融日記 第185号 クラウド会計システムを使った経理自動化 その１』
『週刊金融日記 第186号 クラウド会計システムを使った経理自動化 その２』
『週刊金融日記 第187号 クラウド会計と税理士の未来』

　クラウド会計システムを導入するに当たって、ひとつ大切なことを言っておくと、会計の素人ではまったく手に負えない、ということです。簿記３級ぐらいを持っていないようなら、起ち上げは必ず税理士か会計士にお願いしましょう。いったん軌道に乗れば、あとはテンプレ通りにやるだけなので非常に楽です。なんせ記帳業務が自動化されるわけですからね。
　簿記がよくわかっていないフリーランスとか社長さんとかが、自分で必死こいてクラウド会計に１年分のデータを入れて、間違いだらけの悲惨な帳簿が、税務申告前に会計事務所に持ち込まれる、という悲劇があとを絶ちません。フリーランスでも簡単にできる、とマネーフォワードやfreeeが嘘の宣伝をしたからなんでしょうが、素人では無理だと思ってください。

　さて、先日、イタリアの離婚裁判についての面白い記事を見つけました。新聞などのマスメディアは、相変わらず「慰謝料」という用語をおそらく意図的に間違って使っているわけですが、イタリアで「離婚後」の毎月の金銭の支払いは、生活保障ができればよく、必ずしも婚姻中の生活水準を保つ必要はないとの判決が出ました。
　じつは、イタリアやフランス、あと、たぶんイギリスもなんですけど、日本と違って、婚姻費用は一生なんですよ！ コンピ地獄は離婚しても続くんです（笑）。『損する結婚 儲かる離婚』を執筆しているときに、欧州の結婚事情を調べました。最初は、あちらは進歩的で自由だから、結婚してなくても子供を作ったり自由なんだ、と思っていたのですが、じつは逆で、結婚制度は日本よりがんじがらめになっていて、厳しすぎるものだから、みんなバカらしくなって事実婚が急激に増えたのです。
　そういうわけで、縁起でもない話で、仮に、あくまで仮定の話なんですが、宇多田ヒカルさんなんかが離婚騒動になったら、トンデモナイ金が旦那に支払われることになりますね……。イタリア人の彼は億万長者確定で、なんとも羨ましいですね。

●離婚の慰謝料は自活度で決定、イタリア裁判所が画期的判断
https://mainichi.jp/articles/20170512/reu/00m/030/014000c

　経済誌『週刊実話』で拙書を取り上げていただきました。多くの人が、結婚と離婚について考えるきっかけになれば幸いです。

★……僕が言いたいのは「愛より金」なんてつまらないことではありません。

　日刊SPA!のほうに、著者インタビューの続きが掲載されました。本を読んでくれた人には繰り返しの記事になりますが、女性が社会進出すればするほど結婚制度は形骸化していく、という話です。いずれにしても、女性が社会で活躍するのは素晴らしいことですね。

●女性が社会進出すれば婚外子が増える
https://nikkan-spa.jp/1328242

　最近、電車で痴漢と疑われた男性が線路に飛び込むなど、無理に逃げようとして死亡する事件が相次いでいます。

●痴漢疑われた男性 はねられ死亡 逃げようとしたか
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170515/k10010982951000.html

●痴漢疑われた男性逃走 ビルから転落し死亡
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170512/k10010978981000.html

　警視庁は以前「痴漢撲滅キャンペーン」というのを実施しており、痴漢を疑われて警察に連れていかれると、「やった」と自白するまで勾留され続け、サラリーマンなどは職を失い、社会的に抹殺されておりました。そういう実態があり、弁護士などもメディアで、痴漢と疑われたらとにかく逃げるしかない、とアドバイスしていたため、そうした情報を信じている男性は命を懸けて逃走するのでしょう。
　痴漢冤罪をあつかった映画『それでもボクはやってない』がヒットしたのも記憶に新しいですね。

『それでもボクはやってない』 http://amzn.to/2pKp7wr

　最近は、否認しても、必ずしも長期間勾留されるわけではないようで、この辺は改善されたようですが、それでも大変なリスクに晒されることには変わりありません。

●東京地裁 痴漢で勾留、原則認めず「解雇の恐れ」考慮
https://mainichi.jp/articles/20151224/ddm/002/040/129000c

　このように、痴漢の疑いがかかると、たとえ冤罪でも、まともな職業の人にとっては社会的制裁が極めて重いのです。しかし、刑罰自体は迷惑防止条例違反というだけで重くはありません。本物の痴漢常習犯はだいたいは無職ですので、社会的地位はすでに底辺にあり失うものがありません。よって、彼らはネット上に散見される平気で名誉毀損などの犯罪行為を繰り返す「無敵の人」であるため、迷惑防止条例はあまり抑止力にはなっておりません。
　こういった法律の運用で、当初の目的を達せられず、多くの副作用が出るのは、日本のお家芸ですね。拙著『損する結婚 儲かる離婚』でも、金持ちと結婚した奥さんが万が一別れることになっても法律で徹底的に守られる一方で、本当に困っているシングルマザーなどは、まったく保護されないことを浮き彫りにしました。

『損する結婚 儲かる離婚』 http://amzn.to/2rqLjc4

　僕は有名人の結婚も離婚もプライベートなことだと思っているのでことさら関心はないのですが、秋篠宮（あきしののみや）ご夫妻の長女眞子（まこ）さまが、国際基督教大学（ICU）に通っていたときに★意見交換会★で出会った同級生とご婚約されました。
　婚約者の小室さんは、湘南の「海の王子コンテスト」で優勝した過去があったり、メガバンクに務めるもサラリーマン生活が合わずに辞めて、司法試験の勉強をしながら法律事務所に務めている、という何とも親近感のわくナイスな男性であります。彼は一躍時の人になったわけですが、何となく写真などで見る限り、僕たちと同じ種類の人のような気がします。すなわち、ちんぽ騎士団たちに対抗する、レジスタンス側の人間ではないか、と。
　女性コミュニティの中で皇室は当然ですが極めて格が高いので、恋愛工学の理論に従えば、今回の婚約で彼はモテにモテるようになるということです。いまごろ、大学時代やメガバンクの新人時代に彼のことを歯牙（しが）にもかけなかったＳクラスの女子たちが、突然にFacebookなんかで彼にザオラルメールを大量送信していることでしょう。
　そうした数々の誘惑の中で、人間味のある夫婦生活を営んでほしいな、と陰ながら応援しております。

●秋篠宮眞子さま婚約へ
http://www.yomiuri.co.jp/matome/20170517-OYT8T50016.html

　本を書いていると、大学入試の素材文などに自分の文章が使われることがあります。事前に著者に連絡がいくと、入試問題が漏洩してしまうので、著作権法の特例で、入試問題では自由に著作を使っていいことになっており、著者には事後的に連絡があります。大学のWebサイトや過去問の問題集に載せるには著者の許可がいるからです。
　今年の神戸大学の小論文入試で、拙著『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』がグローバル化の光と影を考えるための資料として使われたようです。グローバル化というか、ビジネスマンが知っておくといい経済学の基本を、とてもコンパクトにまとめた本なので、まだ読んでない方は読むといいと思います。

『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』 http://amzn.to/2rqeex6

　大学入試絡みですが、本メルマガでも何度か取り上げている大学入試改革について、大まかな改革案が発表されました。やはりセンター試験の国語と数学の２科目に簡単な記述式の問題をすこし入れるというマイナーチェンジが行われるだけになりそうな気配です。ただ、英語は、読む・聞く・書く・話すの４技能を見るということで、センター試験は廃止して、英検やTOEIC、TOEFLのような外部試験にする予定で、こちらはけっこう変わりますね。

★まだまだどうなるかわかりませんが、ちょっとしたセンター試験のマイナーチェンジで終わるのでしょうか……。

●2020年大学入試改革の落とし所によっては日本の受験産業は壊滅する
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52100963.html

　今週も興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

―恋愛工学初級者ははじめに何をすべきか
―ソーシャルレンディングについてどう思われますか
―「月５～10万程度でいいので手っ取り早く稼ぐ方法」への答えが秀逸でした
―コンピ地獄をものともしないほど稼ぎたいです
―なぜ格安SIMは普及しないのか
―ポストSPではむしろコミットしたほうがいいのか
―静岡の浜松まつりにて特別なハッピを利用した秘策で連続ゴール
―個人フットサルプロトコルと自分たちの恋愛工学

　それでは今週もよろしくお願いします！

１．まだ出会い系アプリで消耗してるの？ Instagram編

　これまで本メルマガでは、有料出会い系アプリについては、あまり推奨しないスタンスであった。恋愛工学のターゲットである「中の上」以上の女性と出会うには、いささか効率が悪いと考えていたからだ。その考えはいまでも変わっていない。

『週刊金融日記 第237号 井戸実さんと対談 藤沢数希が出会い系フィールドワークで得た気付きとは？』
『週刊金融日記 第264号 Facebookこそが最強の出会い系アプリである』

　しかし、もちろん、それらは一般論であり、有料出会い系アプリで素敵な出会いを繰り返している読者は、もちろん続ければいいし、それは素晴らしいことだと思う。
　考えてみれば、恋愛工学がこれほど社会で受け入れられた背景には、出会い系アプリの普及があったのではないか、と推測される。やはり誰もが簡単にストナンやクラナンをできるわけではないだろう。しかし、出会い系アプリを通して、これまでナンパに無縁だった真面目なサラリーマンたちが、一部のヤリチンが日常的に行っていた、出会ってすぐの女性とご飯でも食べてそのままセックスするか、あるいは食い逃げされるか、というある種の恋愛ゲームに参加するようになったのだ。
　こうしたゲームでは、恋愛工学のACSモデルやCTテクノロジーなどが有効に機能し、その秘められた力に多くの人たちが夢中になっていったのだろう。健全な恋愛というゲームに参加するきっかけが、有料出会い系アプリであったとしても、何ら不思議ではない。

　ところで、恋愛工学ではTinderやペアーズに代表される有料出会い系アプリと、出会いそのものが目的ではない、Facebook、Twitter、Instagram等のSNSとを明確に区別している。これまでの考察であきらかになったことは、出会い系の本流は、むしろ後者であるということだ。
　今週は、Instagramについて素晴らしい論文が投稿されたので、そちらを最初に紹介しよう。

===============================
―可愛い20代女性たちと出会えるInstagramは最強の出会い系アプリである

初めまして。
創刊号から購読させて頂いております。
タツヤと申します。
これまで投稿は一度もせず、友人たちにこのメルマガを読んでることも明かさず、恋愛工学用のTwitterアカウントも作らず、ただひたすら、毎週週刊金融日記を読む→ナンパする→セックストライする、ということの繰り返しでした。
さすがにこれを愚直に５年もやっていると、Ａフェーズをクリアした後のミスはほぼゼロになりました。
恋愛工学と出会う前は、"食い逃げ"や"お預け"でひとり枕を濡らした夜もありましたが、今では、

　出会ってアポが取れる＝ほぼ100％がセックスできる