週刊金融日記 第212号 日本の次の30年と教育とキャリア、銀座の鮨、凡人文系大学生の就活戦略、他

// 週刊金融日記
// 2016年5月4日 第212号
// 日本の次の30年と教育とキャリア
// 円急伸で海外に行く国民に恩恵
// やっぱり美味しい銀座の鮨
// 凡人文系大学生の就活戦略
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 日本はゴールデンウィークまっただ中ですね。しかし、どこにも行かずに東京に残っている人も多いのではないでしょうか。そこで、ちょっと近場のお台場なんかに行ってみようと思う人もいるかもしれませんが、こういう場所のアトラクションはどれも激混みなので、行ってはいけません。あと、ゴールデンウィークの一見客を狙ったフェス関係もダメです。
 都心に残っている人にオススメなのは、丸の内や品川のオフィス街、六本木ヒルズやミッドタウン、あとは、いいレストランはこの時期比較的空いています。

★昨年のゴールデンウィークは肉フェスというのに行ってひどい目に遭いました。

 橘玲さんの遺伝などに関する本の書評を書きました。人は遺伝か環境か、などという問いにはまったく意味がなく、当たり前ですが人は遺伝と環境の相互作用で育っていくわけです。

●愉快に読めた「理不尽な真実」
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/610663.html

 今週も面白い読者の投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

—公立中学で子供を不良といっしょにしたくありません
—中学受験で第一志望に受からなかったら公立に進むというのはどうでしょうか
—凡人文系大学生の就活戦略について
—日本が財政破綻したらどうなるのでしょうか
—地位のある男性が不倫スキャンダルに巻き込まれたときの危機管理
—即セックスしないことでのみ落とせる女子について
—続・不倫相手との関係を円滑に解消する方法
—ポストSPで女からの「ひとりに絞れor別れろ」要求
—私の行動は弱い個体が争いを避けたいがための適応戦略でした

 それではみなさん、今週もよろしくお願いします。ゴールデンウィークをお楽しみください。

1.日本の次の30年と教育とキャリア

 当たり前のことなのだが、多くの人が忘れてしまっていることがある。子供の教育を考えるときには、子供が20~40歳ぐらいになるときに、日本、そして、世界がどのようになっているのかを想像しないといけないということだ。つまり、10~30年先の未来だ。高校生が大学の専攻を決めるときも、自分の適性と同時に、10年後、20年後の未来を予想しないといけない。
 そこで、次の30年ほどの日本の状況を俯瞰し、現時点で判明していることを整理しながら、将来のキャリアを考える上で重要なポイントをいくつかまとめておこう。

【4年後の2020年に大学入試が変わる】

 いまの中学2年生が受ける大学入試は、いまのものとは大きく変わる。その全容はまだはっきりとわかっていないが、概ね、次のような変更が行われることになる。
 センター試験が二段階方式になる。これは、当時の下村文部科学大臣などが、これからは知識の暗記ではなく思考力が重要な時代なので、センター試験などという1点刻みで合否を決めるようなものは廃止し、真の意味で創造力を育むテストを作り、日本からグローバルリーダーを育てよう、という立派な理念により決まったものだ。その結果、基礎的な知識を見る現在のセンター試験の基礎バージョンと、大学で学ぶ力があるかどうかを見るための思考力重視のセンター試験の応用バージョンが実施されることになった。センター試験を廃止しようという高邁な理念は、結果的に、子供たちに二倍のセンター試験を課すことになったのだ(笑)。

●時論公論「大学入試改革 議論は尽くされたのか」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/240859.html

 いまのところ、センター試験の基礎バージョンのほうはTOEICのように何回でも受けられるものになりそうだ。そして、経済的な理由などで高校に通えなかった人にも、高校卒業程度の学力があることをテストし、大学受験を可能にする、通称「大検」はこちらの基礎バージョンのセンター試験に統合される。
 そして、応用バージョンのセンター試験は、これまでと同じように一発勝負の試験になる。本来なら、このふたつのセンター試験である程度の点数を取れば、何歳でも大学受験できるようにすることこそが正しいのだが、そのような国民や日本経済のためになるような改革が行われることはない。なぜならば、年齢主義こそが、日本の年功序列や官僚選抜の第一関門である東大入試の知的権威を守るためには非常に重要なことだからだ。こうした教育の制度設計は、東大出の官僚が主導しているので、自分たちの権威、そして、年功序列を基本とした組織の秩序を脅かすような改革が行われることはない。

●センター試験に替わる新テスト 年に複数回実施する案は見送りに
http://benesse.jp/kyouiku/201602/20160216-1.html

 いずれにしても、この一発勝負の応用バージョンのセンター試験で、これまでの国立大学の学力試験を置き換えるのが青写真となっている。そして、国立大学の二次試験は、小論文や口頭試験、高校時代の活動歴などに点数を付けて評価する方向に行くだろう。これは欧米先進国の大学入試と似ているというか、アメリカやイギリスなどの制度を真似して新しい制度を作っている。そして、国立大学の二次試験は、東大の帰国生入試のような小論文形式が主流になると思われる。
 国立大学の場合は、新しいセンター試験の点数で一点刻みの足切りをして、採点コストを大幅に減らしてから、小論文で選抜するという流れになるだろう。しかし、こうなるとSAPIXや鉄緑会などが覇権を握っている受験産業の勢力図はガラリと変わる可能性がある。カリキュラムの先取り学習と最難関入試問題の徹底的な反復練習という、いまの受験エリートのトレーニング方法が通用しなくなるからだ。塾の勢力図は塗り替わるかもしれないが、公教育を担う公立中高vs私立中高一貫校では、いち早く新しい制度に対応する私立に有利に働きそうだ。また、私立の学校間では、序列がある程度は変わるかもしれない。

【4年後の2020年に小学5年、6年で英語が教科化】

 いまの小学校でも、ほとんどが週に1時間程度を英語の時間にしている。それでは何が変わるのか? じつは2020年から英語は通知表に成績が載る正式な教科になるのだ。それはつまり、中学入試に英語が加わることになるということだ。いまの小学2年生が受ける中学入試には英語が入っている可能性が高い。
 こうなると、最難関中学を受験する層の英語力は、12歳時点で中堅大学の大学入試レベルになることが容易に想像できる。現在のところ、私立中高一貫組と公立高校受験組では、駿台模試を受けるような層で比較した場合、それほどの偏差値格差はないことが示された。しかし、数学に関しては、中学受験塾での膨大な演習量が効いてくるので、4~5ポイントほどの格差が出ている。英語と国語に関してはあまり差がなかったが、中学入試に英語が加わると、英語でも4~5ポイントほどの偏差値格差が出来るということになる。つまり、いまの小学2年生、そして、それよりも下の子供がいる家庭の場合は、中学受験をするメリットが、これまでよりも大きくなる。これも私立有利の制度変更であり、また、子供を対象にする英語塾という、大きな市場が生まれることを意味する。じつは子供の英語教育は、いま大変熱いのだ。英会話学校やベネッセ、また、中学受験塾なども、子供の低学年向けの英語教育で覇権を握るためにしのぎを削っている。

『週刊金融日記 第207号 子供をなるべくいい大学に行かせたい家庭のコース別コストパフォーマンス分析』

【世界の中での日本のプレゼンス低下】

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藤沢数希

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藤沢数希

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