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週刊金融日記 第4号 女の方が投資が上手い理由、青山のとても眺めのいいテラス、、脳の快楽中枢に電極を挿したサルの話、他

// 週刊金融日記
// 2012年5月6日 第4号
// 女の方が投資が上手い理由
// —機会費用(Opportunity Cost)と埋没費用(Sunk Cost)
// 青山のとても眺めのいいテラス、
// 脳の快楽中枢に電極を挿したサルの話
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。ゴールデン・ウィークも今日でお終いです。みなさん、お出かけはどうでしたでしょうか? 僕は単行本の原稿を書きながら、近場の温泉などでのんびりと過ごしました。花粉もなくなりポカポカして来ましたが、天気はちょっと不安定な感じでしたね。
 明日からまた会社だという人も多いでしょう。寝る前のベッドの中とか、通勤電車の中で、僕のメルマガでも読んで、ちょっと知的な時間を過ごしていただければ、と思います。

1.女の方が投資が上手い理由

—機会費用(Opportunity Cost)と埋没費用(Sunk Cost)

 少なくとも男女比だけで見れば、エンジニアリングは男の世界のようだ。エンジニアリング職の9割は男だ。大学の理系の男女比を見ると、性差は歴然としているように思える。投資やトレーディングの世界もまた、男が多い。ざっと9割は男だといっていい。しかしアカデミックな研究によると、男のファンドマネジャーよりも女のファンドマネジャーの方がパフォーマンスがいいのだ。男のファンドマネジャーはサルにも劣ることで有名だが、実は人間の女にも明確に劣るのである。
 ブルームバーグとNCRW(National Council for Research on Women)の共同研究によると、2000年から2009年のヘッジファンドのパフォーマンスを調べた結果、女性ファンドマネジャーの平均パフォーマンスは9%であったが、男性の平均は5.82%であった。さらに金融危機の2008年には、男性の運用するファンドが19%も下落したのに、女性が運用するファンドは9.6%しか下落しなかったという。
("Women Surpass Men in Returns, Study Says," The New York Time, Dec 11, 2009)

 期間の取り方やデータのバイアスで結果はいろいろ変わると思うが、多くの文献が女性ファンドマネジャーの方が男性ファンドマネジャーよりも優秀だという結論を示唆している。ここまで差があると、男性のアナリストやファンドマネジャーが推奨する銘柄を空売りして、女性が推奨する銘柄を買い持ちすれば、安定的に儲かるロング/ショート・ファンドが作れそうだ。
 こういった男性ファンドマネジャーの無能さは、行動ファイナンスではオーバーコンフィデンス・バイアスで説明されることが多い。つまり男の方が自信過剰で、それが不必要なリスクを取ることにつながる、というのだ。なるほど、確かに多くの男は勘違いが激しい。

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