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令和4年の労働災害発生状況を公表

令和4年の労働災害発生状況を公表

~死亡者数は過去最少、休業4日以上の死傷者数は過去20年で最多~

 厚生労働省では、このたび、令和4年の労働災害発生状況を取りまとめましたので公表します。

 令和4年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症へのり・患によるものを除いた労働災害による死亡者数は774人(前年比4人減)と過去最少となりました。休業4日以上の死傷者数は132,355人(前年比1,769人増)と過去20年で最多となりました。
 また、新型コロナウイルス感染症へのり・患による労働災害による死亡者数は17人(前年比72人減)、死傷者数は155,989人(前年比136,657人増)となりました。
 ※ 新型コロナウイルス感染症へのり・患によるものを含めた労働災害による死亡者数は791人(前年比76人減)、休業4日以上の死傷者数は288,344人(前年比138,426人増)。

 労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」(以下「14次防」という。)(令和5年度~令和9年度)では、令和9年までに令和4年比で「建設業及び林業においてそれぞれ死亡災害を15%以上」、「製造業における機械によるはさまれ・巻き込まれの死傷者数を5%以上、陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上」減少させること等を目標にしています。

 計画の初年度となる令和5年度は、目標の達成に向け、労働者の作業行動に起因する労働災害対策、高年齢労働者、多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策、陸上貨物運送業、建設業、製造業や林業への対策、労働者の健康確保対策、化学物質等による健康障害防止対策などに取り組んでいきます。

 また、全国安全週間(7月1日~7日)とその準備月間(6月1日~30日)では、厚生労働省、都道府県労働局から事業場、関係業界団体等に対して、積極的な労働災害防止活動の実施を働きかけます。

【令和4年労働災害発生状況の概要】※1

  1. 1死亡者数 ※2

    • 死亡者数は774人と、過去最少となった。

    • 第13次労働災害防止計画(以下「13次防」という。)(平成30年度~令和4年度)の重点業種は、建設業が281人(前年比3人・1.1%増、29年比42人・13.0%減)、製造業が140人(同9人・6.9%増、同20人・12.5%減)、林業が28人(同2人・6.7%減、同12人・30.0%減)となった。

  2. 3業種別の労働災害発生状況

    • 製造業の死亡者数は、前年比で9人(6.9%)増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。

    • 建設業の死亡者数は、令和2年以降増加に転じており、前年比で3人(1.1%)増加した。事故の型別では、「墜落・転落」(前年比6人・5.5%増、29年比19人・14.1%減)が最も多く、「激突され」(同8人・42.1%増、同4人・17.4%増)、「飛来・落下」(同6人・60.0%増、同3人・15.8%減)が前年比で大きく増加した。

    • 林業の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」(前年比1人・6.7%増、29年比5人・23.8%減)等が前年比で増加したが、「飛来・落下」(同2人・50.0%減、同2人・50.0%減)が前年比で減少した。

    • 陸上貨物運送事業の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が4,294人(前年比202人・4.5%減、29年比102人・2.4%増)と最多で、「動作の反動・無理な動作」(同44人・1.5%減、同737人・33.5%増)は前年比で減少したが、「転倒」(同104人・3.7%増、同677人・30.2%増)は増加した。

    • 小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、いずれの業種も事故の型別では、「転倒」が全数の3割以上を占め、多い。

  • ※1死亡者数及び死傷者数は、いずれも新型コロナウイルス感染症へのり・患による労働災害を除いたもの。

  • ※2死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。

  • ※3事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。


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