八べゑのこと

つい最近までいわゆる「廻る寿司」に行ったことがなかった。別にブルジョワ自慢でもなんでもなく、寿司というのはスーパーの閉店間際の半額になったものを買って食べるか──あるいは、ちよだ鮨や京樽でやはり半額を狙うか、という存在だった。
あとは本当にカウンターで職人さんが握ってくれる寿司屋だが、これは仕事の接待とかになるので場合によってはさして心踊るものではないことが多い。

そんななか、最近結構行くようになったのが秋葉原駅の昭和通り口から歩いて5分くらい、「にぎり屋 八べゑ」という店だ。実に美味い寿司屋だ。

ここは元は「真寿司」という店舗で、勤務地が秋葉原なのでランチに何回か行ったことがあった。いつか夜来ようかなあ、と思っていたらあっさり 閉店→改装→居抜きで再オープン という一連の流れを経て、この「八べゑ」にトランスフォームしたわけだ。

開店した当初はサービスで生ビールが1杯200円で出したので安さに惹かれて行くようになり今や10日に1回くらいの割合で行くようになった。

普段使いできる寿司屋、というコンセプトなので普通に考えるカウンター寿司屋にしては価格も安く、無論ネタは新鮮でホスピタリティも素晴らしい。

行くとほぼ頼むのがこのウニの「赤富士盛り」。「赤字覚悟で提供します」というわけで赤い富士山、というわけで執筆時点で980円(税抜き)

炙り〆鯖は注文後、店員さんが目の前でガスバーナーで炙ってくれるのでなかなかに楽しい。

また朝に捌いた魚があればカマを塩焼きにもしてくれる。焼き場はきちんとした炭火が熾してあり、備長炭で焼く魚は美味い。

もちろん寿司も1カンから注文できる。チェーン店の寿司屋のようにマークシートに注文を書いて渡す形式なので、お好みのものを頼むのがよいかと。

日本酒なども各種取りそろえているが、時期によって限定のものを用意していたりするので(若いオーナーが日本酒好き)、店員さんに聞いてみるのが一番だ。

実はこの間、店長と雑談していたら「雑誌の取材を受けた」という話だったので、紹介されて下手に人気が出た挙句混んでしまうと困るなあ、という素直に喜べない複雑な事情なのだ。

にぎり屋八べゑ - 秋葉原/寿司 [食べログ]