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【北欧旅行記7】フォルケホイスコーレってなんだ?

【北欧旅行記7】
もしあなたが甘え下手なら、北欧へ行ってみるのはどうだろう?


私たちが滞在したのは、フォルケホイスコーレの宿舎。

フォルケホイスコーレは、日本語で「国民高等学校」と訳されている。
でも日本でいう「高等学校」ではない。

学校を卒業し、一度社会に出た人が再び教育を受けることができる場所。
自分探しができる場所。
やりたいことを探せる場所。
やりたいことを学んでみる、試してみることができる場所。
リカレントスクールに近いのかもしれない。
だから学生の年齢層も幅広い。

デンマーク第二の都市オーフスから、バスで1時間ほど離れた小さな町に
エグモント・フォルケホイスコーレがある。

ここには、日本人教員のユタカさんがいて、
日本からの留学生も8人ほどいた。

バテバテでたどり着いた翌日、
まずは学校の中をユタカさんに案内してもらった。


「フォルケホイスコーレ」にも、いろいろな種類の学校があるらしい。
私たちが滞在したエグモント・フォルケホイスコーレの特色は、
学生の半数近くが障害者ということ。

大きな電動車椅子で廊下を走り抜けていく人もいれば、
点字を頼りに歩く人もいる。

洋裁の授業をする部屋を見せてもらうと、
ミシンには手作りでストッパーがついていた。
視覚障害者が誤って手を縫わないようにということだった。

パソコンが並んだ部屋では、それぞれの身体応力に応じた補助キーボードがあった。
体育館では競技用の車いすで走り回っていた。
トイレの手洗い用の水道レバーは、操作しやすいようにかなり大きく、私は頻繁に手をぶつけた。

授業は、音楽、ガラス工芸、陶芸、体育など実技的なものもあれば、
ディスカッションを盛んに行うものもあった。

障害のある学生も、ない学生も、同じように同じ授業を受けている。
日本から福祉関係者が視察にやってくるというのもうなづける。

私たちは、授業の中に紛れ込んだり
日本人学生のためのゼミに参加したりした。

日本人学生もそれぞれ個性的だった。
ネットでエグモントの存在を知ってやってきた学生。
恩師に勧められてきたという学生。
日本での現役学生もいれば、社会人もいる。

将来、バリアフリーのショットバーを作りたいという男性。
建築士の女性、
デンマークで働きたいという男性、
論文執筆に悩む女性、
特別養護老人ホームに努める女性、
そこに集まる日本人の一人一人にインタビューするだけで、
企画リポートが何本も作れそうだ。

そして、教員のユタカさんも面白い。
デンマーク生活が長すぎて、ドラえもんをしらない。
若いときにふらっとデンマークに来て、
4つのフォルケホイスコーレを転々としながら、
デンマーク語を学んだらしい。
当然私たちとは日本語で話しているのだけど、
話しているうちに、日本人と話しているのかデンマーク人と話しているのかわからなくなる。

一度、ゆっくりユタカさんを掘り下げたインタビューをしたみたいと思うのに、カメラを向けると即座に逃げてしまう。

やっぱりユタカさんお気に入りの女性カメラマンと一緒に来なかったからか。
私たちだけではダメだったらしい。


【北欧旅行記】
もしあなたが甘え下手なら、北欧へ行ってみるのはどうだろう?(ぼちぼち連載中)
これまでの記事はこちらから。

北欧旅行記1
https://note.mu/kazuefukui/n/n9e58c1f703cc
北欧旅行記2

https://note.mu/kazuefukui/n/n9ee6f2f99073
北欧旅行記3
https://note.mu/kazuefukui/n/n78f05ffff80c
北欧旅行記4
https://note.mu/kazuefukui/n/nf40c1cbb9775
北欧旅行記5
https://note.mu/kazuefukui/n/n3d71a4502d2c
北欧旅行記6
https://note.mu/kazuefukui/n/n65788f3afc6b
北欧旅行記7
https://note.mu/kazuefukui/n/nc3d51d896472

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