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合衆国憲法修正第12条

日本のメディアでは、トランプが訴訟を起こしていることしか話題にならないので、トランプが今狙っていることを書いてみたいと思います。それは合衆国憲法修正第12条をベースとした再選への可能性です。

ご参考:アメリカ合衆国憲法修正第12条(Wikipedia)

火種その1:候補者選出証書に対する権限

どこかの州で共和党と民主党が別々に選出証書を作ってワシントンの議会に送付し、選挙人の候補者についての論争が起きると、ちょっとややこしい問題が起きます。

民主党が勝ったと言われる州において、共和党が「投票の不正により選挙結果が妥当ではい」という判断をし、独自に選出証書を作った場合です。その場合、上院議長のペンス副大統領が、どちらを受け入れ、どちらを拒否するかを決定する最終的な権限を持っている。当然、ペンスはトランプを選ぶので、トランプ再選ということになります。

火種その2:270に到達しない場合

あるいは、集計終了時点で270を獲得する候補者がいなかった場合、修正第12条は「下院は直ちに投票によって大統領を選ぶものとする」と規定しています。通常と異なる「1州1票」の方式に基づき、大統領が決定される可能性があるのです。

現在、共和党は50州のうち26州で州代表団の過半数を占めており、新議会でもこの過半数を維持することはほぼ確実のようです。そうなると、州投票でトランプ大統領が選出される可能性が出てくるのです。

合衆国という連邦制民主主義国家

アメリカは連邦制の「合州国」です。各州の意思が州運営、最終的に国家運営を決めます。憲法上では、各州がどのような方法で選挙人を選んでも良いことになっています。そのため最高裁は、各州が勝手に大統領選の一般投票をやめたとしても、合憲だと判決したことがあります。

投票に不正があったとトランプが主張するアリゾナ、ウィスコンシン、ミネソタ、ペンシルバニアの各州(4州合計で選挙人数57)が問題になってきます。トランプは、当然このことを知っていてやっています。

これらのいずれの州も、議会上下院の多数派と知事がすべて共和党です。州として「不正があったため、一般投票は無効」と判断し、州知事の署名も添えて選出証書を連邦議会に送った場合…火種その1が発動するのです。

また、270を獲得した候補者がいないまま1月6日の両院合同会議を迎えますと、火種その2が発動し、前述の通り修正12条の解釈に沿って、1州1票制の投票方法が発動します。

1州1票制の場合、50州の投票の行方は…
☑ 26州が共和党、22州が民主党
☑ 結果、トランプが勝つ

いずれにしても、トランプが勝ってしまうのです。

アメリカではこれをStealthy Roadと呼んでおり、まだ楽観視していない人もいます。バイデンが今日か明日、270以上獲得すれば火種その2は消えますが、火種その1は残ります。

もしこのStealthy Roadによってトランプが大統領の座を降りない場合、アメリカは未曾有の混乱に陥るでしょう。アメリカが分断されかねません。その時に問題になりそうなのが、「居住区」です。

これについては、ショーンKYさんが分かりやすい記事を執筆されていますので、勝手に引用させて頂きます。アメリカには独立する自治体が存在しています。

この独立行政区では、行政サービスを民間でまなかったりしてまして、政府にたよらず独自運営出来てしまうという側面があります。

トランプ再戦→民主党反乱→暴動→分裂という構図は、可能性としては非常に低いと思いますが、色々な茶番を演じてきた国だけにゼロではないのかな、と…

いずれにしても今日・明日の選挙結果が見ものです。

本日もお読み頂きありがとうございました。

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