RPAとは(文系新入社員向けIT用語説明)



前置き

私の説明は、文系新入社員向けに、漏れなくダブりなく説明することでは”ありません”。7割の精度で素早く用語を理解することを目指しています。
そのため、敢えて間違った説明をしていきます。理由は単純。IT独自の用語が多すぎるし、時代とともに意味が変わるし、どんどん増えていくため、専門家を目指すのでなければ、ざっとした本質的な理解で十分です。特に新入社員は。

3秒理解:RPAとは、

人間の代わりに、アプリの操作をしてくれるアプリです。

日々の仕事は、毎日全く新しい仕事ばかりではありません。
9割方は、繰り返し作業になります。
そこで「判断」が決まっている繰り返し仕事を手順(コードもしくはフロー)化し、決まったタイミングや条件の時に自動的に動くものをRPAと言います。

背景: DX化の波による影響

EXCELなどのアプリには、元々繰り返し作業を手順化するマクロという機能が備わっています。しかし手順化出来る範囲が限られるため、例えば
「ブラウザを立ち上げネット検索した情報をEXCELに書き込み、PDF化してメールを送る」という作業全体を手順化する事が出来なかったため、
人間が作業を行う必要があった。

そんな中、DX化の高まり(「DXとは」を参照)から、アナログ作業をデジタルで手順化するために生まれたのがRPAです。

概要: RPA,マクロ,スクリプトの違い

アプリ及びアプリ間の操作をデジタルで手順化(フロー)する場合はRPAとして、MicrosoftのPowerAutomateがあります。それ以外にも以前からRPAに近い手順化するものがなかった訳ではありません。
Windows系のアプリ単体で操作をデジタルで手順化する場合は一般的に「マクロ」があり、EXCELマクロなどが代表例です。
同様にLinux系の場合は、「(シェル)スクリプト」と言います。
シェルスクリプトの場合はマクロ的な書き方や、RPA的な書き方も出来ます。

この似ているのに、言葉が全然違うのが本当に厄介ですよね。英語の単語を無理やり覚えるような面倒くささを私は感じます。

今回はRPAについての説明なので、話を戻します。
RPAがマクロやシェルスクリプトと決定的に違う点があります。
その特徴を3つ挙げます

  • レゴブロックのように機能があらかじめ用意されている。逆に言えば用意されていない機能はまったく使えない

  • 機能をブロックのように組み合わせる事で手順化出来る。そのため非IT系の人でも使える。これが一番大きいです。

  • RPAが動作するタイミングは時間以外にも、なにか変化したタイミングで自動的に動作させる事が出来る。(むちゃくちゃ便利です)

power automateで手順(フロー)化した図
サンプルとしてはちょっと複雑なやつですいません。

理想: 9割は自分を自動化出来る

冒頭にも記載しましたがクリエイティブな仕事をしている人でも1日のほとんどが過去に「判断」したことのあるルーティンをこなしているだけです。
9割方は、正しい情報を元に正解を「判断」出来る仕事ばかりです。
逆に言えば、RPAで自動的に判断し業務を行なってもらえたら、皆さんは2人分の仕事が出来るようになります。つまり単純に言えば、2倍の給与をもらえるような人材になれるという事です。

失敗: 完璧に手順化してはいけない。

ただRPAを導入を試みて失敗している企業が多いのも事実です。便利で非ITの人でも使えるのにです。残念ながら1部上場企業にいる優秀者な社員ですら、いや優秀な人程、失敗しています。

失敗する主因は以下のとおりです。

  • 要件を全て洗い出し設計してから行おうとした

  • 全てのものを網羅的・完璧に手順化を試みた

  • 「判断」のみならず「決断」まで手順化しようとした

  • 多くの人が使えるように汎用化を試みた

優秀で細部まで気回る方々は、完璧性と経済的合理性を求めるあまり、時間とお金をかけて、誰もが”不便”なものを作ってしまう傾向があります。
これはアプリを外注する場合は有効ですが、ことRPAに限っては悪手です。

この真逆で、まずは自分一人が瞬間的に判断出来るルーティンを一つだけ手順化する事から始める事でRPAの導入が成功しやすくなります。

RPAを導入して成功するためのコツは、お金と時間を掛けずに、判断出来るタスクを一つだけ作る事です。

ちなみに私がお客様の業務をRPAする際には基本1日ないし2日で手順化して納品します。あまりの圧倒的な速さにお客様が驚かれるのもしばしばですが、そのため現在私に仕事が集中しすぎているのがちょっと悩みの種です。RPA化する事をRPA化できないかなと思う今日この頃です。
(実は最近そこもchatgptやcopilotによって実現してきているのでその点は今後実践編でお伝えします)

行動:

まずは、WIndows端末を支給された方は、Microsoft PowerAutomate for Desktopをインストールしてください。macを支給された方はブラウザで「PowerAutomate」と検索するとWEB版が使用できます。
その上でちょっとでも手順化出来る事があれば、是非手順を作ってみてください。 


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