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サービスやプロダクト開発における「理想や夢」の言語化の大切さ

理想や夢はエモい。でも人の心を動かすのもまたそのエモい部分である。会社の上司と話をしていたときに思ったことだ。サービスやプロダクトの開発につながるであろう話を雑にまとめた(そしてこの記事もエモい)。

人は理想や夢を持っている

人は生きている間に、誰しも理想や夢を描いていると思う。「私は物を減らして身軽な生活をしたい」とか「私はリモートワークで通勤せずに働きたい」とか「私は絵を描くことで誰かを喜ばせたい」とか「自然豊かな場所で静かに暮らしたい」とか。

社会では、そういった理想や夢を叶えるためのサービスやプロダクトがたくさん作られている。例えば、ポケットでも邪魔にならない薄い財布が作られたり、リモートでビデオ会議ができるサービスがあったり、イラストを投稿してユーザと交流できるWebサービスがあったり、地方の空き家情報を提供するWebサイトがあったり。

こういったサービスやプロダクトは、全て人々の理想や夢を叶えるために作られたものであると思う。

なぜこのプロダクトを開発するのか

いま私は会社でちょうど新規プロダクトの開発を行っている。そこで疑問に思うのが「なぜこのプロダクトを作るのか」ということだ。このプロダクトを使ってもらうことで叶えたいユーザの理想や夢があるはずだし、もっと根っこの部分には「この会社がこういったサービスを世の中に提供することの目的」があるはずだ(よく「企業理念」という見出しで書かれている)。

「なぜこのプロダクトを作るのか」、言い換えると「このプロダクトが叶えるユーザの理想や夢」がしっかり言語化されている必要がある。それはなぜか。

妥協を許さない目標としての理想

理由のひとつは、「絶対にこれだけは譲らない」という、妥協を許さない絶対的な目標を作るためではないかと。開発をしていると、どうしても締め切りが近いからとか、人手が足りないからとかで、妥協せざるを得ない状況が発生する。これを完全に避けることは難しいだろう。

開発にあたっては事前に目標を決めることがあるが、ここでそのプロダクトの目的がはっきりしていないと、どうしても「これぐらいなら」と、達成できそうな(低めの)目標が作られ、よくわからないプロダクトができてしまうかもしれない。

ただ、ここで「これだけは絶対にユーザに届けるんだ」という理想がはっきりしていると、その理想から逆算した目標を立てられるようになり、理想に近いプロダクトができるんじゃないかと思う。

ユーザの心に響くプロダクトを作るための理想

理想や夢を言語化する必要性のもうひとつは、作ったプロダクトをユーザの心に響かせるためではないかと思う。

例えば、Appleは新商品を出すときに、具体的なスペックや数字を提示するよりも、「この商品で何ができるのか」というところを前面に押し出している。実際に一番最初にユーザの目を引くのは、論理的なところよりも少しエモい話であるとよく聞く(そのようなことを書いている記事を以前見たのですが、忘れてしまいました。ごめんなさい)。

また、話はちょっと変わるが、私の上司の話によると、最近の美術の教科書にはiPhoneが載っているらしい。しかも一番最初のページに。そこにはiPhoneのデザインに関するエモい話が書かれているらしく、おそらくこれは美術に興味を持ってもらうためのきっかけ作りなのではないかとのことだ。

このように、そのプロダクトが叶える理想や夢をはっきりさせておくことで、ユーザの心に響くものを作ることができるのではないかと思う。ユーザはその理想や夢を叶えるのが目的だから。

叶えたい理想や夢をチームに布教する

サービスやプロダクトを開発するときに、特にチームで動く場合に大事なのが、こういった少しエモい話をチームに布教することなのではないか。

経営者だけがそういった部分を理解できていても、それを開発に関わるチームメンバーが理解できていなければ、チームでユーザの心に響くサービスやプロダクトを作っていくのは難しいだろうなと思う。

特にデザインの仕事をしているとよくわかる。デザイナはそういうふわっとしたところをうまく具体化させていくのが仕事だと思うが、そのふわっとしている部分がふわっとしていながらも理解できていないと、デザインに落とし込むことができない。

理想や夢は論理的に説明するのが難しく、他人に理解してもらうのは大変だと思うが、エモい話ながらもそれに共感してそれを実現するプロダクトを作るためには、このエモい理想や夢を布教していくことが大事なのかなと思う。

まとめ:サービスやプロダクト開発における「理想や夢」の言語化の大切さ

サービスやプロダクト開発において、その目的、つまりそのサービスやプロダクトによって叶えられる理想や夢を言語化するのは大切である。

なぜなら、その理想から逆算した目標を立てられるからである。また、理想や夢はエモいが、そのエモさがユーザの心に響くサービスやプロダクトを作ることにつながるからである。そのためには、叶えたい理想や夢を開発チームに布教することが大事。

余談:デザインシステムの理念

個人的に社内のデザインシステムを作ろうといろいろ考えているのですが、デザインシステムでも最初にこの理念を必ず考えることになります。理念がないと何も始まらないですからね。

デザインシステムの理念というのは、デザインシステムを作る目的やそれによって実現したい理想や夢ですし、それがあることで「じゃあこういうデザインにしよう」とか「コンポーネントの設計はこうしよう」などと考える指標になります。

まとまりのない文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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