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同じ「時間軸」の中では生きられない

犬の平均寿命は12~15歳と言われている。

つまり、人間の倍以上の早さで歳をとっていくということである。

そんなことは、誰でも「犬と暮らしている」または、「犬と暮らしていた」こういった経験がある人なら承知のことではあると思う。

…余談であるが、私は動物に対して"飼う"という言い方が嫌いである。動物は皆人間に飼われることなんて望んでいない。けれども、私たち人間の欲求に無理やり従わされているだけである。そのため、基本的に生物を観察することはあっても捕獲または飼育しようとは思わない。しかし、少年時代の好奇心旺盛な私は、今とは裏腹に毎日外に出てひたすら生き物を捕獲していた。「ではなぜ?犬と暮らしているのか?」と思う人がいると思う。それは母が「どうしても犬を飼いたい)とのことで私の家では犬を飼うことになったのである。とそんな感じで余談はさておき、私は飼うという言葉が嫌いで「暮らす」という言葉を使う…

本題に戻るが、私の家には犬が三匹いる。父と母と子である。そして、この父にあたる私の家に最初にやってきたトイプードルのカブ(名前)が今年で12歳を迎えた。これは人間の歳に換算すると62歳である。

では、「具体的に歳をとると、どうなるのか?」と思う人もいると思う。

それは、人間が歳をとるのとほとんど同じである。

白内障が進み、目が悪くなる。歯が腐り抜け落ちる。白髪(体毛)がはえる。背骨が曲がり骨が出る。運動能力の低下により走らなくなる。

これはあくまで、カブ(犬の名前)の場合である。何より最近新たに増えた症状により、より老化を感じるものが増えた。

それは、耳が遠くなったことである。

例えば、ご飯を用意するときの皿の音。または母親が帰宅したときの車の音。いつも当たり前に反応していたものに最近は気づかなくなった。

流石にこれには寂しく思い悲しい気持ちになった。いつもなら「うるさいな~」など鬱陶しくも思っていたことが急に無くなったからである。

もう、そろそろ寿命は近い。わかっていても現実からは逃れられない。なぜなら私たち”人” と ”犬”とでは進む時の早さが違うから。

つい最近までは子どもであったのにも関わらず、いつの間にか歳は越され、命が終わろうとしている。目の前に死があるときの気持ちほど寂しくて悲しいものはない…

そして、最後に私に出来ることは、来るべき「その時」をじっと堪えて受け入れること他ない…

それでは、また…

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