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透明性と公平性を実現するSalesforceライセンスの管理とコスト配分戦略

Introduction

組織全体でSalesforceを効率的に利用するためには、各事業部門が公平にコストを負担し、ライセンスが最適に活用されることが不可欠です。

この記事では、Salesforceのライセンス残数の確認方法とユーザー利用コストの算出方法に焦点を当て、組織内で効率の良いライセンス管理と正確なコスト配分を実現するための方法をまとめます。


Salesforceのライセンス残数の確認方法

Salesforceのライセンス管理は、組織における効率的なCRMの運用において重要な要素です。特に、複数の事業部門がSalesforceを使用している大規模な組織では、ライセンスの割り当てとその利用状況を正確に把握することが不可欠です。ここでは、Salesforceのライセンス残数を確認するための基本的な手順について説明します。

Your Accountを使用した確認

Salesforceでは、「Your Account」という機能を通じて、ライセンス残数を含む詳細な請求情報を確認することができます。この機能は、特にSales CloudやService Cloudを契約しているお客様にとって便利なツールです。

  1. アクセス方法:Salesforceにログイン後、設定ギアアイコンをクリックし、「Your Account」を選択します。この機能にアクセスするには、「請求情報の管理」権限が必要です。

  2. ライセンス情報の確認:Your Accountにアクセスすると、ライセンスの種類、使用中のライセンス数、残数などの詳細情報を確認できます。これにより、現在のライセンス利用状況を正確に把握し、必要に応じて追加のライセンス購入や再配分の計画を立てることができます。

組織情報からの確認

組織情報

組織情報のユーザーライセンスセクションからも、ライセンスの使用状況を確認することが可能です。ただし、ここで得られる情報は基本的なものに限られます。

Salesforceのライセンス残数の確認は、Your Accountや組織情報を通じて行うことができます。これらの情報を定期的にチェックし、ライセンスの最適な管理を心掛けることで、組織内のリソースを効率的に活用し、コストを適切に管理することが可能です。

ユーザー利用コストの算出方法

このプロセスは、組織内の各事業部門への正確な費用請求に不可欠です。ライセンスの種類や使用状況に応じてユーザー利用コストを計算し、公平なコスト配分を実現するための方法を紹介します。

カスタム集計項目を使用したコスト算出

レポートイメージ
集計レベルの数式列を編集
  1. カスタム集計項目の作成:まず、ユーザレポートタイプから作成したレポートでカスタム集計項目を作成します。この集計項目は、それぞれのユーザープロファイルに関連付けられたライセンス単価を基に、アクティブなユーザーの利用コストを計算するために使用します。

    1. レポートのカスタマイズ:Salesforceのレポート機能を利用して、必要なデータを含むレポートを作成します。

    2. 新しい集計項目の追加:レポート編集画面のアウトライン - 列で、「集計項目を追加」オプションを選択し、新しいカスタム集計項目を作成します。

    3. 数式の入力:数式にコスト算出に必要な計算式を入力します。数式は、ライセンス単価とユーザー数を乗算することで、特定のユーザーグループの総コストを算出するよう設定します。

  2. ライセンス単価の割り当て:各ユーザープロファイルに対して、そのプロファイルが使用するライセンスの種類に応じた単価を請求書より確認し、カスタム集計項目にプロファイルが割り当てられたユーザ数×ライセンス単価として計算式を入れる。

  3. 月次や年次のコスト計算:割り当てられた単価とアクティブなユーザー数を基に、月次や年次での利用コストを計算します。この計算により、各プロファイル、またはライセンス種別ごとの総コストが明らかになります。

コスト算出例

例として、組織内に100人のSales Cloudライセンスユーザーと50人のService Cloudライセンスユーザーがいる場合、それぞれのライセンス単価を基に総コストを算出します。Sales Cloudライセンスの単価が月額15,000、Service Cloudライセンスの単価が月額10,000だとすると、月次の総コストは以下のように計算できます:

  • Sales Cloudが割りあたったプロファイル: 100ユーザー x 15,000 = 1,500,000

  • Service Cloudが割りあたったプロファイル: 50ユーザー x 10,000 = 500,000

  • 総コスト: 1,500,000 + 500,000 = 2,000,000

カスタム集計項目を活用することで、組織内のコスト配分をより公平かつ透明に行うことが可能になります。

事業部門への費用請求の実施

Salesforceのライセンスコストを正確に算出した後、その情報をもとに各事業部門への費用請求を実施するプロセスは組織内のコスト管理と透明性を高める上で重要なステップです。

費用請求プロセスの準備

  1. コストデータの確認:まず、カスタム集計項目を使用して算出したコストデータが正確であることを確認します。

  2. 事業部門ごとの使用状況の評価:各事業部門がどの程度Salesforceを利用しているかを評価し、コストを配分する基準を設定します。

費用請求の実施

  1. 請求書の作成:算出されたコストを基に、各事業部門向けの詳細な請求書を作成します。請求書には、利用されたライセンスの種類、ユーザー数、単価、総コストなどが明記する。

  2. 内部通信:請求書を各事業部門に送付する前に、コスト配分の基準と算出方法について内部でコミュニケーションを取り、透明性を確保します。これにより、請求プロセスに対する理解と受け入れが促進されます。

このプロセスを通じて、組織内のリソースが効果的に活用され、各部門が公平なコスト負担を行うことが確保されます。正確なコスト算出と透明な請求プロセスは、組織全体のコスト意識を高め、より効率的なSalesforceの利用を促進します。

まとめ

この記事を通じて、Salesforceのライセンス残数の確認方法とユーザー利用コストの算出方法について詳しく解説しました。正確なライセンス管理とコスト配分を行うことで、組織は資源を最適化し、各事業部門への公平な請求を実現することができます。

主なポイントの再確認

  • ライセンス残数の確認:「Your Account」機能を使用して、組織のSalesforceライセンス残数を確認し、ライセンスが最適に活用されているかを把握します。

  • ユーザー利用コストの算出:ユーザレポートでカスタム集計項目を作成し、各ライセンス単価をかけて集計することで、アクティブなユーザーの月次や年次ごとのコストを計算します。

  • 事業部門への費用請求:得られたコスト算出結果を基に、各事業部門への費用請求を透明かつ公平に実施します。

結論

Salesforceのライセンス管理とコスト配分は、組織の財務健全性と運営効率を保つために非常に重要です。この記事で紹介したコスト管理を組織全体で実施することで、業務プロセスの最適化、そして最終的には事業成果の向上に貢献できると考えています。

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