救いの話。

何を隠そう、僕はこの1人のVtuberに救われた。

柚子花ゆずは [Vtuber, Vsinger, バーチャルアイドル]

"オーディションに受かって3Dモデルのバーチャルアイドルとしてデビューするはずが途中でプロジェクトが潰れて2Dのまま放り出された女"

Twitter: @Yuzuha_Virtual
Youtube: @yuzuha
強烈なキャッチコピー以外に説明することがないが、
とんでもないバイタリティの持ち主である。

「経緯」

8月の終わり。
TLに、とある一つの画像を見つけた。

どこか既視感のある装飾とチャイナ姿。

「ん…?」

それがカバーCDのジャケットだとわかるまでに時間はかからなかった。

"何だよこんなの聞いてないぞ!?"と思ったが、
今でも衝撃的だったのを覚えてる。

15曲入りカバーアルバム『世界征服だ。』/ 柚子花

(患いだったら絶対わかるでしょ、これ。)

そのツイートには「ぜんぶ君のせいだ。」とはっきり明記しているものは無く、カバーである旨の情報と曲目だけ。

Vtuberさんに限らず、歌い手さんのカバー関係は色々と権利問題が付きまとう。
堂々と名前載せてPV稼ぐ人も多い中、
これ"配慮"してるんだ、とまず思った。
(ちなみにJASRACの許諾を受けて、正しい手順を踏んだ上で販売されている。)

15曲。
これら全てに、楽曲制作(オケ)の依頼してRECしてMIXしてジャケット依頼して…etc (+MV3本)
これがどれだけ大変なことか、僕にはわかる。
(特に選曲には悩まれただろうと思う…)


よし、買え。今すぐリンクに飛べ。

これだけで買う理由になるだろ。
https://yuzuha-virtual.booth.pm/items/4049790 (BOOTH)

(もし買ってくれたなら、ツイートしてあげてね。)
ただの、僕の気持ち。


(大変失礼ながら)元は取れるのだろうか…と思った。
いちインディーズアイドルの我々を、
"どこを切り取るかで捉え方が変わるような難しい時期"に、よく取り上げてくださったなと。

彼女は出したいから、出した。のだと言う

すごくない?この行動力。好きだけで出来ないよ?
普通に感動したんだけど。

幸いにも発売記念ライブの直前で知ることができた僕は、リアタイで観て驚いた。

特に下調べもせず、
てっきりLive2Dの歌枠とかかなと思って行ったら
そこには3Dフルトラッキングでぬるぬる動く彼女の姿があった。

YouTube 『世界征服だ。』リリース記念ライブ!

1人で4人分も5人分も歌い続けるのはとても大変だっただろうと思います。
振り付けや歌い方の癖までリスペクトを感じた。
(古参の人は、後ろの方で腕組んで頷いててください)

柚子花さんが"配慮"されたように、こちらからも表立ってのリアクションはしづらい事案、かもね。

でもこんなもの見せられて何も言うわけにいかなくなった僕は
「ありがとうございます。ライブ良かったです。」と一言伝えにいった。

彼女はぜん君。に人生を救われたといい、
僕もまた、彼女に救われた。

「水谷さんの曲、30曲以上歌えます!
(僕が作る曲なら)何でも歌いたいです!」
そう言ってくれました。

前回の記事の通り、
音楽を辞めようと思い悩んでいた僕にとって
まるで全てを肯定してくれたような、そんな気持ちになった。

もちろん僕の曲だけがそれらを形成しているわけではないが、すぐに楽曲依頼の話になった。
謹んで、お受けした。

ーこれが、今回に至るまでの経緯。


「消失点」

「消失点」歌: 柚子花 / 作詞作編曲: 水谷和樹
linkco.re (配信サイトに飛びます)

実は今回が初めての作詞、また外に出す最初の作品となる。
どんな曲にするか、実はすごく悩んだ。

・作曲

柚子花さんの印象として、Futurecoreや4つ打ち主体の楽曲が多く見られた。
僕もまず思い浮かんだのはそのライン。
"バーチャルアイドル"と謳っているくらいだから、
キラキラしたかわいい曲だって候補に挙がる。
当然自分を知ってもらうチャンスでもあるからして、当たれるもんなら当たってやりたい。


"ただ今回の邂逅があまりにもエモ過ぎる…!"


"水谷和樹"が作る意味を考えろ水谷…



派手な外見より、辿った軌跡と奇跡。
内側を描いた、より深い所を書こうと。
Vtuberの3年、ってすごい事だと思うから。

カバーアルバムを出したその先の未来が、本家の作家とコラボするなんてこんなサクセスストーリーないでしょと。
深い所ったって何も知った口利けないけど、
何年も一方的に自分の曲聴いてくれてた人を
他人事には思えなかった。

が故に、僕に対する柚子花さんの持つイメージが
掛け離れるものであってはいけないと。
そんなところを、沢山悩んだ。

柔らかなその声を生かしたく
結果的に歌もののバンドサウンドな方向で進め、
アレンジにもかなりこだわった。
展開が変わる曲が好きと聞いていたのでマストで入れた。
久々に"俺、音楽してるわ…。"って実感がしてとても楽しかった。

・歌詞

最初に「こんな気持ちがあります」と
書き綴った文章を送ってくれた。
元になった所もあるし、そうじゃない所もある。
なかなかに重たく感じる内容だった…

自分とリンクするところも多かったし、
何より初めて人に書く作詞に集中したけれど、
納得いく内容になったと思ってる。

あとは各々聴いてみてほしい。

・最後に

あまり裏側でのやり取りを晒すのも野暮だが、
どうしても、ぐっと力が入った言葉がある。

"数多VTuberがいる中、はじめに組んだのが柚子花でよかったなって思ってもらえるように頑張ります"

次また機会があれば、振り切ったアイドルソングも作ってみたいな!
これからの活躍も期待しております。
お誕生日おめでとうございます。

以上長くなりましたが、


"人生を救われたアイドルに憧れオーディションに受かって3Dモデルのバーチャルアイドルとしてデビューするはずが途中でプロジェクトが潰れて2Dのまま放り出された女がカバーアルバムを発売したら本家の作曲家の人生をも救いオリジナルソングまでリリースしちゃった件"


でした。(言いたいだけ…)

一曲について、こんなに長く書くことはまず無いよ。
どちらかと言えば曲の事より、邂逅したことを書き留めておきたかった。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

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