35歳で大学生になった

私は現在35歳。昨年から臨床心理を学ぶため大学生になりました。
社会人で大学生になるというのは結構たいへんです。
まず入学の準備。
さすがに高校生の頃より社会を知っていますので準備する書類などだいたいわかります。ところが高校生の頃より忙しいので、それらの書類を集めて発送するのに手間取ります。
高校生のときのように担任の先生がサポートしてくれないのも大きな影響があります。
大学受験のために一緒に勉強してくれたり、互いに励まし合う同級生もいません。
なにを言っているのだ、と思われるかも知れませんが、同じベクトルに向かって進んでくれる仲間がいるのといないのでは大きな違いがあります。

大学の学部を決めるのもよく考えなければなりませんでした。
例えば、私が大学を卒業できるのは40歳くらいのときです。
40歳というのは、転職しようにも色々難しい歳です。
私が過去求人を調べた際、「40歳以下限定」と書かれていたこともありました。それもそのはず、職場は長く働ける人が欲しいので40過ぎた人より20代、30代が欲しいのです。
この辺はかなり不安があります。
はっきりいって高校を卒業して大学に入学したときより不安があります。

学部を選ぶ際、自分の今までの人生とはかけ離れたものを選ばないほうが良い気がします。
たとえば、私は約10年ほど福祉に関わる仕事をしてきました。人と関わっている内に、なぜこの人がこういう行動をとるのかに興味が湧きました。
私自身心療内科に通っていることも大きいです。
そのため、私は臨床心理を学ぶことにしました。
実は大学に入る前、周りの人からは「食える仕事を選びなさい」と言われていました。
しかし、食えるからという理由だけで学び舎を選ばないほうがいいと思っています。
よくネットで出回る、人間をコップに例えた話があります。
コップに石を入れて、次に砂を入れてコップを満杯にする話です。
砂を入れることができるので人は後からでも学び、習得することができます。
ですが、最初に石を入れてしまうので、後から大きな物を入れることはできません。
つまり、大きなものは最初に入ってしまうので、人生の初めの方でなにを学ぶかの大切さが説明されているのです。
私にとって臨床心理は身近なものでした。
いくら食えるからといっても今から税理士になる勉強やプログラミングの勉強をしても私の器には砂としてしか入ってきません。
砂粒では世の中の石と勝負したときに負けてしまうでしょう。
そういうわけで、私はいきなり方向転換をしたわけではなく、今まで自分がやってきたことを深める選択をしました。

大学を選ぶ際には、勉強方法もよく調べておく必要があります。
私が通っている大学は通信制です。教科書をメインに自分で勉強し、ほぼ毎月2回ほどテストがあります。とにかく学部生のときはテストをこなしていって単位をとります。
よくきく放送大学は(私が通っている大学より)レポートが多かったりします。
大学によってテスト重視、レポート重視、ゼミ重視など様々です。自分の生活スタイルにあったやりかたを選ぶべきかと思います。

大学のテスト勉強はこれまた大変です。大学からテスト範囲の連絡が届くので、自分でそれを確認して、自習します。
まず大学のシステムに慣れるのに時間を要します。
そしてこれまた、同級生がいない中自分一人で勉強します。
私はどっちかといえば不登校体質の人間でしたが、それでもこうやって今勉強してみて、同級生という存在のありがたさを感じています。

35歳で大学に通い始めて、楽しいこともあります。
勉強が楽しくて仕方ありません。
10代の頃より目的がしっかりしていますし、社会のいろいろなことを知った上で勉強しているので理解度が違います。
これはほんとに楽しいです。
昔祖母に「あなたは勉強が好きなんだろうね」と言われましたが、今その言葉を実感しています。

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