小規模な組織でのデザイナー教育で工夫してること

前提

教育プログラムが定まっていない小規模の組織で、インターン・アルバイトに対して、どのようにデザイン教育をしていくか

課題(悩み)

教育とリターンのバランス
即戦力じゃない人にデザインを覚えてもらいつつ、組織へのリターンのバランス

時間的制約

インターンやアルバイトの場合、フルタイム勤務ではないので間が空いてしまう。学生さんだとテスト期間を挟むと1ヶ月ほどのブランクも。
また、1年や2年で一度卒業することを前提とするため、卒業を見据えた着地も考える必要がある。

めざすゴール

長い目でみて、良い関係値を築けるようにする
将来的に仕事を手伝ってもらったり、将来の転職先候補に選んでもらったり、短期的なリターンは目指さない
(性善論ではなく、短期的リターンならクラウドソーシングなどのほうが楽だし早い)
前述、時間的制約も見据えて、デザイナーとしてのキャリアのスタートになるような経験をできるだけしてもらう(ベースつくりを目標とする)

会社の業務と、本人の学習が重なるところを積極的につくっていく
(重ならない雑務をお願いするときは、その旨をはっきり伝える)
(なんでも勉強でごまかさない)

まずはヒアリング

本人がやってみたいデザインの方向性を聞く
自社の事例だけではなく、デザイナー年鑑やイケてるサイトまとめなどから好みのデザイン、やってみたいデザインを聞かせてもらう。
上記から雰囲気の合う案件に参加してもらい、担当としてもらう範囲を増やしていく。

数ヶ月〜年単位で進めていくこと、概念的。

ソフトに慣れてもらう
デザインに思考を割くために、ソフトを無意識で使えるようにする
そのために、闇雲にソフトを使わせるのではなく、よく使う機能を絞って覚えてもらう

思考力を鍛える
アウトプット全部に、なぜそうしたかを説明できるような思考力と言語化を身につけてもらう。デザイナー仕事のベースとして重要だし、ここですり合わせができていると、将来的に外注で仕事をお願いするときも安心感がぜんぜん違う。

デザインの作法を学んでもらう
グリッドシステムやタイポグラフィの知識など。
以前は業務内で独習する時間を設けたり、まとめブログを書いてもらったりしていたけど、それよりは赤ペンするときに、都度伝えたほうが定着度が高かった。そこから興味をもってもらったら、専門書を貸し出す。

アイデアの元ネタになるようなものにどんどん触れてもらう
その人が好きそうなイケてるデザイン(本、映画、音楽、イベントなどなど)あればとりあえずシェアする。コミュニケーションになるし、若い世代ならではの感性も逆に学ばせてもらえる。

日々の業務で進めていくこと

作業前に、ディスカッションをする
どんなものを作ろうとしているか
なぜそうしようとしたか
最初は全然言語化できないが、少しでも話してもらうことで言語化するクセと、課題解決の思考をつけてもらう特訓をする。

成果物をレビューする
思考不足と、イージーミスを分ける
グリッドがズレてるとかはイージーミスなので、指摘して直してもらう。「どこがずれてるか考えてみよう」とかは何回かは意味があるが本人が自信なくすだけなので、シンプルに指摘し、他のことに時間を使うほうが効果があった。

思慮が足りないと感じた部分にはトコトコ向き合ってもらう
よくあるパターンとしては、
①なんとなくそうした=まったく考えてないパターン
→もう一度、考えてもらう
②考えていて正解だけど、スキル不足
→当人のスキルの範囲で、課題解決が出来ていない場合、考えは合ってることを伝え、いまのスキルで出来ることをサジェストする(スキルの棚卸し)
③考えているけど、煮詰まっている
→課題は正しくとられているか、なにがわかっていないかを棚卸しする

とにかく数稽古もする
業務アプリに慣れていないと、そちらに意識がもってかれて
思考力が伸びないので、量産仕事などもお願いしソフトに慣れてもらう。

作業時間はこちらが目安を出す
悩むと袋小路になってしまうので、すこし多めに目安の時間を切ってしまう。半日作業でも2時間ごとに声をかけて、煮詰まらないようにする。

やってもらって有益だった実務

PC⇔SPの変換
会社への貢献度も高く、デザインを再レイアウトしてもらうことで、PC版製作者の意図したことを推察したり、SPならでのアレンジをしたりと、身につけてほしいことを網羅的に学んでもらえる。

下層ページの量産
これも会社への貢献度が高い。
特に情報の構造化(マークアップ)を学んでもらうのに最適。

メインビジュアルのアイデア出し
そのまま採用できるメインビジュアルをつくってもらうというより、骨子になるアイデアを出し合う。当初はこちらで具体化していき、だんだん任せてく。自分だけでつくると似たものに寄ってしまうので案だしにバリエーションをもたせたいのと、スキルさえ後追いでつけば作りたいもんをつくれるようになるモチベを持ってもらう

バナーサイズ展開
地味な作業だが、
限られたスペースで、どの情報から掲載していくか
場合によっては文言のアレンジなど、アドリブの判断力が身につく。

あとがき

この数年なんとなく気をつけていることをまとめてみました。
もちろん、これが正解でもすべてでもなく、気付いたことがあったらアップデートしていきます。書いてて思ったけど、基本的には本人のやる気に依存してしまう(自己責任論が強い)ので、「絶対に一人前に育てないといけない組織」での教育はもっと難しいのだろうな。。

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kazuma nishiwaki

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