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Webサイトのコンテンツ不足を解消するために。


Markezineに上がっていた下記の記事を読み、基本でありとても大切なところだなと思う反面、私がWeb制作のカスタマーサクセスをやっていた頃にはできていない企業がとても多かったことを思い出しました。


当時、できていない理由のNo.1がコンテンツ不足であり、おそらく未だに多くの企業が悩んでいるところでもあるので、今日は自分の考えをまとめたいと思います。

多くのBtoB企業Web担当の抱える悩み

BtoB企業の経営者やマーケターの悩みのほとんどは「リードが足りない」「商談数が足りない」に集約されるが、これらの課題を抱える企業は、マーケティングの階段設計の途中に飛躍にあることが多い。

この悩みは本当に多くて、特にBtoBの中小企業は「引き合いを増やしたい」「新規の案件を増やしたい」と口を揃えて言う。そして、実は多くの場合、優先順位を決めてやることをやりきれば、ある程度のラインまでは割と簡単に案件を増やせる。最低限すらできていない企業もまだまだ多いので、実は0→1をやるだけで意外と初期成果は生まれる。


個人的な感覚ではあるが、これまでほとんど何も施策を打てておらずCVが月間0〜数件しかきていないBtoB系Webサイトであれば、顕在層に向けたインパクトのある施策をピンポイントで打つだけでも月間10〜20件程度のCVは短期で目指せる。


当然、業界やサービスにもよるので基準の数字は変動するし例外もあるのだが、どんなにニッチなBtoB商材でも、少なからず新規の引き合いが存在するならばある程度CVは発生する。


基本的に、まずWeb施策で集客すべきは顕在層であり、検索ボリュームは少ないがピンポイントでサービスに直結をするキーワードのSEOでまずは1位を目指す等が必要。そうすれば、ある程度の事例や他者との違いが明確にわかるコンテンツ訴求ができていれば、余程のことがない限りCVは増えると思っている。


ニッチになればなるほど、またアナログな業界であればあるほど、まだこのフェーズにいる中小企業は多い。ある意味伸び代しかないので、最初はやればやるほど成果が出る。


ただ、ある程度のCVは獲得できるものの、必ずどこかで行き詰まる。その際に先ほどの記事のような階段設計をしておけるかが、成果の天井に大きく関わる。そのため、階段設計をしっかり作るべきというのは私も100いいね押したいくらい同意で、BtoB企業であれば絶対やった方がいい。というか私もカスタマーサクセスの立場から言い続けてきたことだ。

直面するコンテンツ不足

ところが、言うは易く行うは難し。実際にやったことがある人はわかると思うが、これがめちゃくちゃ大変なのである。例えばカスタマージャーニーマップをベースに適切な高さのCV導線を作る、と決めたものの、そもそもコンテンツがないという壁にぶち当たる。コンテンツを考えるところからはじめ、コンテンツを作れる人を探し、依頼し、作成し、チェックし・・・








下手したらコンテンツ作りに平気で1年かかる。








カスタマーサクセスの立場からすれば、できるだけ早く動いてくれないとそれだけサクセスが遠のくのでできるだけ急いでほしい。ある程度顕在ユーザーのCVを増やせば感謝はされ、Webサイトの効果は実感するのでチャーンはないものの、もっとバリバリ施策を回して成果を出していきたいものである。


この「コンテンツないです」問題はBtoB企業あるあるで、長年私も苦しめられてきた。特に中小企業は、15ページ程度のコーポレートサイトのコンテンツ以上に、公に出せるものがないという。だがしかし、何年も事業をやってきているならそんなはずはなく、自分たちのナレッジがコンテンツになるということに気づいていないか、出す勇気がないかのどちらかのケースが多い。


ちなみに後者の「コンテンツを出す勇気がない」企業に関しては、多少減ってはきたもののまだまだ多いのが現実だと思う。

競合に知られたくないという理由がほとんどなのだが、実際はその出し惜しみしている程度の情報はすでに競合は持っているし、そもそもそこまで独自性の高いものを出せというわけではない。あくまでユーザーのリテラシーレベルにあった役立つ情報を用意してほしいのだ。まずはそこを落とし込む必要がある。

簡単に良質なコンテンツを作る方法

そして、この「コンテンツないです」問題を解決するもっとも簡単な手段は1つで、社内のコンテンツの流用である。


例えば私がカスタマーサクセス時代にクライアントによくしていた質問が


「新人研修用の資料とかないですか?」
「セミナーやカンファレンスの資料とかないですか?」
「技術資料とかどこかにまとまってないですか?」
「自社で出した本や冊子、論文とかってないですかね?」
「営業提案資料ってもらえないですか?」



などである。これらのコンテンツはすでにテキストとしてまとまっていて、場合によっては丁寧に図までつけてあるので、コンテンツとして非常に優秀なのである。そして専門性も高い。


特に新人研修用の資料は読み手のリテラシーも同レベルなことが多く、非常にわかりやすいコンテンツに仕上がる。

そしてこういったコンテンツはマーケ担当やWeb担当だけでは用意が難しいので、他部署やトップの理解が不可欠である。場合によっては社内への説得のためにカスタマーサクセスの協力が有効なケースもあるので、そこはまた気が向いたら書こうと思う。




以上のように、社内のコンテンツを流用すればコンテンツ作成のプロセスを一気にショートカットできるのだが、こんな簡単なことでも企業の担当者はこちらから言わないと気づかない。そして「コンテンツがない」と嘆く。だからこそ、こちらから質問をするなどしてコンテンツを引き出していく必要があり、カスタマーサクセスの手腕が問われる。

※ちなみにこれらのコンテンツはメルマガなどにも応用できるので、できるだけ多くの場所で使用するとコンテンツの価値はどんどん高くなるのでおすすめである。



こういったコンテンツに関するやり取りは階段設計の段階でしておくことが重要で、ある程度今あるものを活用しながらも足りない分は作成していくという同時並行の作業が必要になる。スピード感をあげるためには、クライアントによって役割分担の比重を変えていく。フレキシブルに、最短で成果を出すための動きが求められる。


ちなみにここまで一緒にやっていけば絶大なる信頼をもらえる。そしてよほどのことがない限りはチャーンなどせず、アップセルやクロスセルも狙えるのでLTVもかなり高くなる。ちなみにうちのCMSの平均月間チャーンレートは0.5%前後である。(最近知った)


階段設計は大事だがそもそものコンテンツない問題は多くの企業が直面する。そんな時に社内コンテンツを流用することで、問題を解消できる可能性がある。そして、少しずつクライアントの「コンテンツがない」というバイアスを外してあげることも大切です。



そんなことを伝えたくて本日はnoteをかいてみました。少しでも誰かの役に立てたら幸いです。



今日はこの辺で。



小木曽

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