見出し画像

【就活学生向け】SMBCのデザイナーさんがnoteを始めたことの大きさについて

これは学生にも読んで欲しい…!

三井住友銀行のインハウスデザイナーさんが、noteを開設しましたね。

スクリーンショット 2019-10-18 18.03.23

https://note.mu/smbc_design/n/n1b5f19e86cb9

これ、学生の皆さんにとってもめっちゃ勉強になる連載になるだろうと思うので、絶対読んでください。絶対…絶対読んでくれ…

と強く思い続けていたら思わず、前半部分をほぼ全部引用しながら、学生向けに開設するnoteを書いてしまいました。
大事なことなので改めて強調しますが、"三井住友銀行"の"インハウスデザイナー"が、"自ら外に向けて発信する時代になった"ということは、これはめっちゃすごいことなのです。
先日「自らを"UXネイティブ"と名乗り出した学生たち」のことをUX ROCKETというイベントのレポートの中で書きましたが、企業の側からも、ある意味これまでのデザイナーとは少し違ったデザイナー像を打ち出そうとしているように見えます。

大げさではなく"デザイナーは時代の変わり目にいるのだ"ということを、今回は学生の皆さんにわかりやすく解説してみたいと思います。

では、細かく見ていきましょう。

(注釈がない限りは、今回の記事の引用部分は全てnote記事"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"からの引用です)

01.「インハウスデザイナー」と「受託デザイナー」

はじめまして。三井住友銀行の金子と申します。
私は2017年に入行し、デジタル領域中心のインハウスデザイナーをしています。
今回の投稿では、三井住友銀行にデザイナーが誕生してから今に至るまで、そしてnoteをはじめる理由、についてお伝えしていきます。

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

さて早速ですが、"インハウスデザイナー"という言葉についてですね。多分学生の皆さんは、わかっているようでイマイチ想像ついていない言葉だと思います。
簡単に説明してしまうと、"Aという会社の中で、会社Aのために働くデザイナー"ということで良いかな、と。

"デザイナー"という言葉を聞いた時に学生の皆さんが想像するのは、恐らくこういう"インハウスデザイナー"ではなく、"受託デザイナー"の方ではないかな、と思います。
「こんな製品が出来たので、はちゃめちゃに売れるCMやポスターを作ってくれ」と、A社にお願いされて仕事をするのが"受託デザイナー"です。
ちなみにグッドパッチでは、こういう形を"受託"ではなく"パートナーシップ"と呼び、開発から深く関わることをしています。

スクリーンショット 2019-10-21 21.29.08

少し前までは、大きいメーカー、例えば全国流通するカップラーメンを売っている食品メーカーみたいなところにも、インハウスデザイナーは一人しかいないというようなことが当たり前にあったわけです。
でも、当然その場合だと、既にプロダクトが出来上がっている状態から仕事を始めることになるわけですね。
これまでのデザイナーは、それが当たり前だった、と。

02.デザイナーは時代の変わり目にいる

本記事の執筆者である金子さんは2017年入行とのことなので、「三井住友銀行にデザイナーが誕生した」のは、まだほんの二年ほど前の話のようです。
ここに二つ、しっかりキャッチして欲しいポイントがあります。

■三井住友銀行というメガバンクの中には、つい最近までデザイナーがいなかった
■そして二年前にようやく、インハウスデザイナーを社内に置くことになった

ここがデザイナーにとって、時代が変わりつつあるのだ!とするポイントです。

"フィンテック"って聞いたことありますか?ここ数年で急速に広まった言葉だと思いますが、これは「金融(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた言葉で、無理やり簡単に言ってしまうと、"お金周りのテクノロジー"のことです。PayPayとかLINEPayみたいな、キャッシュレス決済サービスもフィンテックの一つですね。仮想通貨に関わるようなものもそうです。

要は、銀行みたいなところも、これからはこういうテクノロジー(=今回は「デジタル化」と言っても良いと思います)を導入したサービスを始める必要が出てきた、と。

ここで必要になってくるのが。そうです、"UI/UXデザイナー"ですね。

03.デザイナーに求められる領域が広がっている

当初、何をやるか決まっておらず、周りからみればデザイナーは得体のしれない存在で、私たちとの関わり方を模索しているような状態でした。。(笑)
要件や設計が固まった後に相談をもらう事も多く、「できること限られるので、企画段階から相談してほしい!」というシーンはよくありました。デザイン界隈では、もはや”あるある”ですよね。

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

恐らく、"デザイナーって、最後にプロダクトにお化粧する人でしょ?"という認識が、銀行内であったということではないでしょうか。
あくまで想像ですが、極端な例を想像してみると、金子さんは入行後、「こういうネットサービス作ったから、背景とかアイコンとか作って〜」みたいな依頼をされるところからスタートしたのかもしれません。
やはりこういうイメージが、どうしようもなく社会にまだ根付いているということです。

美大に通っている人なんかだと、"絵描きは食えない"みたいなことを年配の人に言われてしまうという"あるある"を経験されていることかと思います。金子さんのご経験を見るに、企業の中にもまだそういう人がめちゃくちゃたくさんいる、ということが言えそうだったわけです。

04.でも、「デザインへの理解」も浸透しつつある

ただ、私の所属するリテールIT戦略部マネージャー陣の強力なバックアップのもと、少しずつ周囲の理解を得て、当部が関わるプロジェクトにおいて、企画段階から参画する事がかなり浸透してきています。
デザインの重要性を理解し、私たちの考えを尊重してくれる当部マネージャー陣には、感謝しかないです。
(言わされているわけではありません)

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

"時代が変わりつつあると言える理由ポイント"の二つ目ですね。
学生の皆さんにとってはここがめっちゃ重要です。

■マネージャークラスの人で、デザインの重要性を理解してくれている人が出始めた

「デザインの力が必要だ」ということが世間に徐々に広まりつつある空気みたいなものは、皆さんもなんとなく感じているかもしれませんが、2018年に一つ象徴的な出来事がありました。

05.象徴的な出来事としての「デザイン経営宣言」

経産省(=つまり国家機関)が発表した「デザイン経営宣言」です。

スクリーンショット 2019-10-21 20.45.09

スクリーンショット 2019-10-21 20.45.18

(———経済産業省・特許庁 産業競争力とデザインを考える研究会
 「デザイン経営」宣言より引用)

これは今デザイナー目指してる人は絶対読んどくべきやつです。
…読みましたね、読んだという前提ですごくざっくり言いますが、「会社経営の手段として、デザインをしっかり重視しなさい」という"おふれ"が、日本中の企業に向けて示された、というのがこの「デザイン経営宣言」です。

「デザイン経営宣言」は、正確には経営者層に対する啓蒙という風に読むべきものだと思うのですが、上層部から現場の人間に向けて"デザイン"という思想が企業内で浸透して行った先に、現場の生み出すプロダクトもある、とも言えるでしょう。

そして最近のトピックとして、インハウスデザイナーが企画から入っている「三井住友銀行アプリ」にてグッドデザイン賞を受賞することができました。少しずつですが確実に、デザインの重要性が行内に広まっていると実感しています。

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

まさに、そういうことが三井住友銀行の中でも起きているのではないか、と。
そしてこれは、三井住友銀行内だけの話ではないです。金子さん世代のデザイナーの努力や、「デザイン経営宣言」の浸透によって、かつて"お化粧"でしかなかったデザインに対する価値観が、社会全体で変わってきている

06.次のフェーズは?

デザインの重要性が浸透しつつあるとはいえ、組織が大きいので、リテール部門全体でみるとまだまだデザイン思考が根付いているとは言えません。
十分にユーザー体験が検討されないままリリースされていくプロダクトも多く、くやしい思いをすることも...

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

ただし、それは「まだ完全な状態になっていない」。長いですが、重要な箇所を引用します。

そして、ようやく本題です。
このように試行錯誤しながら進めている中で、会社を超えたデザイナー同士の横のつながりはとても大切と考えています。外部の勉強会やイベント等に参加する一方、当行でUXイベント(2019/8/27 UX JAM‘02 主催:UX MILK)を実施するなどのチャレンジもしています。
今後noteでは、私たちが日々現場でどのような課題を抱えどう乗り越えたか、銀行という組織でどのようなコミュニケーション手法をとっているか等、生々しい現場レポートや、イベント・トレンド情報を共有していく事で、デザイン業界を盛り上げたいと思っています!

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

まず、今後もこのnoteを追いかけて行くことによって、今「デザイナーになるぞ!」と意気込んでいる学生たちは、大いに励まされることでしょう。そして同時に、"今後デザイナーは、社会でどういう役割を担わなければいけないのか"ということを、現場の実例を見ながらよく知ることができるはずです。
そういう中で、"デザインを学ぶ人間だったら当たり前のような事柄"が、社会の中で意外なほど当たり前になっていない、というようなことが見えてくるだろうなと思います。

07.じゃあ、これからデザイナーになる自分たちは?

そして、最後に学生のみなさんにとっては最も重要なことを。

そして、裏テーマもあります。
私たちが掲げるミッションの実現に向けた想い、姿勢、価値観を感じ、共感してくれた方にぜひ仲間になって欲しいのです。(切実)
今、三井住友銀行は変革期を迎え、その中で「デジタル × リアル」での新しい体験設計が求められています。また、SMBCグループ間での連携を強化し、銀行の枠を超えた動きも増えてくるでしょう。
行内におけるデザインの重要性がヒシヒシと広がっている今、一緒に新しい銀行を作る仲間が必要です。
今後、不定期ですが私たちの取り組みについて書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。

———"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。"より引用

"銀行を作る仲間が必要"。
今後———というよりも今現在も———たくさんの企業がこういうスタンスを採っていくことになります。

ReDesignerのようなサービスがグッドパッチから生まれたのも、今回ここまでに書いてきた”社会におけるデザイナーの役割の変化”を推進していくためです。
学生から見ると、ReDesignerは"企業を紹介してくれるサービス"でしょうが、企業側とっては"デザイン思想やスキルを持った学生を紹介するサービス"なのです。

とにかく、社会全体が"デザイナー"という仲間として皆さんを迎え入れようとしつつあるということを、強く意識しておくと良いと思います。
もっともっと具体的に言えば、前述の通り"マネージャークラスの偉い人が、しっかりデザインのことを理解"していたり、"金子さんのようなデザイナーが、企業内で上層部になったりする"ことが、これから増えてくるかもしれない。
そういう人たちが、仲間を探して新卒採用・新卒教育をやる時代になっていくということになるわけですね。
これは、今プログラミングの勉強をやっている人も、美大でグラフィックを学んでいる人も同じです。

デザイナーは"お化粧"をする人ではない」ということを、皆さんも何となくはわかっていると思いますが、「じゃあ実際に何をする人なの?」ということを言葉で答えることは、案外難しいのではないでしょうか。
その辺を自分の言葉にしていくにあたって、この記事は非常に役に立つだろう、と思った次第です。
ぜひ、追っかけましょう。


ex:)

金子さんのインタビュー記事をもう一つ見つけました。こっちにはもう少し詳しく入行当時の話が載っています。noteと併せて読んでおくと良いと思います。
Business Network Lab
変革期にある銀行の静かなる改革者、インハウスデザイナーの意義と役割



(引用元:"三井住友銀行がnoteをはじめる理由。")

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?