作曲家修業の思い出(10)イントロは短くせよと亀田誠治氏に直接指摘される

だんだん「曲づくりの基本」のようなnoteになってきました。別に亀田音楽専門学校のようにするつもりはなかったのですが...。

作曲家修業の思い出(3)でも書きましたが、当時曲をまとめて提出するときは、イントロはのぞいてサビ前から作って、あとからイントロをまとめていました。

実はこの効用は大きくて、これ以前にイントロから順々に作っていくと、自分の場合どうしてもイントロが長くなる悪い癖がありました。それが、この作曲修業をキッカケに、イントロを短くすることを強烈に意識するようになりました。

 

毎回挙げているこの曲も、イントロが長い悪い例です。


歌に入るまでが40秒近くあります。ある意味ギリギリです。おそらく今なら20秒のところでもう歌を入れるでしょう。それでもこうして8小節増やしたのは、どうしてもJamiroquaiのButterflyという曲のようなベースとローズピアノのユニゾンプレイを入れたかったという、単なるぼくのエゴだったのです。


イントロが長すぎる!と亀田誠治氏から直々に指摘

実はこの指摘、今回のプロデューサーのA氏ではなく、椎名林檎~東京事変のアレンジ・楽曲提供でおなじみの亀田誠治氏に直接言われたものでした。

時は2003年、槇原敬之・SURFACEなどを輩出したAXIA Artist Auditionというものに参加してみたら、7,665組の中からファイナリストに残ってしまったのです(そしてなぜかドラムマガジン賞を受賞します)。当時他のオーディションなどに出しておらず、あまりメディアに紹介されてない一番地味な曲を選んでしまったのを、この時激しく後悔しました。要は選曲ミスだったのです。

それがこれ。↓

よりによってイントロだけで50秒もあるんです。 イントロだけで2つの構成があること自体、J-POPのフォーマットではない。まぁ、作ったときはJ-POPなつもりではなく、どちらかというと大曲志向で作ってしまったから仕方ないんですが(それが証拠に曲全体で7分30秒もある)。

で、ファイナル審査会場で曲とPVが流れはじめたんだけど、イントロが長すぎて、サビに到達するまえに曲と映像がフェイドアウトするという失態。苦笑

亀田氏が呆れて「イントロ長すぎでしょ!もっと短くまとめられるでしょ!これじゃサビに到達する前に、ディレクターは再生止めちゃうよ!」と、ご丁寧にコメントいただくことに相成りました。確かに、今ならイントロの構成が変わる16秒のところから歌を入れてしまうだろうな、と思います。

 

結論→イントロはなにがなんでも30秒以内でまとめる

その後、いろんな楽曲を聴いていくと、だいたい30秒以内でまとめるのが黄金律だなと気づきました。いきなりメロディからスタートするような曲も、最近は結構ありますよね。

中島美嘉のバラード曲は、とても曲進行がドラマチックで、当時も今も大好きで、結構研究したものでした。構成、ストリングスを中心としたアレンジ、転調の仕方などなど。


オーガスタ系アーティストでもきっちりしてます。


そんなわけで、日本の音楽といえば、70-80年代のフュージョン・ニューミュージック・インディーズくらいで、俗にいう90年代以降のJ-POPは全くと言っていいほど聴くことがなかったのですが、急にあれこれ聴きだすようになるのでした。

 

・・・次回はコーラスアレンジネタでもやろうかな。

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