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#9ハーレムな研究実験

「それでは……
精液採取効率実験を開始します」
スピーカーから声がした。

僕はこの広く眩しい牢屋スイートルーム
またエッチをするらしい。

「連続で何人抱けるか、試験します」

この声は……たぶん由実だ!

きっと心理ストレスの負荷を与えずに
精力を高める方法を模索し始めたんだ。

僕の部屋にぞろぞろと女性が入ってくる……。

どれもこれも僕の好みの女性だった。
きっとこの前、頭の中を分析されたのだろう。

「1,2,3,4,5,6,7,8!」
8人との同時セックス。

おう! そんな事は簡単だ!
僕はチンコをおっ勃てた。

犯す、犯す、犯す……。
出す。出す。出す……。

由実はその様子を目視と記録機器で観察する。
「すごい……。彼は思った以上よ」

性の喜びを知らない彼女は驚愕する。

全裸の女性は皆幸せなのか?
うっとりとしている人もいれば……
幸せそうに喘いでいる人もいた。

今日は裸女に暴力は振るわなかった。
そんな気が起きなかったのだ。

女は次々に昇天する。
僕も次々射精した。

由実が僕の無意識の心のストレスから
救ってくれるかもしれない。
そんな希望が女性たちを優しくさせるのか?

僕のセックスの仕方は変わった……。
由実との出会いが僕の人生の転換点になったのだ。

一方、観察する由実は涙を流していた……。
理由はわからない。

でも、彼は今、 “なにか” と戦っている。
そんな気がして……
心が自然と揺れ動いたのだ。

私の研究仲間は皆ストレスを
教育プログラムにどうやって入れようかと
議論をしている。

私はそれに反対だ。
私がチームのリーダー。

しかし、この社会もそれぞれ多数決的な
議論を経て方針が決まるのだ。

だからたとえ私がリーダーであっても
少なくとも過半数を説得しなければ、
突然の研究方針の転換を教授たちに説得することは
できないだろう……。

私が始めた研究。
私はみんなから注目されている。
上からの注目度も高い。

私はどう立ち回ったらいいのだろう……。

少なくとも、彼にストレスを与えない形で
研究を続けたい。

そして本当のことがいつか言えたらいいな……
そう思った。

――――――――――

結局……
彼は4時間連続で賢者になることはなかった。

「実験終了。体を休めてください」

このセックスの記録は
私たちチーム全員で分析することになる。

「一週間後また再度テストします。
精力の回復に努めてください……」

分析の所見と意見の出し方次第で
チームの心を動かすことができるかも……。

由実はそう思った。

僕は疲れて寝てしまった。
さすがに8人同時は辛い。

でも僕の心は由実の姿を見たときに
変わったんだ……。

また由実に会いたい……。

恋とは違う、なにか自分に近いものを感じる。
彼女はそんな存在だった。

理由はわからない……。

それを考えると頭が痛い。
理由は解らずとも直感が訴える。

由実はなにか知っているのだろうか……?
頭のムズムズの理由がわからずに
時だけが過ぎた。

この実験は一週間おきに何度も行われた。

私がより長く生き延びるためにサポート下さい。