ネコはなぜ「にゃあ」と鳴くのか

窓から気持ちの良い風が入ってくる。石けんのような甘い香りがした。
君はとなりでその香りを嗅いでいるように見える。

「あなたは生まれ変わるなら何になりたいの?」

「ネコ」

「ヒトではなく、動物なのね」

「そう、ネコがいいな。それに飼いネコがいい」

「なぜ飼いネコがいいの?」

「愛されてると感じれて、それなりに自由だから」

「でも、ネコになったら『にゃあ』としか鳴けないわ。ほかの言葉は話せないのよ」

「それでいいんだ。ヒトはだいたい余計なことしか話していないから」

「それはそうね。どこの国の政治家もくだらないことしか話してないわ」

君は目の前の空間をぼんやりとながめているように見えた。
ぼくもその空間を一緒にながめる。

「ネコってなぜ『にゃあ』って鳴くと思う?」

「遺伝子的に決まっているからかな」

「『にゃあ』としか鳴けないから『にゃあ』と鳴くのよ」

「ビートルズの音楽が世界中で愛されているみたいだね」

「そう、それは変わらないことよ」

「普遍的だね」

「そう、普遍的」


「もう一度聞くけど生まれ変わるならネコでいいの?」

「うん、ネコでいい。そして飼い主は君がいい」

「そう言うと思ったわ」

「君は生まれ変わるなら何になりたいの?」

「私はまたヒトでいいわ」

「君はヒトが似合ってる」

「そう、普遍的よ」

君はまだ目の前の空間をながめているように見えた。
でも、さっきとは別の空間のような気がした。

ぼくもその空間に視線を合わせる。
その行為は君のとなりで行わなければならない儀式のように感じた。

生まれ変わってもぼくは君のとなりにいるだろう。
それがヒトであれ、ネコであれ、何であれ。
それは普遍的であるような気がした。

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nomo

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