あの夏、男子中学生はめっちゃ「桃の天然水」を飲んでいた

「フレーバーウォーター」というのだろうか。無色透明でミネラルウォーターのようなのだが、ほのかに味がついている。ついでにちゃんとカロリーもある、というやつだ。今から考えると、「桃の天然水」はそのフレーバーウォーターの走りだったのではないだろうか。

「桃の天然水」。1996年に発売されたというこの飲料は、僕が中学生の頃に爆発的なヒットを記録した。華原朋美の「桃の天然水はなんだかヒューヒューです」「ヒューヒュー!」という脳が溶けるようなフレーズが印象的な、あのCMを覚えている人も多いだろう。透明で、桃の味なんだけど、スッキリとした飲み口。桃味の飲み物といえば、ネクターが有名であったが、あのトロッとした甘さとはまた違う、斬新なテイストだった。

どれだけ流行っていたかというと、中学生の当時、僕は軟式テニス部に所属していたのだが、部員がほぼ全員、部活終わりに桃の天然水を超飲んでいた。超ゴクゴク飲んでいた。休日の練習で、大抵はみんな水筒にアクエリアスやポカリスエットを入れてくるのだが、あの頃は、ほとんどが桃の天然水だった。CMもパッケージもとてもかわいらしいのだが、モッサい中学生たちが、汗かいた後に「桃天(みんなそういう略称で呼んでいた)」を。ゴキュゴキュ飲みながら喉を潤していたかと思うと、そのギャップがなんとも面白い。

栄華を誇った「桃天」も、ある時からパッタリと姿を見なくなった。調べているうちに思い出したが、90年代の終わりに「桃天」にカビが混入していたということでひと騒動となり、回収騒ぎがあったのだ。

最近、またコンビニなどで見かけるようになったのは、先述のフレーバーウォーターのブームに押される形で復活したのかもしれない。そのパッケージを目にすると、「懐かしい」の感情に先行して「中学生、めっちゃ飲んでたよな〜」という記憶が蘇る。

あの夏、僕らはみんな桃の天然水を飲んでいた。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

小野 和哉

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。