「今日も盆踊り presents 夏の予習をしよう! 門前仲町で盆踊りワークショップ!」イベントレポート@Chaabee

2018年7月1日、門前仲町のイベントスペース、Chaabeeさんで盆踊りイベントを実施しました! 手前味噌ながら大盛況だったイベントの模様をレポートします。

■プロローグ〜かくしてイベントは企画された

さて、そもそものきっかけは、町歩きのユニークな小冊子を作られたり、三匹獅子舞や盆踊りにはまったり、最近では江州音頭を唄っておられる面白い方、オバケダイガクさん主催のイベントにお誘いいただいたのが発端でした。

「【おとなのこどものひ】〜夏まで待てない盆踊り〜」と銘打ったイベントで、私は盆踊りマニアのちょっと変わった人的な立ち位置でオバケダイガクさんとゆるくトークをさせていただいたのですが、その際にイベント会場だったChaabeeの店主さんに「盆踊りイベントやりませんか?」とお誘いいただいたのです。「え?え?」と思っている間に、その日中に日程を仮押さえして、割と見切り発車的に企画がスタート。

さあ、イベントは一ヶ月後だどうしようという時に、しかし差し迫っているとはいえ満足のできるイベントがやりたい、兼ねてからの野望をここで実現したいと思い、割と公私混同気味感のある企画に仕立てることにしました。その野望というのもとてもシンプルで、「俺の好きな盆踊りをみんなに知ってもらいたい!そして踊りたい」といったもの。そこで候補として頭に浮かんだのが錦糸町河内音頭と新野の盆踊りです。

写真:小野和哉

「河内音頭」はご存知関西地方のメジャーな盆踊りなわけですが、東京は錦糸町で1980年代に好きモノたちによって持ち込まれ、今では「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」として37回を数える立派な「東京の」盆踊りとして根付くまでの文化に成長しています。特に近年はその軽快な歌と踊りをはじめ、エレキギターを使用するという盆踊りのイメージを超越する様式、「ボブマーリー物語」「美空ひばり物語」など自由なテーマの楽曲などが再注目され、新しい東京の夏レジャーのスタンダードになりつつあります。僕も盆踊りにハマった当初に錦糸町の河内音頭に夢中になり、勢い余って河内音頭の本場である大阪の八尾にも遠征、以来年に一度は大阪に遠征して河内音頭や江州音頭、泉州音頭の輪に混じるほどどハマりしたのでした。

写真:小野和哉

「新野の盆踊り」に参加したのは確か2015年の夏のこと。徹夜で踊る盆踊りといえば岐阜県の郡上おどりが有名ですが、どうやら長野にも徹夜踊りがあるらしいということでたどり着いたのがこの盆踊り。しかし、調べてみるとえらく行きづらい。最寄りとなる温田駅から車で30分。さらに、その温田駅を通る飯田線というのが鉄道ファンの間で「秘境路線」と呼ばれているようでお察しくださいなのですが、タクシーなどを使ってなんとかたどり着き、参加してみると、もうこれが最高で。初年は土砂降りの荒天だったのですが、扇子を使った優雅な踊りと、櫓の上で音頭取りたちが交代交代で夜通し歌い踊り続けるスタイル(三味線や太鼓などの鳴り物無しです)。そして、最終日の朝だけ行われる「踊り神送り」の儀式に感動して「ああ、これが盆踊りだ。これが夏の終わりなんだ.......」と感動。翌年も参加してがっつり朝まで踊るほどハマりました。

この2つの踊りの運営団体の方々と奇跡的に繋がりがあったので恐る恐る「イベントやりたいのですが......」と打診させていただいたところ快諾! まじか!と自分で驚きながら、イベント開催の運びとなったわけであります。

■第一部:錦糸町河内音頭

さて、イベント当日。告知をしていたFacebookページではありがたいことに大反響!だったのですが、開始30分前になっても会場にほぼ誰もこない!焦っていたら、5分前くらいに、ドドドドと押し寄せるお客様たち。一気に満員に! 「人来ない」焦りから「人いすぎてやばい」の焦りにシフト! あかん!

ドキドキしながらスタートした、イベントの第一部は「河内音頭」! まずは錦糸町の河内音頭の企画協力をしている「イヤコラセ東京」のいちばけいさんの河内音頭トーク。なんと飛び入りで、錦糸町河内音頭の司会者を毎年つとめている山口屋佐七さんも登壇されました。まずは予備知識として「河内音頭って何よ?」という基本的なところからトーク。様々なテーマで歌われる「外題」についての話題や、なんで「河内」って呼ばれているの?という地形の話、まだ大阪の河内音頭が錦糸町に根付いたその経緯についてもお話を伺いました。

↑「イヤコラセ東京」にいちばさん。めちゃくちゃアクティブで野心的です。いつもその情熱的な話ぶりに圧倒されます。

個人的に錦糸町河内音頭のすごいところ、興味深いところだと思っているのが、大阪の大衆文化が東京の錦糸町という地に根付いて、独自の発展を遂げているというその部分なんですよね。中には大阪の盆踊りだって知らずに、踊っている人もいるのではないかしら。ここに至るまでは、最初に河内音頭を東京に紹介した人々や、地元の方々、主催者の方々の尽力があったのは当然、そしてTOKYOの民たちが河内音頭に熱狂して、踊ってきたという歴史があるんですよね。

↑フットワークの軽さが毎回やばすぎる山口屋佐七さん。司会っぷりもすごいですが、浴衣の着こなしなどもクソかっこいいのです。

ところで、地元大阪の盆踊り大会に行くと、浴衣で踊っている人々はむしろ少数で、みんなTシャツにスニーカーという非常にラフなスタイルで踊っているわけですが、知ってか知らずか、東京の河内音頭も大体の人が私服なんです。大体、東京の盆踊り会場は揃い浴衣でビシッと決める手練れの踊り子がいるわけですけどね。錦糸町はそういう感じではない! みんな自由! みんな平等! 浴衣とか私服とか、スタイルはなんでもいい! 場合によっては会社帰りにスーツ姿で踊っている人もいたりしてマジで最高すぎるわけですが、その生活の延長にある「宴」という感じが、僕は大好きなのであります。

トークイベントのあとは、早速踊り講習会! 僭越ながら私が踊りの講師をつとめさせていただいたわけですが、あのー全然僕が教えるまでもなく、参加者のみなさん踊れるわけですよ! どういうこと!? 直前までYouTubeで動画見て練習してたのに! みなさん飲み込みが早いのか、というよりどうやら錦糸町河内音頭体験者の割合がかなり多かった模様。うーん、さすが河内音頭。ファンの層が厚いなあ......。というわけで、私の下手くそなレクチャーでも、みなさんと最後まで楽しんで踊ることができました! もっと、マニアックな河内音頭イベントをやってもいいかもなー。

■第二部:新野の盆踊り

さて、休憩を挟んで新野の盆踊り。今回は、新野の盆踊りを主催している「新野高原盆踊保存会」から、小川博司さん、松岡麻美さんのお二人に参加いただきました。小川さんも、松岡さんも、実際に新野の櫓に上に立って唄っているリアル音頭取りさんです。今回のイベントの主催である私と、かとうちあきさん、二人で新野に通っているうちに、ひょんなきっかけから交流が始まり、東京で飲み会をやらせていただいたり、SNSで色々とやりとりをさせていただいたり、そんな繋がりがありながら「いつか東京で新野のイベントやりたいですねー」とお話しさせていただいたりもしたので、本当に今回のイベントは感無量なのであります!

↑「新野高原盆踊保存会」の松岡麻美さん(左)、小川博司さん(右)。もうイベント中、ずっと芯から楽しそうなお二人のヴァイブスに影響されて、素晴らしいイベントが成立しました。

まずはトークからスタート。大学で社会学を教えられているという小川さん。学問的な観点から新野を追いかけていて、実際に音頭取りをしているという剛の者であるわけですが、スライドを使った「新野の盆踊り」プレゼンテーションは、「踊りの快楽」「音頭取りによる即興はDJプレイ」などのフックがガンガン飛び出す激アツな展開に。穏やかな表情ながら、奥底にはメラメラと燃え上がる盆踊りへの情熱と愛情が感じられて、聞いているこちらも熱い気持ちがこみ上げっぱなしでした。

楽しいトークの後は、いよいよ踊り講習。音頭取りのお二人は振り付けをレクチャーしながら、同時に自分たちで唄も歌うという荒技を披露。テープ使いません。実は「練習の時、音源流しますか?」と事前に聞いていたんですが、そもそも盆踊り当日は夜9時くらいから朝方まで櫓の上で歌い踊ってるタフな方々なので、テープなんてもってのほか! 失礼いたしました。 

ところで、河内音頭と違い三味線や太鼓などの楽器がないため、歌声と下駄の音をたよりに音頭取りと踊り子で調子を揃えていきます。ここで大事なのが「返し」。音頭取りが唄でリードをとりつつも、それに対して踊り子たちも唄を返していきます。わかりやすく言えば「コール&レスポンス」。それぞれが力を出し合うことで、踊りに安定感が出てきて、さらに熱気が増していきます。どちらかが、だれてしまってもだめ。音頭取りと踊り子で声を出し合って「場」を作っていく。この感覚が本当に大好き。新野の盆踊りを久々に踊って(実は、去年は参加できなかった)、思い出しました。そうだ、盆踊りってこういうところが楽しいのだった。

音頭取りのお二人も乗ってきたのか、当初は2曲の練習だった予定が、4曲もレクチャーしていただきました。いやー、最高に盛り上がった! そして楽しかった!

■最高の最高の最高、すなわち最高

これだけ本格的な盆踊りイベントを主催するのが初めてだったので、至らぬところがありまくりだったと思います。しかし、ゲストのみなさん、きていただいたお客様のみなさん、それぞれの大変ありがたいご協力があって、楽しい時間となりました。

僕がこのイベントを通じて実現したかったこと。やはりシンプルに自分が大好きな盆踊りを多くの人に紹介したかったというのがあります。なんなら、これを機に実際の踊り会場に足を運んでいただきたい。そんな機会になるのであれば本当に嬉しいです。そして、今回のイベントを通じて、あらためて盆踊りの持つ力や魅力に気づけたことは、僕にとっては大きな収穫でした。この学びは本当に大きいと思います。

あらためまして、ゲストのみなさん、イベントに協力いただいたみなさん、イベントのきっかけを作っていただいたChaabeeさん、一緒に踊っていただいた来場者のみなさん、本当にありがとうございました! これから本格的にスタートする盆踊りシーズンをぜひ楽しんでください。

※  ※  ※

最後に、今回のイベントで登壇者のみなさんが紹介されていた盆踊りの動画を紹介しますね。このレポートをみて「なんじゃら?」と疑問に感じた方は、この動画を見れば、一発でその魅力を理解することができるはずです!

この記事で使用させていただいている写真は、表記があるもの以外はすべてフォトグラファー金田誠さんから使用許諾をいただいたものです。新野のお祭りや人々の暮らしの写真を撮られている方で、ゆくゆくは展示会や写真集の出版などを検討されているとか。実に楽しみです。

↑主催の二人。

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小野 和哉

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