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web3はギフトをどう変えたか?を夕張メロンを題材に考えてみる

こんにちは。
MeTown代表の田中一弘です。

夕張メロンNFTを発売してはや1ヶ月。

200人以上の方が、賛同してNFTを購入してくれて、夕張メロンのデジタルアンバサダーになっていただくことができて、嬉しい。
夕張メロン農家さんと、NFT保有者が、オンラインコミュニティで対話しているのを見ると、あぁ本当にやってよかったな、と思う。

そして、今週は「ふるさと名品オブザイヤー」の地方創生賞に夕張メロンNFTが選ばれたという吉報も届いた。

「デジタル関係人口」という、フワッとした言葉で表現するにはもったいないくらい、面白い現象が起きていると思う。

web3の世界で、夕張メロンNFTという、複雑でとっつきにくいものを、実際に買ってくださる方が大勢いらっしゃり、その中で人と人が繋がり、コミュニティに熱が生まれ始めている感覚があることは、とても有り難いことだな、と思う。

デジタルはギフトをどう変えたか?


今日は、一つの問いを立てたい。

デジタルはギフトをどう変えたか?

という問いである。

@Impuct Hub

デジタルが、ギフトをカジュアルにしてくれた

例えば、デジタルは、僕たちに、時間がなくて会えなくても、遠く離れて会えなくても、気軽にギフトを贈れるようにしてくれた。カジュアルギフト、ソーシャルギフトと呼ばれるこの新しい仕組みは本当に素晴らしい(自分もよく使っていて感謝している)。


同時に、デジタルは、僕たちの関係性を希薄にした

一方で、デジタルによってオンラインで完結することが圧倒的に増えた。
例えば、僕たちが会う口実として使っていた「ギフトを渡す」という行為は、デジタルによって「会わなくても成り立つ」ようになった

実際、デジタル化によって得られる恩恵は最高だ。
僕たちは、デジタル化によってモノは不必要になり、ノートPC1つとWi-Fiと小さくて安全な部屋があれば暮らしていけるようになったのだから。


「残るモノ」より「消えモノ」

そんな時代に生きる僕たちは、「モノ」を贈られても、正直に言って、困ることが多くなった。

とにかく家賃が高く、狭い部屋で暮らす僕たちにとっては、大きなモノは贈らないで欲しい、というのが本音である。

そんな背景から、昨今のギフトの流行りは「残るモノ」より、相手の負担になりにくい「消え物」だそうだ。「消え物」は嬉しいし、実際、とっても有り難い。


消えものギフトの悩み

そんなことを考えていたら、今日とあるクラフトビールを造っている青年と話す機会があった。

彼は、クラフトビールを造る思いとして「言葉では伝えられない感謝の気持ちを『ビール』を介して伝えられるような仕組みにしたい」という想いで造っているのだそう。

本商品のロゴは、ゆりが束のようにまとまりながら咲き、まるでガジュマルが幹から枝を広げているかのように描いています。
ゆりは誰かに伝えたい募る思いを表し、そのゆりでガジュマルを描くことにより、それぞれの思いで結ばれる人と人との繋がりを表しています。

「MUNI」ロゴにかける想いより

彼が言っていて印象的だったのは、丹精込めて造っていて、それが「ギフト」として購入されていることを嬉しく思う一方で、消え物として、消費されて捨てられてしまう儚さもある、ということ。

これを聞いて、良い意味で消え物ギフトの宿命ではあるものの、もどかしい思いもある、と再認識した。


ブロックチェーンに刻まれるギフトとは何か

話しを「夕張メロンNFT」に戻したい。

夕張メロンNFTは、「夕張メロン引換券」と「コミュニティ参加権」が含まれるNFTだ。NFTなので、当たり前だが、取引の履歴がブロックチェーンに刻まれる。

それは「誰」が「誰」に贈ったが、世界中に開示されて、改ざんもできず一生残る、ということである。

平たく言えば、「バレンタインデーに誰からチョコレートを貰ったか」が全世界の全員にバレるし、大人になっても消せないということである。


夕張メロンを贈っても消えてなくなるが、夕張メロンNFTを贈ると一生残る

そんな夕張メロンNFTで、興味深い現象が起きている。

夕張メロンNFTを、お中元みたいなノリで、友達に贈る(NFTをTransferする)という文化が芽吹き始めたのだ。

このツイートを機に「夕張メロンNFTを購入して、オンライン上でお世話になっている匿名の友達に贈る」という現象が発生し始めている。

そんな夕張メロンNFTの仕掛け人は「JA夕張市」だ。

JA夕張市と言えば、1979年に「産地直送」を日本で初めて実現したことで有名な農協である。

これは、夕張メロンが「フレッシュでみずみずしいが、日持ちしない」という特徴を何とかして打開するために、当時の農協職員が誰もやったことがない産地直送にチャレンジしたのだという(詳細は以下の記事を参照されたい)。

JA夕張市が、産地直送に日本で初めて取り組んでから43年。

2023年、JA夕張市は、全国のJAで初めてのNFT活用という挑戦を始めた。

そんなJA夕張市の職員が、2023年に夕張メロンNFTについて、以下の様なつぶやきをしている。

これが、文化として社会に根付くかどうかは数年後になって初めて答え合わせができるのだが、紛れもなく言えるのが、NFTでお中元を贈る文化は、夕張メロンから、民主的な形で、一人のユーザーから始まったのである。

夕張メロンは、食べ始めると、美味しすぎてあっという間になくなる。

しかし、夕張メロンを贈った事実は、ブロックチェーンに刻まれて、消えない。

ブロックチェーンにギフトを刻む意味は、大きいのかもしれない。

Not A Consumable Gifts


最後に、問いに対して、仮説で答えて終わりたい。

Q.デジタルはギフトをどう変えたか?

A.デジタルによって、ギフトは「カジュアルで便利なもの」になった。

そして、web3によって、ギフトは「末永い関係性を繋ぐもの」に変わる。


それでは、また!

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夕張メロンNFTはこちらからmintできます。
ぜひ、ご友人にTransferして、お中元NFTの面白みを確かめてみてください。


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