【3作徹底比較】鵺の陰陽師、カグラバチ、魔々勇々の魅力を項目ごとに五段階評価

当アカウントは魔々勇々を応援しています。
しかし好きな漫画は魔々勇々だけではありませんし、ジャンプという雑誌そのものが大好きです。
そんなジャンプですが、ワンピース・ヒロアカ・呪術廻戦がクライマックスを迎えている今(ワンピースはクライマックスが長そうだけど)、次代を担うのは標題の3作品【鵺の陰陽師、カグラバチ、魔々勇々】だと思っています。
掲載順に差はありますが、自分が好きなのがこの3作品なのです。同じ記事内で語ることは許してください。
この3作品の魅力はどんなところにあるのか、項目ごとに★☆☆☆☆~★★★★★の五段階評価で採点してみました。
それぞれに熱量の高いファンがいる作品ですが、私も全作品熱意を持って読んでいます。できる限り適正な評価を心がけるのでどうか石を投げないでください。
どんなに面白い漫画にだって苦手分野というものはあります。
一つの項目の点数が低いからといってその漫画がつまらないということにはなりません。
勇気を出して率直な意見を述べていきたいと思います。

◆第1話の完成度

普段の倍以上のページを割くことのできる、ジャンプ連載にとって特に大事なプロローグ部分。
アンケート獲得のためのスタートダッシュとして練りに練られているこの第一話をまず比較してみる。
ちなみにどれも第3話までジャンプ+で読めるから読んだことのない人は是非。

・鵺の陰陽師 ★★★★★

この漫画の魅力は決して膳野だけではない。
それでも、今の人気は膳野なしにはあり得なかった…かもしれない。
第1話からブリーフ一丁の姿で自己犠牲の精神を全力で発揮する眼鏡が作者により「機会があればまた登場させられたらと思います」って扱いありえる?(「」内はコミックス1巻より)
鵺さん、学郎のキャラも立たせながら、主人公以外のキャラへの興味で読者を惹き付ける独特の魅力。
★5にせざるを得ない。

・カグラバチ ★★★★★

世界規模にバチブロスを広げた鮮烈な1話。
あまりにもかっこ良すぎるカラーページと最後の殺陣シーン。
人の命が次々奪われるドライな世界の中、殺意で塗り潰されたチヒロの漆黒が美しい。
世界観に噛み合った軽妙な会話も作者の味を感じさせる。
遂に現れた、一枚絵の迫力で魅せてくれるバトル漫画新連載。
★5以外あり得ない。

・魔々勇々 ★★★★★

他の記事で語りまくっているが、伝説のプロローグだと思う。
平和と滅亡直前という対照的な二つの世界と、それぞれに所属する対照的な魔王と勇者の関係。
勇者二人の葛藤や昇華を描く壮大な展開の中、繊細な心理描写まで描いた上での最終ページのタイトルコールを読んだ時、ジャンプの未来は安泰だと思った。
エヴァン、マママのたった1話によるキャラ立ちは異常。
これを★5にせず何を★5にするというのか。

◆キャラ

個人的には、漫画で一番大事なのはキャラだと思っている。ストーリーが面白いけどキャラは魅力に乏しいって漫画のヒット作は思い付かない。
作品ごとの個性が現れるこの項目で比較。

・鵺の陰陽師 ★★★★★

そもそも自分は鵺さんが好きなのだ。
ほんのり哀愁を漂わせながらも学郎を本当に大切に思い、努力を認め、成長を喜ぶ美人師匠キャラをここまで見事に描ける時点で強すぎる。
そこに周防先輩、代葉と次々ぶちこむことができるこの漫画の武器がキャラにあることは間違いない。
展開の説明のための会話でいつの間にかキャラも掘り下げられる展開にネームのうまさも光る。
会話回が面白いのはキャラ魅力の賜物。
忘れろビームをあえて取り上げるまでもなく、圧倒的持ち味による★5。

・カグラバチ ★★★★★

双城が出た時点で何をか言わんやという感じだが、更に緋雪さん出てきたし…。
魔々勇々と好対照だと思っていて、カグラバチのキャラには自分の信念を前面に押し出すかっこ良さがある。
それぞれ弱さだって抱えているとしても、そこを見せずに信念を貫くから、敵も味方もかっこいい。
そして言葉が少ないチヒロを引き立たせるに十分な饒舌キャラ達。解釈団子食うまでの会話、双城対チヒロの発言割合9:1くらいなのはさすがに笑っちゃった。
「かっこいいとは何か判っている」漫画のキャラ、当然の★5。

・魔々勇々 ★★★★★

1コマで全てを持っていく破壊力。
エリシアの「生きがいになってくれませんか?」(あと巨乳)
サディコの「まるで変態じゃないか」(あと脇ホクロ)
その上で迫真の表情と余白のある回想で深めるキャラクターには他の追随を許さない魅力がある。
弱さを見せた上でそれを乗り越えるかっこ良さ。
「泣き虫で強がりなところが好き。」
言われるコルレオ、言うエリシア両方の魅力が引き立つこの漫画のキャラ魅力を象徴する名台詞。
強みをキャラの魅力を引き出すために全力投下、5段階では足りないほどに★5。

◆絵

漫画である以上、絵という要素は当然について回る。バトル、台詞、キャラ全てのベースとなる絵の魅力について比較。

・鵺の陰陽師 ★★★★★

美麗イラスト集を見ているかのような画力。
言葉で割りきれない感情を表現する表情や美少女達の描写にももちろん存分に生かされているが、最もその画力が生かされるのは読者の厨ニ心をくすぐるとき。
ゼノブレードとスタースレイブの登場シーンは「俺が少年漫画で観たいのはこれだ!」と思わせてくれた。
感謝の★5。

・カグラバチ ★★★★★

漫画の絵としてのかっこ良さはもちろん、映画を見ているかのような情景描写も相まって、双城とのバトルはあまりのかっこ良さに変な笑いが出た。こんなん覇権漫画やんけ。
1コマごとにかっこ良さだけでなく、動きの意図まで凝縮されていて、斬り合いから決着の決めゴマに至るまで、どのコマも噛み締めるほどに味がする。
★5を越えた先の★5。

・魔々勇々 ★★★★★

心理描写の一要因としての表情や、独特なコマ割(序盤の「見にくい」という一部の指摘を受けて改善もしている。)は、「漫画を読んでいる」という楽しさを感じさせてくれる。
絶望の慟哭の表情、台詞を隠す擬音、熱でブレるコマ、台詞の代わりに置かれるモチーフ。
絵を使っての表現の幅が広すぎる。
エンドの異形っぷりからは、今後の人型ベース以外のキャラの登場にも期待が高まる。
この絵じゃなかったらこの漫画にここまで惚れ込まなかった。
原点の★5。

◆エピソード

「ストーリー」としてしまうと完結まで評価できないので、エピソードでくくる。後に●●編(ワンピースだと「アラバスタ編」とか)と名付けられるような、一つのエピソードのまとまり・クオリティの観点から比較。

・鵺の陰陽師 ★★★★★

代葉編の、
歩み寄り→現実に引き戻す当主の悪意→それを乗り越える学郎のメンタリティ→「影を吸収」というめっちゃ映える能力発動からの勝利→本当の仲間へ
この流れは心情、バトル、オリジナリティのどの観点からも完璧なクオリティだったと思う。
各キャラがどうしてその行動をするのかの描写が戦闘でも戦闘以外でもすごく丁寧で、粗が気になってしまう漫画玄人に好まれるのも良くわかる。
後方膳野面によるドヤ顔の★5。

・カグラバチ ★★★★★

最初の中ボスに双城を持ってきた勝負強さは看板漫画の器を感じさせる。
双城のヘイトとカリスマ性を並行して極限まで高めた上で無闇に延命させず惨めに散らせるという畳み方、ドラゴンボールでいえばフリーザを3巻で倒したようなもの。
あれだけの画力を魅せながら絵以外でもバトルの面白さを示してくれた双城戦決着は、「アンケを集中させる(魔々勇々以外の2票は上位に投票する)」みたいな考えを振り払って応援することを決めるに十分だった。
敬意を飲み込んだ後のほのかな甘さを添えた★5。

・魔々勇々 ★★★★★

今のところ5話規模のエピソードで刻んでいるが、この短さにもかかわらず全てのエピソードが濃密。
ミネルヴァ、エリシア、ラルフレッドの短くまとまった過去回想は、出身世界の異なる各勇者・魔王がそこに立つ理由を語るに十分。
モニカに至っては回想なしでもコルレオに惚れ込むことに説得力がある。
そしてそれぞれが未来に向けて歩き出せたきっかけの中心は全てコルレオなのが素晴らしい。
エピソードを乗り越えるごとに強くなる主人公と、魅力を引き出される周囲のキャラ。
勇む心による決意の★5。

◆まとめ

採点は以上になります。
思った以上に難しい採点となりました。
しかし結果はまさかの同点!
一進一退の攻防の中、落ち着くところに落ち着いたというところでしょうか。
魅力的な漫画の採点など野暮だったのかもしれません。
ちなみに項目として他に想定される【バトル】と【主人公】については、【バトル】はキャラと絵とエピソードの組み合わせ、【主人公】もキャラとエピソードの組み合わせの側面が強いかなと思って項目としては取り上げませんでした。
これだけの魅力を兼ね備えた3作品、今後も楽しませてくれるに違いありません。
ジャンプが読める国・時代に生まれて良かった。

…タイトルで釣って茶番を読ませてしまいすみませんでした!だって全部面白いから!石投げないで~

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