見出し画像

「完コピ」勉強法について

外国語学習をしていると、初級から中級に移る時の壁の一つとして、このような悩みのある方がいらっしゃいます。

<リスニング>
・相手の話が、リエゾン、リンキングや落ちる音など細かいところが聞き取れず、全体の意味が分からなくなる。
・複数の文がつながる説明を受けると、途中で筋を見失う。
・順接で話されると分かるが、逆接や矛盾した分が並ぶと、意味が分からなくなる。

<スピーキング>
・話すときに単語で区切ってしまい、リズムが悪いと感じる。
・論理的な説明とかはまだできない。
・短い単文フレーズなら言えるけど、接続辞などを使って複数の文をうまくつなげられないので、話を広げるのが苦手。

この壁はまぁまぁ高いもので、ここで勉強を辞めてしまう学習者がほとんどになります。その理由は、これができなくても、生活や仕事上の「会話」はできてしまうし、それほど危機的状況にはならない人がほとんどだからです。

しかし、学校の先生やビジネスでの交渉などで、相手を説得する、プレゼンテーションをする、多くの人の前で話すような立場になると、乗り越えなくてはならない壁になります。

その壁を乗り越えられる(かもしれない)勉強方法の一つが、「会話文、長文やスピーチの完コピ」です。これは、語学学校などに行く必要もありません、純粋な自主練です。

歌や楽器を演奏することが好きな人は、歌詞や曲を丸ごと覚えて演奏したり、カラオケで歌ったりして楽しみますが、それを語学学習でやってみるという感じです。

スピーチなどの教材はYoutubeやTEDカンファレンスなどでっ無料で手に入れられますし、原稿(スクリプト)もそろっています。
会話の中の長い台詞や演説などであれば、スクリプトや字幕のある好きな映画のシーンなどでもいいでしょう。

完コピ練習に必要なものは、

・使われている語彙・表現が8割以上理解できて、なおかつ内容に共感できるような、マネしたいと思える教材
・「さーやるぞ!」という気合
・集中できる場所と時間です。

完コピ練習の手順は、色々とありますが、ざっとこんなかんじでしょうか。

1. 音声や動画を見て、全体と翻訳を見て流れをつかむ。
2. 原稿や翻訳を読んで、使われている語彙や表現、意味を把握できているかチェックする。
3. 音源を聞き、聞き取れないところをチェックし、その部分だけリピート練習する。
4. 音源のマネしながら、原稿を音読する
5. 原稿から目をちょこちょこ離しながら、意味をイメージして、そらで言えるかチェックする。
6. 原稿を見ずに、音源を区切りながらリピート練習する。
7. 意味とストーリー展開をイメージして、原稿をなるべく見ずに口頭作文できるか、チェックする。

この順序は飛ばしたり前後しても大丈夫です。
最後までできるようになれば、とても達成感はあります。ただし、できなくても大丈夫という気持ちでやる方が、挫折感を味わわないで済むかと思います。

孤独な自主練になるので、カラオケや楽器の演奏と同じように、声質やトーンもマネして、その人になり切ってやれると、楽しめるかもしれませんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?