どうせマーケターは物流なんて知らないでしょ

EC事業の支援をしていると、EC事業のサプライチェーンの歪みをとても感じます。特に物流についてはかなり死活問題になっている現状です。

EC事業は「マーケティング力がどんだけあるか」という点が注目されがちですが、物流のオペレーションを軽視して、新規獲得し続けているとオペレーションが崩壊してクレームの嵐になって社内業務がパンクし、悪循環が生まれることがほんとに多いです。

なぜ軽視されてしまうかというと、物流の場合はコストセンターなので、アウトソーシングされることがほとんどです。そのため受注から出荷までの一連の業務がEC事業者からは見えなくなり、アウトソーシング先のキャパシティーについて、考慮が不足することがよくあります。

「物流は外注に丸投げしているから大丈夫」みたいに思っているEC事業者の方は、ぜひ物流の勉強に時間を割いて欲しいです。

ということで、EC物流のオペレーションについてまとめてみました。

これら4つはEC物流を3PL(倉庫)にアウトソーシングした時に登場する役割です。そして以下の図のような流れで購入者に者が届けられます。

この全体観についてはなんとなく解ると思うのですが、ブラックボックス化してしまいがちなのが

①:3PLの出荷作業の工程
②:お届け先が不在の時の対応
③:輸送時に破損が発生した場合の代替品の出荷の流れ

この3点です。
これらの仕組みがわかっていないことで無駄なコミュニケーションコストがかかっていることが多く、事業者としても状況がなかなかイメージできないので対応に困るケースが出てきます。

出荷作業の工程は
・帳票出力
・ピッキング
・検品
・梱包
・集荷
の5段階にわかれます。
【帳票出力】
カートシステムから出力される出荷情報を元に、荷物の
・ピッキングリスト
・配送用伝票
・購入明細書
を印刷します。

この際に、購入者の郵便番号や、住所に不備があった場合、配送用伝票を出力する際にエラーが発生するので、修正が必要になります。顧客情報になるので、3PL業者からEC事業者に連絡を行い都度修正する作業を行います。
(地味に工数かかります。)

【ピッキング】
保管されている在庫から商品をピックしてきます。この際、在庫がシステムの在庫と異なり実際の在庫が無いというケースが稀にあります。原因としてはアナログで在庫数を調整した値のミスや入庫時のミスの可能性が考えられます。この場合3PLからEC事業者へ対応をどうするか確認の連絡が発生します。(入庫した商品数が誤っていることが非常に多いです。)
【検品】
多くの3PLではバーコードリーダーを用いて検品を行います。
チェックする項目は以下の2つです。

1:配送伝票と購入明細書は同一注文のものになっているか
2:ピッキングしてきた商品は注文内容とあっているか

2の検品については、商品にJANコードがついていなければ、目で確認することになります。3PLで勤務している方は地元のパートさんが中心なので、正直目視確認で防げるミスは限界があります。JANコードがない場合は誤出荷の可能性がかなり上がると考えてください。

【梱包】
検品が完了した購入明細書と商品を梱包していきます。この際、エアークッションなどの緩衝材を利用することがあります。資材のサイズ、緩衝材が考慮されていない商品は、配送中の破損発生率が非常に高いので注意してください。そしてこの破損の状況の確認や代替品出荷による工数など、意外と業務工数全体を圧迫するので軽視していると痛い目に合うと思います。また配送会社からも目をつけられ、配送費が上がってしまうこともまれにあります。
(ex. 商品の瓶が割れ、液漏れし、他の商品にも液体がかかり、液体がかかった商品を全て破損対象にしてしまうケースもあります。こういった事象が起こると配送会社からマークされ配送費が値上げされたりします。)

【集荷】
配送会社ごとに集荷の時間帯が決まっています。この集荷のタイミングを逃してしまうとリードタイムが一日遅れてしまいます。3PLはこの集荷時間から逆算して出荷のスケジュールを考え段取りを組みます。EC事業者はアウトソーシング先の集荷のスケジュールを事前に知っておくことが重要です。当日の急なキャンセル対応についても可能か否か状況をイメージできると思います。

お届け先が不在の場合、EC事業者は3PLまたは配送会社とやり取りして、対象注文の対応を決めなければなりません。

ではどのようなやり取りが発生するでしょうか?
以下にお届け先が不在だった時のフローをまとめました。

配送会社の基地や支店によって異なる事があるとはありますが、配送会社とのコミュニケーション方法はFAXか電話です。
依頼内容を記載したFAXを送り、その後FAXが送られているか否か確認の電話を行いログを残すというのがコミュニケーションの文化になっています。

配送会社とのやり取りの窓口は3PLが行っていることが多いです。
本来であれば配送会社とEC事業者が直接やり取りをしたいところではあるのですが、そうなるとEC事業者の数が多すぎて顧客管理できなくなるので3PLにコミュニケーションのフロントを統一しているケースが多いです。

3PLから調査依頼のFAXの内容が内容が来た場合はなるべく早く顧客に連絡する必要があります。というのもやり取りが「配送会社→3PL→EC事業者」という流れになっているため、かなり時間を用してしまいます。EC事業者の元に確認の依頼が来るころにはすでにかなり時間が経過していると認識してください。

まだ商品を届けられていない荷物になるので、場合によっては顧客の温度感が高くなっていて、リピートをやめてしまうケースなども発生するので、配達までのリードタイムがどのくらい遅れてしまっているのかを確認し、なるべく早めの対応をすることが重要です。

輸送時にどうしても資材の箱が潰れてしまったり、中の商品に破損が発生してしまうケースがあります。この場合、新たな商品を発送しなければなりません。この場合のやり取りは②と同様にFAXで3PLを通して代替品発送のやり取りが行われます。この場合も予定よりもかなりリードタイムが遅れてしまうため、まずお届け先へEC事業者から一報連絡を入れなければなりません。そしてなるべく早いタイミングで代替品の発送を行う必要があります。
また、破損の場合は配送方法によって補填申請をすることが可能です。この補填請求については3PLが配送会社に補填の申請を行い配送費と総裁する形で補填します。

EC物流についてもろもろとまとめておきましたが、マーケターに知ってもらいたいのは、ただ新規獲得すればいいというスタンスはECにおいてかなり危険だということ。(流石にそんなスタンスの人はいないとはおもいますが、、)

①で説明したとおり、3PLの出荷作業は常に集荷時間が決まっているため、一気に新規の受注数を増やした場合、現場のリソースが枯渇し、誤出荷が発生したり、配送リードタイムが伸びてしまうということはよく起こります。また、アフィリエイトなど転売目的などに利用されやすい媒体を用いて新規獲得すると、住所不備などが多く発生し②のように不在注文が増え、都度3PLとコミュニケーションを取らなければならないため対応コストが膨らみます。

マーケの施策はその後の物流に大きく影響を与えるケースが非常に多いので、施策の状況や獲得件数見込みなどは3PLと連携を取れる体制をつくることが重要です。



余談ですが、以下私のTwitterです。
D2C、特にフルフィルメント系はちょいちょいつぶやくと思います。


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