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【シーズン4-1:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「自分」とうまくつきあう①~自己嫌悪とどう向き合うか

(1)「自分」「周囲」「社会」とうまくつきあう


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン1、シーズン2、シーズン3では、書籍にもなっている「CEOコーチング」「フィードフォワード」「ゴールドビジョン」について解説しました。今回からスタートするシーズン4は、まだ書籍化していない話をしていきたいと思います。
 
シーズン4のテーマは「つきあい上手になる考え方」です。
誰かとデートする話だと思ったあなたは心が若い証拠です。とてもいいことだと思いますが、「つきあう」対象はいくつもあります。たとえば、職場、家族、両親、ご近所さん、ママ友、パパ友、そして社会、世の中等々。このシーズン4では、以下の「つきあう」を考えていきます。
 
1回目〜4回目:「自分」とうまくつきあう
5回目〜9回目:「周囲」とうまくつきあう
10回目〜12回目:「社会」とうまくつきあう
 
日常的な「つきあう」の話にはなりますが、CEO、リーダーの人たちにも関係する、スタッフをリードしたり、まとめるために必要なことについても織り交ぜていく予定です。

(2)感じていることをそのまま受け止める


みなさんは、自分とのつきあい方に自信がありますか? きっと頭を抱えている人もいるでしょうし、うまくつきあえている人もいるでしょう。
 
以前、次のようなメッセージをいただいたことがあります。
 
「自分のことが嫌いなわけではないのですが、大好きというわけでもありません。自分のことを好きになったほうが、自信をもてたり、いろいろなことを楽しめたり、成果も変わってくることはわかっています。でも、自己嫌悪に陥ってしまうことがあり、自分のことを好きになるのは簡単ではありません」
 
そんなふうに思っている人がまずするべきことは「そのように感じていることをそのまま受け止める」ことです。これは、すべての「つきあう」に共通する前提であり、自分と上手につきあう第一歩になります。
 
たとえば、こんな人がいます。
 
「自己嫌悪に陥って、落ち込んでいます。こんな自分が大っ嫌いです」
 
ここで注目すべきは、「自分はいま、自己嫌悪に陥っていて、落ち込んでいるんだな」と考えるだけでいいのに、「こんな自分が大っ嫌い」というように、自分で付け加えてしまっている点です。その逆もまたしかりで、「こんな自分が大好きです」と考える必要もありません。一歩下がって、自分を俯瞰してみるだけで十分なのです。
 
もう少し詳細に解説してみましょう。
これはあくまでイメージですが、最初に「感情の種」のようなものがあって、そこからもう少し厚みのある感情が引き出さることになります。厚みのある感情というのは、「評価」あるいは「価値判断」と言ってもいいでしょう。
 
「自己嫌悪に陥って、落ち込む」ことと「こんな自分は大っ嫌い」と思うことが、あまりにも短時間で起きるため、「評価」が入っていることに気づかずに、感情の渦にのまれ、流されてしまうことが多いのです。
 
評価を入れないようにするには、「自分の核となる価値観が存在していて」、「出来事が生じて」、「感情の種が生まれて」、「評価が入る」という流れを、一つひとつ認識して直視する必要があります。それができれば、感情に翻弄されることもなくなっていくでしょう。

(3)パンクチュアルな人の「評価」を考える


時間通りに現れる、時間を守ることを、英語では “punctual”(パンクチュアル)と言います。時間厳守の人、大雑把な人、ルーズな人というように段階があって、中にはおおらか過ぎる人もいます。
 
私の経験談をご紹介すると、オランダの会社にいた頃、時間通りにくる人は珍しく、5分、10分遅れてくるのが普通でした。全員がそうだから、逆にぴったり揃ってしまうような状態であり、時間通りに来た自分がバカらしく思えるほどでした。
 
一方で、時間厳守の人は、少しでも遅れてしまうと、「うわあ、遅れてしまった……」と頭を抱えてしまうことでしょう。そういう人は「時間に遅れるべきではない」という価値観をもっているだけでなく、「自分は遅れない人だ」という自己イメージがあり、「遅れた」という出来事に対して、価値判断することになります。
 
さらにいえば、それは自分だけの価値判断ではなく、「世の中はこう見ているだろう」という価値判断も踏まえていることでしょう。
 
たとえば、朝7時から30分くらいスターバックスで本を読んでから出社すると決めて、5分遅れてしまったからといって、頭を抱える人はそんなにいないでしょう。誰かとの約束ではなく、自分一人で完結することだからです。
 
誰かとの待ち合わせの場合はそうはいきません。時間厳守の人はきっと「うわあ、遅れてしまった……」と感じることでしょう。

(4)感情の渦に巻き込まれる前にすべきこと


「ダメだ」と思って頭を抱えるのは、価値判断、評価しているからであり、感情の渦に巻き込まれている状態といえます。その意味では、「ダメだ」ではなく、「いや、ダメじゃないよ。努力したじゃないか」とか「こういうこともあるよ」とか「相手が遅れることだってあるんだから」とか「相手は気にしていないかもしれない」とか「次回埋め合わせをしよう」と考えたり、解釈することも可能です。
 
ただし、それらはすべて出口のほうの対処法であり、まずすべきは自分を俯瞰して、「ああ、自分は遅れてはいけないという価値観をもっているんだな」と認識するなど、一つひとつの要素をそのまま受け止めることです。それこそが、ありのままの自分と上手につきあい、価値判断や評価から自由になるための第一歩となると思います。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。


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