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【シーズン3-7:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「たくさん軸」でゴールをつくる~無意識の制限を外す

(1)二十数年前に書き出した「望み」のほとんどは叶った


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン3では、書籍のタイトルにもなっている「ゴールドビジョン」についてお話ししています。
 
今回のテーマは、ゴール設定の3要件の1つ「たくさん軸」です。
「たくさん軸」を語る際に欠かせない要素が「バランスホイール」ですが、二十数年前、私がまだ「バランスホイール」を知らなかったころ、「どれくらいの数の望みをもつことができるのだろうか」と思って書き出してみたところ、300個くらいになりました。
 
では、その300個の望みはどうなったかといえば、「これはもう実現しなくてもいいな」というもの以外はほとんど実現することができました。
 
振り返ってみて私が思ったのは、「書いたことは実現するんだな」ということでした。運だったり、努力といった要素も影響を与えるため「必ず」とは言えませんし、書かなくても実現したものもあったかもしれませんが、書いたからこそ実現したものもたくさんありました。
 
ちなみに、「バランスホイール」の書き方については、シーズン3の5回目「ゴールを言語化する~『バランスホイール』の傾向」でも扱っていますが、次のとおりです。
 
・紙と筆記具を用意する
・縦線と横線で十字を描く
・十字に線を2つ足して8等分する
・8つのスペースに、たとえば「職業」「家族」「趣味」「友人」「健康」「教養」「お金」「社会貢献」と書いて、それぞれの項目に沿って具体的なゴールを記入する

(2)小さいか、大きいかは問題ではない


当時書き出した300個の「望み」は小さなものから大きなものまでさまざまでしたが、私は「小さい望み」と「大きい望み」は完全に断絶しているわけではなく、連続的だと思っています。
 
そもそも、「小さい」と「大きい」は相対的なものであり、ある人にとっては小さいけれど、ある人にとっては大きく感じられたりするものです。たとえば、子どもにとって大きな望みは、大人にとっては小さい望みだったり、ある人にとっては難易度が高いけれど、ある人にとってはひょいひょいとできてしまうことだってあるでしょう。
 
「小さいか、大きいか」は社会的な成功とも関係なかったりします。
たとえば、どんなに立派な人でも、楽器を習ったことがなければ演奏することは難しいでしょう。でも、音楽をずっとやってきた人にとっては朝飯前だったりします。
 
そうやって考えると、「小さいか、大きいか」は、そこまで意味がないといえそうです。そして、小さい望みが実現するということは、中くらいの望みも実現するし、中くらいの望みが実現するのであれば、大きな望みも実現するのではないでしょうか――。
 
私はどこかでそれに気がついて、「だったら、大きな望みを達成するための方法を見つけよう」と考えて、ルー・タイスさんや苫米地英人さんから学んだあと、自分の年齢、置かれた環境、得意分野などを考慮したうえで再構築して「ゴールドビジョン」という手法を完成させたのです。

(3)たくさん書くだけで、自分の限界が広がる

ゴールをたくさん設定することの価値はいくつもあります。
その1つは、たくさん書くことが、自分の限界を押し広げることにつながる点です。
 
大学で講義をする際、学生に対して「ゴールを50個書いてきてください」と言った翌週、「50個のゴールを100個に増やしてください」と言うとびっくりされるのですが、50個、100個書く体験をするだけで、自分の限界を押し広げることができます。
 
ゴールは本当に小さなことでも構いません。
まだ20代であれば、「憧れのレストランに行ってみたい」「紹介制、一見さんお断りのお店に行ってみたい」といったものでもいいのです。
 
たとえば、「銀座のお寿司屋さんに行きたい」と思っても、最初はどのお寿司屋さんに行ったらいいかもわからないはずですが、イメージだけでいいのです。どんな服装で行けばいいのか、どのくらいの値段なのかがわからなくても、書いてみて、想像するだけで自分の限界は広がります。
 
銀座のお寿司屋さんに行かなくても、人生、別に困りません。スーパーのお寿司で十分だという気持ちもわかります。ただ、「スーパーのお寿司で十分という話」と「視野を広げる話」は別物なのです。願望のレベルであっても、たくさん書き上げていくことの価値は大きいと私は考えています。
 
ただし、「銀座のお寿司屋さんに行く」ことが「全然好きではない」(「want to」ではない)のであれば、やめておいたほうがいいでしょう。たくさん書かないといけないからといって、嫌なことを書く必要はありません。
 
心理的盲点、ブラインドスポットを意味する「スコトーマ」という言葉があります。
自分の限界を押し広げていくうちに「ああ、自分で自分を制限していたのか」と気づくことで制限が外れることを、私たちは「スコトーマが外れる」と言ったりします。
 
ちなみに、二十数年前の私も小さな望みをたくさん書いていました。
たとえば、当時、お金がなかったので、しょっちゅう髪の毛を切りにいくわけにはいきませんでした。人によって髪が伸びるスピードや頭の形も違いますから一概にはいえませんが、私は「何週間かに1回くらいは行きたいな」と思っていました。たったそれだけのことではありますが、書いたことが実現することを目の当たりにして、そうしたことを積み重ねていくことで人生が豊かになっていく、楽しく、気持ちよく過ごせるようになることを私は身をもって経験したのです。

(4)未来を表現するには、1つ、2つ、3つでは足りない


目標は1つ、2つ、3つでも構わないといえば構わないのですが、私はそれだけでは人生の本質、生きていることの本質を反映していないと思っています。誰だって、10個、15個くらいはあるのではないでしょうか。「ない」という人は、何かに没頭しすぎて視野が狭くなっているかもしれません。
 
視野を広げるのに役に立つのが「バランスホイール」であり、最低8個くらいのゴールは誰にでもあるはずです。16個、あるいは24個書くかどうかは、個人差、好みの問題だったりしますが、やはり、1つ、2つ、3つというのは少ないと思うのです。
 
また、別の観点から考えても、目標は多いほうがいいことがわかります。
 
未来の状態を多角的、多面的に描写したものが「夢」や「ゴール」です。
数年後の未来は、さまざまな側面、アスペクト、場面があるわけですから、本来、それらをすべて描写しなければ「未来」にはなりません。
たとえば、仕事のゴールを描けたとしても、それは未来の一部でしかありません。1日8時間、週5日働いて40時間、1日10時間働いても50時間にしかならず、1週間(168時間)の3分の1以下の時間でしかないのです。残りの3分の2について描写しなければ、未来を描いたことにはならないのです。
 
最後に余談を1つ。
毎日眠ることを考えると、「睡眠」をゴール設定に入れておいてもよいかもしれません。睡眠は1日のエネルギーにも絡んでくるテーマであり、10年後「毎日寝不足の生活を送りながら大活躍したい」という人はあまりいないでしょう。「よく眠れる」だけでなく、食事を含めた「健康」をゴールの1つに加えてみてはいかがでしょうか。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。
 
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