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【シーズン3-3:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】理想的な「ゴール設定」とは何か?

(1)目標は大きくなければいけない!?


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン3では、書籍のタイトルにもなっている「ゴールドビジョン」についてお話ししています。
 
ここまで、「ゴールドビジョンとは何か」と「目標を達成できる人がいる一方で、目標を達成できない人がいるのはなぜか」について解説してきました。
要約すると、このようになります。

① 目標は設定すれば、脳はその目標を達成できるように働いてくれる。
② そして「ものすごいテクニック」を使うのではなく、単純に、続けることで達成に近づいていくものであり、達成できないとしたらそれは、途中でやめてしまうからだ、
といったことをお伝えしました。
 
ただ、「ものすごいテクニック」は必要ありませんが、知っておいたほうがよいテクニック、アプローチ方法もあります。その最たるものが「ゴール設定」「目標設定」自体になります。
 
目指すものがはっきりしていないから、たどり着くことができない――。
これは多くの人が直面している現実です。
逆にいえば、何をめざしているかが明確に説明できれば、自ずと目標に近づいていきます。人間の脳は、太古の昔から、たくさん失敗しながらも、どうやらそうやって進んできているようなのです。
 
そのために必要なのが、「よいゴール」であり、「よいゴール」には認知科学的なルールがあります。本当は、「認知科学的」と言わなくても伝わるのがよいのですが、みなさんにすんなり納得してもらうために、ここでは「認知科学的」という言葉を使用しています。
 
大きく求めれば大きく返ってくるのなら、大きいほうがいいに決まっている、前回そうお伝えしましたが、認知科学的には「夢は大きくなければならない」のです。
人間の脳には「現状を維持したい」というメカニズム、仕組みがあるため、大きすぎる目標には無意識に抵抗してしまいます。それは仕方がありません。
それを受け入れたうえで、自分の心の声に耳を傾けながら、目標を設定していくことになります。その際、「あっ、これならできそうだな」と感じてしまったなら、その目標はその時点で「よい目標」ではありません。
「目標」ではあるけれど、「よいゴール」ではなく、厳格に言えば「ゴール」ですらありません。なぜなら、「ゴールドビジョン」においては、「ゴール」を「現状の外にあり、手が届かないくらいのものがゴールである」と定義しているからです。
 
「達成できるようなゴール、目標を設定することのなにがいけないんだ!」という異論があることは承知しています。その意味でいえば、「ゴール」を「目標」ではなく、「夢」と捉えたほうが伝わりやすいかもしれません。
たとえば、「手が届きそうな夢」と聞いたとき、みなさんはどういうふうに感じるでしょうか。「夢は大きく、簡単には手が届かないくらいのものがいい」と考える人も多いのではないでしょうか。
 
「ゴール」と「目標」と「夢」の違いについて考えるのが主たるテーマではないため、これ以上つっこんだ話はしませんが、いずれにしても「ゴールドビジョン」における「よいゴール」は「大きなゴール」であることだけは覚えておいてください。

(2)「心からやりたいこと」を目標にする


2つ目のポイントは、心からやりたいと思えるゴールを設定すること。
大きなゴールを描いたにもかかわらず、「実は興味ないんですよね」という人はいないでしょう。
ただ、他者から、大きな目標を与えられたり、もたされたりしている人で「モチベーションが出ない」という人はいると思います。自分が強く望んでいることに対しては「やる気が出る」一方、「自分が望んでいないゴール」に対しては「力が出ない」のは当たり前です。
 
では、たとえば、会社から大きな目標を与えられたけれど、やる気が出ない人はどうすればよいでしょうか。
もし、その職場で仕事をしたいと思っている、あるいは仕事を引き受けたいと思っているのなら、与えられた仕事に対して「自分が心からやりたいと思える要素」を発見したり、仕事そのものを「心からやりたい」と思えるように進化させてみてはいかがでしょうか。
 
 
ここまでお話ししたように、「よいゴール」を設定するためには、夢は大きく、そして、自分が心から「やりたい」と思えることを目標にしなければなりません。あなたが設定している目標はどうでしょうか。「大きな目標を設定しているだろうか」「心からやりたいと思える目標になっているだろうか」についてチェックすることをおすすめします。
 

(3)「年収1500万円」を目標にしてはいけない


たとえば、「年収1500万円」は十分高い目標ですが、現状の外にあるゴールではない 、そう書籍には書きました。
お金以外に大事なものはたくさんありますが、お金を例にとって説明するならば、年収1500万円ではなく、5000万円、1億円を目指したほうが、脳をうまく使うためにはいいと私は考えます。
5000万円、1億円を達成する過程で、1500万円も通過することになりますが、5000万円、1億円の手前にある1500万円をゴールとして設定した時点で、1500万円のエネルギーしか出なくなってしまうからです。

また、手が届かないような大きな目標を達成するには、いままで考えもしなかったアイデア、ルートを選択したりと「発想の転換」がポイントになってきますが、「常識的な目標」を設定してしまうと、結果的に何も実現できなくなります。
 
目標は高ければ高いほど、人間の脳は力を発揮します。
ですから、脳の力を継続的に引き出すためにも大きな目標を設定しなければならないのです。

(4)燃え尽きてしまう前に「新しい目標」を設定しよう


3つ目のポイントを説明する前に、「燃え尽き症候群」について考えてみましょう。
いろいろなケースがあるため、一概にはいえませんが、たとえば、あるプロジェクトが終わった結果、しばらくなにもする気が起きなくなったり、30年間勤めてきた会社を定年退職することになり、目標を失ってしまったり、子どもが大きくなって子育てがひと段落したときに「自分はなんなんだろう」と思ったり、介護をしていた家族が亡くなることで、言葉が適切かどうかは別として燃え尽きてしまう、ぽかーんとして「なにをすればいいのか」がわからなくなることはあるでしょう。
 
これらは人間の必然ともいえます。
設定した目標を達成するように人は行動し、その目標を達成してしまったら目標はなくなってしまうわけですから、なにか新しい目標、生きがいをもつ必要が生じます。
 
人間の脳は、目標があればそこに向かって進んでいきますが、目標がないと進めなくなってしまう・・・。このことを知っておくことが大切です。目標を達成したときに元気がなくなるのであれば、達成する前にあらかじめ「次の目標」を準備しておけばいいのです。

(5)ゴールは1つではいけない


3つ目は、「ゴールの数」です。

「目標は1つでいいんですか」という質問に対する答えは「1つではダメです。複数必要です」になります。
人間の脳は、上手に無意識を使えれば、同時にたくさんのことを追いかけることができます。たくさんのことを追いかけるためには、複数のゴールを設定しておく必要があります。
もちろん、時間の制約がありますから、すべてを一度には行なえませんが、「できるときにやる」「無意識にやる」のが脳ですから、自分が心から望む、大きな目標を、複数設定してみてください。
 
以上、今回は「理想的なゴール設定」についてお話ししました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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