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(0)働く世代のメンタルヘルスーこのサイトをはじめるにあたり

もう20年以上前に医師として社会に出て仕事をするようになってから、常にストレスを感じながら生きるているように感じている。

仕事そのものはおそらく興味をもってやっていたはずであり非常に熱心に学び研鑽していたと思うが、様々な精神的な負荷や体調不良を抱えながら世の中とはこんなものなのだろう、と感じながらも深く考えることなく日々を過ごしていた。

人間の体はうまくできているもので、本来の自然な状態に負荷を与え続けると精神的・肉体的に不調をきたしてそれ以上の負荷を物理的に止めようという抵抗を出してくる。

実際に様々な体調不良を抱えるようになり日々の生活を心安らかに送るのに支障をきたすようになり、医師であることもあり自ら様々なものを学び自分自身に実践していくことになった。

いわゆる西洋医学的アプローチはもちろん、専門外の精神科の教科書を読み漁り、漢方や鍼灸といった東洋医学、森田療法、認知行動療法、フロイトやユングといった精神分析などの精神療法、そこからそれらを支える学問として思想や哲学、、、というように徐々に範囲が広くなってくるに従い、結局今に残る学問や文学、芸術などは同じことを言っているのではないかと考えるに至った。

そんな中から甚だ傲慢かもしれないが、以下のように考えるようになった:

精神的に苦しむことなく社会に適応してうまくいっている人は結果的に人生全体としては不幸なのではないか?

なんのことか意味がわからないだろうし、この考え自体間違っているかもしれない。お前はそんなに幸せなのかと言われれば毎日ハッピーでは全然ない。周りからは不幸だと思われているかもしれない。

しかし、今際の際に”まあまあいい人生だった”と感じながら死んでいけるのかどうかを考えた時自分はどうあるべきか、と考え続ける日々を送ったのちに、頭で理解するだけでなく腹落ちした、という感覚を得た時にようやく人生のスタート地点に立ったような気がした。

そして苦痛苦悩を感じることなく、意外とスムースに仕事をして一生を送れていたら、このスタートラインに到達する前に死んだのかもしれないとも思っている。

医師として仕事をしていると、身体的な症状がそのような精神的な問題からきていると考えられる人が非常に多いことに驚かされる。多くの場合は”精神的なものですね”、と半ば突き放されクスリを処方されてそのままになっていることが多いだろうし、自分で自覚してそのような専門の病院や専門家を頼っていっても望むような対応は得られず不満を抱えたままの人にもよく出会う。

そのような人々に対して、止むを得ず自分の経験上学び体験した範囲で対話を行うことがある。そしてその中でこちらが驚くほど改善を見せる方が時々おられる。

身の回りで接する範囲だけで多くの人にアプローチできているわけでもないが、このように人によっては役に立ったということもあるので、自分が考えてきたことを文章にしてみようと考えた。

対話でなく文章に書くだけで真意が伝わるとは到底思えないが、何かのヒントになることがあれば幸いである。

今まで学び経験してきたことに加え、個人的な話、あるいは今までに体験した個別の話なども含むこともあり、以降は一般公開を避け有料コンテンツとすることもご了解いただきたい。