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選手の移籍についての考え方・2

前に「選手の移籍についての考え方」という雑文を書いた記憶がありますが、そのパート2みたいなものです。

ご存知のようにガイナーレ鳥取で、昨季のエースストライカー的な役割を果たしたレオナルドが、アルビレックス新潟に移籍しました。

そりゃあ、単純に考えたら、シーズン24得点も挙げて、あまつさえ得点王にすらなった大エースが、直接対決の機会が少ないカテゴリの異なるチームへの移籍とは言え、チームを離れて移籍してしまうわけですから、中にはフロントの方針に異を唱えたり、あからさまに不満をぶつける方もいるかもしれません。
心情としては、まあ、わからないでもありません。単純な印象で考えれば、そりゃあんな破壊力のある選手をみすみす手放して、うちのフロントは見る目がないのかってことにもなるでしょう。

でも、ですよ。プロスポーツチームとしての取引の一環として「選手のトランスファー」ってあるものじゃないですか。そりゃあ、できればワンクラブパーソン(つまり単一球団で現役生活を送る選手のこと)でいてほしいものですが、現実的には難しいですよね。
今のガイナーレ鳥取で、昨季までで通算10シーズン以上在籍し続けている選手っていないでしょう?5シーズン以上だって井上亮太ぐらいしかいない(彼に続くのがフェルナンジーニョ林誠道井上黎生人など)はずですよね。むしろ、そんな選手があまりたくさんいるのもおかしな話で、可能性があるならば、活躍できるであろうチームに移る方がいいんですよ。

今回のレオナルドのケースというのは、彼も若いわけですし、これからもっといろいろな可能性があり得る選手なわけですよ。これからのキャリアアップ次第ではもっと規模の大きいクラブに行って活躍することもできる
そんな時に新潟が目をつけた(あるいは代理人が売り込みに行ったのか、それはわかりませんが)わけです。交渉の過程で、2年契約を匂わせ(最終節の藤枝戦試合後のセレモニーでそういうことをチラッと口にしてましたね)ることによって少しでも優位に立てれば、という目論見があり、これが今回、うまくいったようです。
また、アルビレックス新潟もレオナルドに最大限の評価をし、移籍金をガイナーレ鳥取側の要求額にほぼ近い額で払ったとのこと。商取引としても見事な成功を収めたというわけですね。

そして、このレオナルドのケースがブラジルでも話題になっているようで、ガイナーレ鳥取をステップにチャンスをつかみたい、とする話も多々あるようなので、そういう面でも成功しつつあるようですよ。
一方、戦力面ではどうなのか、というと、こちらの補充も目処は立っているとするコメントがあるようなので、あまり大袈裟に心配することもないのでは、と思うのです。

なので、あまり目くじらを立てる必要もないのでは?と個人的には思っています。
逆に、Y.S.C.C.横浜から三沢直人、横浜FCから市川暉記という2人の選手を、それぞれ完全移籍・期限付き移籍で獲得していますね。
特に三沢は評価も高かった選手らしいので期待大です。今季、中軸に据わって縦横無尽に大活躍した可児壮隆(タイプは異なるかもしれませんが、重要度では概ね近い選手たちと言えそうですね)を想起するといいのかもしれませんね。

今の、吉野強化部長になってから、だんだん強化軸が定まってきたというのか、迷いがなくなりつつあるのかなあ、と思える事象が出てきています。
この強化部を、岡野GMがバックアップするという体制がうまくいきつつある、と見て間違いなさそうですね。

無論、盲信するわけではありませんが、今のところは吉野・岡野体制で任せておけば良いんじゃないかなと。彼らは少なくとも現場のメインストリームにいて、我々外野の人間よりはずっと事情を知っているわけですし。
逆に現体制を徒に否定したがる理由とは何なのでしょう?そういった人々はたぶん、誰がどんな方法でやっても、同じように否定するんじゃないか、という気がしますが。
今、少なくとも短期的にも中長期的にも成功の契機が見えてきている状況下にあるのに、それに賛同はしないまでも、黙って推移を見守っておく、ぐらいに留めておけば良いような気がします。

だいたい、今までだってその人が望んだような選手動向が必ず実現していたと思いますか?
人気選手や実力者でも、様々な事情によりチームを離れてしまうことが多々ありますよね。
自分の例で言えば、例えば、永里源気とか、美尾敦とか、小井手翔太とか、加藤秀典とか、そういう選手たちは移籍退団してほしくなかったけれど、出もいろいろ事情もあっただろうし、悔いてみたところで、彼らが引き続き鳥取でプレーするわけじゃありませんしね。
ならば、新天地で活躍してくれれば良い、と思うようになりましてね。

俺は、各選手もそりゃ好きな場合がほとんどだけれども、チームとしてのガイナーレ鳥取が好きなわけですよ。これだけは譲れません。
移籍や新規加入によって、決して大都会ではない鳥取のチームに入ってくれて、プレーをしてくれた同志ですよ。やがてそんな彼らがいろいろな事情を背に抱えつつガイナーレ鳥取を去り、ある者は別のチームでプロとしてのプレーを続けるだろうし、ある者はプロサッカー選手であることを辞めてアマチュアになるかもしれないし、あるいは別の者は、それも辞めて指導者になったり、別の道を模索したりするかもしれませんよね。

でも、個々の選手たちが考えて決めた結果が、彼らの進路なんですよ。それは尊重しましょうよ、と。
仮に当該選手が、例えばライバルとされるチームに移籍してしたとしても、それはそれですよ。尊重してあげたら良いのです。我々は悪態ぐらいはつく権利はありますが、それは表に出すべきではありません。チラシの裏に書いて気を晴らした後、ポイしとけば良いことです。

それより、先にも書いたこれらの選手の加入を喜んでおきたいものですね。これから先、まだまだ幾人かの選手が加わってくるかもしれませんよね。それらも大いに喜んでおくべきかと。だって何と言っても彼らはガイナーレ鳥取を選んでくれたわけですもの。

来たるべき、然るべき時期には今季(以降)を共にする監督が発表になるかもしれませんよね。その加入に際しても、その新監督のモチベーションが高まるように応援する側も仕向けてあげたいですよね。
無論、人物的に合わなかったりする人もいるかもしれませんので、全面的に賛同したり盲信したりしろとは言いません。賛同するのも反対するのも個々の自由ですから。ただ、対象の人格を攻撃したり、家族など仕事に無関係な人々を責めたりなどという、あまりよろしくない行為に手を染めるべきではありませんね。

大事なことは、選手の移籍や変動が(強いて言えば専門的に見て)あまりにも的外れなものでない限りは、ひとまず矛を収めて成り行きを静観しておくべきかも、と思うのです。
どうしても納得がいかないなら、クローズドな環境でそれを表明なり何なりしておいて(それこそ、チラシの裏に書いといて)、あとはそれでじっとしておけば良いんですよ。

もちろん、文句は言っても構いませんが、言うならあくまでも紳士的に。穏やかに、そしてできれば理知的に、且つ冷静に。ヒートアップしても誰も得をしません。

ともあれ、これから先しばらくはガイナーレ鳥取の動向から目が離せない時期が続きそうですね。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。