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#オールガイナーレ Round6(藤枝MYFC戦)

例によってDAZNのダイジェスト。

この試合のメンツは以下の通り。

GK:市川
DF:内山・池ヶ谷・井上黎
MF:上松・可児・星野・福村
FW:石井・西山・林

Sub:井上亮・アドリエル・世瀬・那須・石上・ヴィートルガブリエル

見ての通り、ホームゲームでありながらサブスティテューションにフルメンバーを投入できない有様です。そして驚くのは西山の起用。確かに実況で述べているように西山はパワープレーの武器として起用されることもありますから、それを最初から使おう、とする心情はわかります。

しかし、アドリエルやヴィートルガブリエルが起用できるなら、最初から使うのが良策だと思うのですが、この2人はサブスティテューションに置かれています。

最初の11人もそれなりに可能性を感じさせるような気のするメンバーではあるんですが、これが何故かハマりません。
技術的なことはよくわからないんですが、見てる印象として思うのは「彼らはチームとしての体を為している状況でここに立っているのか?」という。西山をパワープレーでよく使う選手だからと、ギャンブル的に使うのは選手起用としてはどうなのかな、と思えてしまうのです。西山は後半に得点を決めることにより、役割の一端を果たしたと言えるんですが、「勝つぞ!」という意思表示ができるチームだったのか、という気はします。

確かにですよ。開幕前からずっと故障者の頻発に悩まされ、櫛の歯が欠けるみたいに、人が次々といなくなってしまうんですよ。北野は昨年末の手術の影響でまだプレーできない状況でしょうし、フェルナンジーニョは北九州戦には登場しましたが、それ以外の試合ではベンチにすら入れません。去年活躍した小林という若手も開幕前に故障してしまい、懸命に治している最中ですし、この前、ユリが故障をしてしまい、やはり長期の欠場となっていますね。今無事で試合に出ている連中の負担は増すばかり。

ハレの試合に於いて、選手たちは別にミスがしたいからするわけはなくて、良いプレーを連発して目立ちたいと思っているはずですね。
なのに実際にはミスが続くような状況になっていて、選手たちも苦しんでいると思うんですよ。
例えば森島の先制点に結びついた内山のトラップ(と言うよりボール処理の)ミスなんて、流れに乗れている時の彼ならわけのないプレーだと思うんですよ。しかし、原因はどうあれ、内山は軽くプレーをしてしまった。ボールをトラップした先には相手の選手が突っ込んできており、もはやどうにもならなかった。あっさりと森島にボールを渡されて、森島はうまく力を制御しながらシュートすれば良かった。

この局面で内山のミスを責めるのは簡単なことですが、それをしても、内山自身のためにもチーム全体のためにもならないと思うんですよ。

ガイナーレ鳥取はご存知のように「強小」というワードをチームの柱として長年掲げています。意味はこちらに記載されています。

昔から「山椒は小粒でひりりと辛い」と言います。この山椒のように小さいけれども強さを秘めたチームになろう、という意味合いが感じられるのが、かの「強小」にこもった意味だと思うんですが、「小さい」に拘りすぎてはいないだろうか、という気もします。
確かにガイナーレ鳥取はおカネに余裕のある一部のクラブとは異なり、予算規模もグッと小さいだろうし、鳥取県という土地柄があって、好んで来てくれる人はそこまで多くないだろうとも思うのです。
選手の中には、引退後、ガイナーレ鳥取の運営会社に残ったり、引退後にスタッフとして戻ってくる人もいますが、多くは移籍などで縁が切れるとそのまま疎遠になってしまう人がほとんどですね。
チーム事情が根底にあって規模的に小さくならざるを得ないのは仕方がないことだと思う一方、だからといって「小さい」ことに拘泥するのは得策ではないとも思うのです。

今季、御承知のようにガイナーレ鳥取の監督は髙木理己さんです。見るからにいい人だと思うのですが、この人にはトップチームの監督を行った経験はありません。U-18の監督なら経験しています。
しかし、トップチームとU-18とでは似て非なるもので、同じようなユニフォームを身にまとっていても、トップチームはプロとして結果を出さなければならない宿命を背負っている。一方でUー18にも結果は求められますが彼らの一番の主目的は育成を受けて選手として一人前に育つ契機をつかむことです。
ガイナーレ鳥取のU-18に属しているからと言って、それらの選手たちが全員ガイナーレ鳥取のトップチームでプレーできる(あるいはする)わけではありません。トップに昇格できるのはごく限られた選手で、今いる中だと世瀬啓人・那須甚有などという辺りがそうですね。以前は曽我大地とか、磯江太勢などという選手もいました。これらの選手たちがいる一方、昇格の機会をつかむことができない、あるいは自発的に異なる進路を選ぶ選手もいるでしょう。
こうしたメンタリティの異なる集団の統率の仕方は、恐らく相当に異なると思えてなりません。U-18などが指導できるからトップでも、と傍目で見るほど簡単なことではないと思えます。
恐らく髙木監督にも人知れぬご苦労があるものと推測できます。昨季前半戦まで監督をされていた森岡隆三さんも、京都でU-18の指導をされた後に鳥取のトップチームの監督をされましたが、彼も今の髙木さんと同じような相違点を乗り越えてきているのではないでしょうか。

別に髙木さんを庇うつもりはありませんが、新人監督に必要以上の要求をしてはいけないという気がするんです。髙木さんの場合、前任者の須藤大輔さんがたまたまうまくいってしまってJ2昇格を狙えるところまで進むことができたので、彼にも同じ夢を見られる、と考えて「J2昇格」をノルマというか目標にしてるんだと思います。

でも、現時点で、1勝3敗2分(勝ち点5)の17位であるという現実がありますね。残念ながら、これは動かしようがありません。この先、何かのきっかけで成績が上向いて昨季ぐらいのことになるかもしれないし、このまま低空飛行を続けてしまうかもしれません。
ただ、以前に監督をされてた柱谷哲二さんみたいな人を呼んできて「勝ち点60」とかぶち上げるのなら、(実際の成果がどうなるか、という話はひとまず考慮しないものとして)これはこれでありだと思うんですよ。彼の場合はそういう要求をされて期待を受けることの可能な経験を持っていることもあって、実際に期待もされたものの、成果を出すことのないまま鳥取を去ってしまわれました。
これに比べて、以前の小村徳男さん・松波正信さん・森岡隆三さん・須藤大輔さん、そして現在の髙木理己さんと、松波さん以外はトップチームを率いた経験があまりなく、最初のうちは手探りでいろいろされていたと思いますから。
そんな人らに向かって「不成績だから責任を取れ!」とかいうのは、あまりにも殺生というか・・・。そんな彼らを監督に据えたのはクラブであって、だったらフロントに「もっと監督やコーチなどにサポートしろ!」ならわからないでもありません。そこをすっ飛ばして全ての責任は何であれ監督の不始末だ、みたいなのは少し違うのでは・・・。

髙木さんのみならず、監督というのは矢面に立たされやすい立場です。森岡さん・須藤さんも然り。小村さんなどもそうでしたよね。

今、例えばですよ。髙木さんを糾弾して、彼が監督の職を追われるものとします。その際、後任に選ぶ人物や負傷者の回復状況、この後のウインドーが開く時期に行う補強の度合などにもよりますが、彼以上の好成績を期待できるとは限りません。

去年、森岡さんから須藤さんに監督が交代して、成績は確かに上向きましたが、それは須藤さんだけの力ではなかったはずです。もちろん森岡さんがサボっていたわけでもありません。元々地力のあるチームが監督交代を契機にして上昇に転じただけなのです。

もし、監督交代でうまくいってるというなら、2013年だってうまくいってなきゃいけないはずですよ。でも、あの年、小村さんから監督が前田浩二さんに交代して何がありましたか?そういうことですよ。

随分と長く脱線しまくったので試合に話を戻しますが、この試合で、福村や可児は能力の一端を見せてくれていて個人的には惚れ直したのですが、しかしサッカーというのは集団競技です。いくら彼らが突出していても、彼らも含めたチームの調和が取れていなければ・・・。
その意味で、「チームとしての体を為していない」と感じざるを得なかったわけです。

少なくとも後半からヴィートルガブリエルが登場したぐらいから、息を吹き返しはじめ、アドリエルが入ってきた辺りで鳥取もエンジンがかかってきたとは思うのですが、この2人を使うまでのガイナーレ鳥取には、とにかく活気がなかった。アドリエルが出て来る前に大迫に追加点を取られた時のことも含めて、このサッカーをおカネを取って見せても良いんだろうか?と思わざるを得ませんでした。
彼らの代わりに下げられた林や星野がどうのこうの、ではありません。彼ら(や世瀬との交代で退いた石井)を含めた出場11選手の連動に問題があった、ということだと思うんです。

私は練習見学になんか行ったことないですから、今の彼らが練習で何をしてるのかは知りませんし、戦術的な練習なんか根本的に見せてももらえないでしょう。ましてそれをTwitterなどで広めたりもできるわけがありません。
なので、彼らがどんな目的でどういう練習をしているのか、知る由もありません。が、どんな練習をしていようとも、最終的には某かの目的があるものだと思いますし、到達すべき点がどこであるかも、当然共通理解としてインプットされていると思います。
それを試合で体現できないのだとすると、チームとしてコントロールできかねる部分を別にすると・・・

1:相手への対策・研究を怠っていた
2:相手に先んじる対策を講じられた
3:そもそも練習の方向性が間違っていた
4:それ以前にチーム作りのコンセプトからしておかしい

などが考えられます。今回の場合、どれに該当するかはわかりません。どれでもないのかもしれませんし、これら全てかもしれません。ともあれ、何が原因にしろ、首脳陣(これには現場の監督コーチングスタッフはもちろんのこと、強化部・GMなどのフロントスタッフも含む)が選手も交えてディスカッションしてみることかな、と。

何にしろ言えることは、ブラジリアンをある程度使っていかないと、このチームはチームとしての体を為しそうにない、という面が浮き彫りになっているということを認識するべきだと思いました。

西山が終盤に挙げた得点だってそうじゃないですか。あんなところにアドリエルが切り込んでいくわけですよ。その前に世瀬が切り込んでいった時だってヴィートルガブリエルが外側に走り込んでチャンスを広げようとしているわけです。これは得点に直結しなかったものの、その後にアドリエルの突進が生まれているわけです。

今、とりあえず現有メンバーで何かしらのやりくりをしていくしかありません。あとは育成型の期限付き移籍などの制度をフル活用して手っ取り早く補強策をとるしかないでしょうし、それも難しいとなると現有選手が故障をしないように防止策を講じていくしかありません。

何はともあれ、今この段階で言えることは、「なるようにしかならないし、現状を嘆いたところで、将来が好転するわけでもない」ということを認識しなければダメだってことですよ。あと、いろいろ欲張っても仕方がありません。昨季、たまたま3位に滑り込めたから、今季は昇格も夢じゃないってことはありません。鳥取にはポテンシャルはあるんでしょうが、それを安定的に出せるようになるには、まだ足りないものも少なからずある、というような認識をするべきかも、と思うのです。

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なお、来週の天皇杯予選の決勝戦(Yonago Genki SC戦)は観戦に行きませんし、天皇杯そのものにも参りません。この企画はあくまでもリーグ戦のみにフォーカスした企画、とお考えください。育成マッチも同様の理由で扱いません。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。