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格好良くなんて生きられない

もう50年も生きてきたから、他人様に人生訓の1つも垂れたくなるところなんだろうけど、正直、他人様に誇れるような人生なんて送ってきてもいない自分が、誰かに人生訓なんか語りようもない。
それどころか、こうすれば格好良く生きられるとか、そんなものを教える術も持たない。自分の人生は概ね格好悪い。

けれど、それもまた生きるうちにいくつもしてきた選択の結果なのだから、悔いてみても始まらない、と最近では思うようになってきた。あと残りがどれぐらいあるかはわからんけど、てめえの人生だもの。後悔してみたところで、時間が取り戻せるわけじゃない。

客観的には失敗ばっかしてきたんだと思う。未だに伴侶を得られていないことはその最たるものかもしれない。子供も、このままだとたぶん得られないし、よしんばできたとしても責任を持って育てることなどできっこない。
パートナーを持てなかったというのは、自分の人生を分かち合える人に巡り会えなかった、ということでもある。でも、それは仕方がないのかもしれない。だいたい、こんな変わり者の人生なんて、分かち合ってくれる人なんかいるわけがないもの。もしも、そんな人がいたら、もう土下座でも何でもしちゃうよ。

今の自分が他人様に言えることがあるとしたら、「格好良くなんて生きようと思わないで」ということに尽きる。そんな風に狙って生きた結果として得られるものは、成功しようが失敗しようが、必ず受け入れましょうね、ってことなんですよ。だって、他の誰の人生でもなくて、他ならぬ「あなたの人生」だから。

アイドルに入れあげてもいい。鉄ヲタになっても構わない。好きなスポーツに夢中になったっていい。とにかく人生の中で、何か熱を入れて打ち込むものがあったっていい。
ただ、何に打ち込むにしろ、それは自分の判断で、自分の責任でやればいいだけのこと。別に他人の影響をまるごと受ける必要はないし、他人のせいにする必要もない。

どんな趣味に熱中しようと、それは他の誰にも止め立てする権利なんかないし、あなただけが楽しむ権利がある。誰にも邪魔などできるはずがない。そういうものなのだ。
ただその一方で大事なのは、そんな風に趣味を自分1人で楽しむ権利はあるけど、他の人と分かち合うことだって可能で、そういう人が最低でも1人以上いたら、より人生の幅が広がるかもしれない、ということ。もちろん、無理にそういう同士を作れと言っているわけではない。結果としてできることだってある。そのタイミングはできるだけ逃さないようにするのが理想的なのかもしれない、とは思う。

人生なんて日々流転するようなもので、今日はこっちにいるのに、明日になるとあっちに行ってるかもしれない。あるいは、1つところで落ち着いてしまうのかもしれない。
ただ、どんな人生にしても、送ってきたのは他ならぬ自分であって、他の誰でもない。そこはハッキリと認識しておくべきだ。他の誰かが、あなたに代わってあなたの人生を送ってくれたりはしない。あなたの人生を生きていくのはあなたしかおらんのですよ。他の誰も代わってなんてくれません。

若いうちはいくらでもやり直しが利く、確かにそうかもしれませんよ。ただ、時間は有限です。だから、実はその範囲の中でしかやり直すことはできないんですよ。あんまり何度も何度もやり直しができるわけがない。ビデオゲームで何度も何度もリセットしてやり直す、みたいなことは人生ではできないのです。そんなことができるんだったら、俺は何度でも人生をやり直すでしょう。だけど、現実にはそんなことはできないのです。

やり直しが何度もできない人生だからこそ、その結果には素直になるべきだと思うんですよ。もう、ある程度の年齢に来てしまった今だからこそ言える気もしますが、若い頃みたいにリトライできる余裕があるわけではないし、機会もそうそうあるわけではないんです。体力的にも30代を過ぎてくると辛くなってくる。40代半ばぐらいになると本当にしんどくなってくると思いますよ。

そんな中で、自分の人生を客観的に振り返ってみて、そしてその上で現状を客観的に把握してみて、それらも全て自分が生きてきた結果なんだって、受け入れる必要性が出てきます。他人が悪いばかりではないのです。自分の判断だって常に正しいわけではありません。
でも、何であれ、自分の人生を送ってきた張本人はあなたでしかないのですから、だったらそれは受け入れましょうよ。要はそれだけの話なんですよ。他にくどくど要らないことを言う必要なんてないんです。

自分なんて、よくもまあ半世紀の長きにわたって生きてきたと思うんですよ。前にも何度か、たぶんnoteやブログでも言及したことがあると思いますが、俺、自分が50歳まで生きるとか全く想像したことがないんですよね。50年生きる前にくだばるんだろうなって漠然と思っていたんです。だから、別に今更明日にでも人生が終わることになっても、それはそれで仕方がないんだって思ってたりしますよ。
まあ、今の段階になったら、もう死ぬまで何とか満足できるように生きたいなって、それだけ考えています。だって、何度も言うように自分の人生だもの。他人の人生でなく、他ならぬ俺自身の人生ですからね。俺本位に生きていきたいし、それを他の誰にも邪魔はされたくない。それだけのことなんですよ。

なるほど、それはわがままな生き方だって言われて、後ろ指をさされることかもしれない。でも、だったら別にそれでも良いんです。俺は俺の好きなように楽しめれば良い。今は人生の残り時間は余り多くないと考えている中に於いて、あくまでも自分はそう思っています。そういう生き方の末に、てめえの人生をクローズできたら万々歳でしょうね。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。