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#2 「魂が死ぬ」ということ

これができなくなったら、死んだも同然だ。


そう思える何かってありますか?

今、レッスンのためにセリフを書き出していて、久しぶりに「Me Before You」を観ました。

この映画の中で(ネタバレかも)

いくら楽しくても元の人生とは違う。君を縛りたくない。
朝起きてまだ生きてることに落胆したくないんだ。
旅から戻ったらスイスに行く。(安楽死)
ーMe Before Youー

と、事故で車椅子生活を余儀なくされたウィルは言うんです。

これを聞いて、大学で受けた「生命倫理の世界」の授業を思い出しました。
ALSという脳からの伝達異常で体がだんだん動かなくなっていく病気の方が、閉じ込め状態(寝たきりになって自分からなんの発信もできなくなった状態)になったら、死ぬことを許してほしいという男性のお話でした。

奥さんや息子たちは、お父さんが大好きで、そこに生きて存在しているだけでいいんだと何度も説得していました。それでもその方は「そのことは十分に理解しているし、たとえ閉じ込め状態になっても自分の存在意義はあるんだろうと思うけれど、自分は考えたことを伝えられなくなったら生きている意味がない。だから死を選択したい。」と。

この映画のウィルは、活発にスポーツに勤しんだり友達と騒いだりしていた生活が事故によって奪われてしまい、ルイーザや両親、友達に愛されて、生きてほしいと願われても、死ぬことを選んでしまいました。

「生きてほしい」と願うのは当然のことだけど、自分の大切な部分を失った本人にとってはとても残酷な願いなのかもしれない。

私にとって何が奪われたら死を選択してしまうんだろう。

たぶん、私も表現ができなくなったら、生きていることで喜びよりも辛さの方が勝ってしまうかもしれない。どんなに愛されていても、生きてほしいと願われても、毎日目を覚ますのが嫌になるかもしれない。

文章を書くのも好きだし、友達と話すのも好きだし、表現といってもいろいろあるけれど、私は、ダンスでもお芝居でも、体を使って表現できなくなったら、たとえ文章が書けても友達と話せても生きている意味が見失われてしまうと思う

逆に私、もしも目が見えなくなっても声が出なくなっても、耳が聞こえて体が動かせるなら、お芝居もダンスもできるから、すっごく辛くても生きていけると思う。

ALSの男性は、体がうごかせなくても、話せなくても、目を開けられなくても、ちょっと口の横の筋肉が動かせて、パソコンで入力して自分の意思を伝えられている今は生きている意味があって、それが奪われたら何もないと言っていました。そのくらい彼にとっては、自分の考えを伝えることが大切で

私の姉は、目と手さえ動かせれば、一生絵を描けるから、話せなくなっても生きていける。逆に話せても手がうごかせなかったら無理だって言ってた。

そういうものなんだな。

そういうものが人生を賭けてするべきことで、やりたいことなんだと思う。

終わり。

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<今日の映画・ドラマ> 

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「世界一キライなあなたに」(Me Before You) 
 *製作国・年:アメリカ・2016年
 *監督:テア・シャロック
 *脚本:ジョジョ・モイズ
 *出演:サム・クラフリン、エミリア・クラーク

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