ハローワークの認定日

当時、私はプータローの身の上。

失業手当を貰うためには
定期的にハローワークまで行かなければならい。

そんな面倒臭いルールが存在する。

でも、
私は松葉杖の助けを借りて歩くことしか出来ない。

そんな事情なんて
誰一人として気にしてくれたりもしない。

認定日の変更の手続きも
自分で足を運ばなければならない。

完全に時代遅れな発想に支配されている。

認定日、
カミサンが運転するマイカーでハローワークに向かう。

しかし、
認定の窓口は2階にある。

古い建物なので
エレベーターもエスカレーターも無く、
手摺りも片側だけで貧弱。

松葉杖で階段を上ろうと考えたが
バランスを崩した場合
私の体格を考えると周囲に危険が及ぶ。

…無力だ。

仕方なく、
手摺りを頼りに自分の足で階段を上る。

正確には腕力で身体を引き上げていく作業。

大した距離ではないが、脂汗が出る。

ソファに空きは無く、
誰も譲ってくれる気配すらない。

松葉杖のまま待機する。

ここでも紙ベースの書類が大活躍中で
ハンコ文化が栄えている。

だから、
意味なく時間を費やして
本人が出向く必要が生じるのだ。

現実的には
インターネットがあれば簡単に用件は処理できるし、
そうすれば無駄な人件費もかからない。

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