レジ袋有料化

 7月に入り、新型コロナもじわじわ拡大しているようです。経済を止めたくない気持ちはよくわかりますが、それで人が傷ついては経済もへったくれもない。政府・首長にはそのバランスをよく見て、決断を下してほしいものです。

 そんな中、じんわり始まったレジ袋有料化。注意しないと、キャッシュレス還元終了とダブルで効いてきます。コンビニ(まぁ、多くがフランチャイジーが独自でやっていたわけですが。)あたりは、筆者の場合、1回の還元額が10円玉に届くかどうか。昼か夜、食べるものを手に入れるために行くわけですから、その程度です。それがなくなり、マイバッグを持っていかないと、さらに3~5円程度。たかだか15円ですが、されど塵積です。

 キャッシュレス還元はなぜ「予定どおりに」終わってしまったのか、不思議です。9ヵ月で政府の支出は7,000億円程度だったとか。さらに大手民間事業者の負担もあったでしょう。ただ、このタイミングで止めてしまうのは解せません。予備費で使い道の決まっていない5兆円の2割、1兆円も出せば、あと1年は続けられます。オリンピック前まで引っ張れます。政策の誤りを認めたくない政府の意向なのでしょうか。経済を止めたくないなら、一種有効な政策だったと感じます。
 ちなみに、筆者は、6月下旬にスマホを機種変しました。おサイフケータイはきちんと手続どおり乗り換えられましたが、使っているキャッシュレス決済システムは、IDが新旧で変わってしまうので(乗り換えた意味がない…)、前のスマホに紐付いたIDによる還元は、受けられないようです。コールセンターに連絡し、2ヵ月以上遅れて、まとめて新ID(新スマホ)に還元してもらえるようにしてもらいましたが。

 筆者の住む富山県は、レジ袋有料化の先進県。10年以上前から強力に推進されており、今ではマイバック利用率が95%とも言われます。筆者自身、昨年4月に東京から転勤で住みついたわけですが、それにはあまり違和感はありませんでした。東京時代に長らく使っていたのが、EDLPでよく取り上げる「オーケー」。ここは早くからレジ袋有料化に取り組んでいました。このため、マイバッグ持参はデフォルト。富山に来ても、何ら戸惑うことなく対応しました。

 富山県でさらに進んでいるのは、ペットボトル、食品トレー、牛乳パックなどをゴミ収集ではなく、スーパーなどで回収する仕組み。もちろん、ゴミ回収でこれらのゴミを持っていかないというわけではなく、実際に捨てていらっしゃる方もいますが、これを含めた一連のエコシステムこそが富山モデルかも知れません。コロナ禍により、マイバッグへの詰め込みはしてもらえなくなりましたが、マイバスケットを購入。これを普段は自宅に置き、スーパーで回収するリサイクル品を洗ってから放り込んでおきます。これをスーパーに行くときに持参して、回収袋に入れる。この循環は自然です。

 マイバックへの商品詰めはダメで、マイバスケットならOKという理屈がいまいち腑に落ちません。
 確かにマイバッグそのものの衛生面の問題はあります(言われて一度洗いました)。マイバスケットはスーパーのカゴと同等品なので、中が見えやすいという利点はありますが、それだけが分水嶺なのかは不明です。
 今までは店用のカゴにマイバッグを入れて買い物をしていましたが、カゴ2つ持って…とはいかず、止むなくカートの上段に店のカゴ、下段にマイバスケットと、カートを引いて買い物をしています。
 まあ、マイバスケット自体は300円程度ですし、耐久性はマイバッグより強いでしょうから、目くじら立てるほどのことではないですが。

 今は自動車通勤の毎日。通勤カバンに1個(これは職場の作業着を月曜日に持参し、金曜日に持ち帰ることが主目的。パッカブル品です。)、車に1~2個入れておけば、まず問題はありません。

 ただ、盲点が今後出てくるでしょう。

 第1の盲点は、せっかく車に置いてあるのに、マイバッグを持って店に入らないこと。スーパーは自然にマイバスケットを取り出す(というか、そのために家からマイバスケットを持ってきます。)のですが、コンビニの場合、忘れることがしばしばありそうです。7月1日から都合4回コンビニに行きましたが、今のところ3勝1敗。あっ、と思ったときにはレジでお勘定が終わりつつあり、そこで「マイバッグ取ってきます」とも言えず、さりとて抱えて持って行けるのかどうかも分からず、「レジ袋…お願いします」という言葉が出てしまいます。この敗北感ったらないです。

 第2の盲点は、レジ袋有料化は、何もスーパーやコンビニだけではないこと。先月行った調剤薬局では、「来月から袋有料化です」と案内が出ていました。書店もそうでした(マイバッグを持たずに店に入りましたが、途中で気づきました。ただ、お目当ての本がなかったことを幸いに、そのまま店を出て事なきを得ました。)。まだ行っていませんが、ありとあらゆるところでトラップがありそうです。百貨店、衣料品店等など。東京時代は、自宅最寄り駅付近の弁当屋に寄ることが多かったのですが、どうなっているのでしょうか。

 この話題を出したとき、首都圏在住者が、「マイバッグを(奥様に)持たされているけど、通勤カバンがあるじゃないか」と仰いましたが、おそらく、コンビニに寄る、スーパーに寄るということを想定されていないと思われます。コンビニに寄っても、缶ビールとおつまみ程度しか買わないだろうと。「奥様に豆腐買ってきてって言われるんじゃないですか?」と水を向けてみたら、何かに気づかれたようです。

 実際、レジ袋有料化を進めたって、プラスチック消費の5%にも満たないものだそうです。意識改革にはつながりますが、実際の環境負荷には大きな差はないですし、結局、きちんと始末しないから、海洋に流出して、海の生物が食べてしまうのです。私自身、東京からの転居時に、たくさんのレジ袋をわざわざ持ってきました。45Lのゴミ袋、新聞・雑誌用の袋もたんまりあります。おそらく、レジ袋がなくなるまでには、相当の時間がかかると思われます。きちんとゴミとして出せば済むように思います。

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