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患者の主訴を解決することは、治療することではないというお話

久々の連休です。
気分転換に家族で一泊旅行にきています。

こんにちは、けーしーです。
さて、前回の最後にお話した、患者の主訴を解決するとはどういう事か、というお話です。

ただ、タイトルがすでに結論なんですが

患者は、治療して欲しいと思っている訳ではありません。

それは患者自身も気付いてないんです。

痛い→虫歯がきっとある→治療して欲しい

勝手にそう思っているんです。

実際多くの患者は、痛みが無くなると、

「治った」

と言います。

そんなことあるはずがないでしょ。

それでも患者は治ったと思っている。

結局僕らと患者の間には、

[治った]

という言葉の意味に大きな差がある。

そのことを僕らは常に念頭に置いておかないといけません。

その認識を忘れると、患者は、

「いつまで治療が続くんだ?」

という不信感を持つ。

前回、大学病院に来る患者の傾向のお話をしました。

大学病院に来る患者の多くは、僕らと同じ意味で、

治療して欲しい、治して欲しい

と思っています。

だから、患者には一口腔単位としてベストの治療計画を伝えるべきと考えています。

ただ、

大学病院では誰もが一口腔単位で治療しようと考える先生はいない

ペリオの先生が、まともに補綴の事を考えている所を見たことないですし、矯正の先生が咬合を考えている所もない。

僕らが歯科医になって、免許をフル活用しようとする段階で、自分はGPになるのか、専門医になるのかは、早めに考えた方がよい。

以前書きましたが、大学院に口外で決まってる研修医が、行く先の口外では抜歯しかしないと嘆いている事がありました。

何しに行くのか本当意味わからん。

その言葉を人に言う事の恥ずかしさとかないのかな。



さて、話はそれましたが。

患者の主訴を解決すると言う事は結局どう言うことか。

それは、極論としては

薬を飲ませておけばよい

もちろん自発痛があれば抜髄するし、P急発ならスケーリングやプラークコントロール、TBIしたりするし、各々の症状を消すための処置は当然しますよ。

でも

結局患者は薬が欲しい

これが真実だと思う。

もちろんこれに当てはまらないこともあるし、ケースバイケースなのは当然ですが。

患者目線では、上記のように、症状をなんとかして欲しいのだから、症状を消すためには薬が効果的ですよ。

内科の先生を見てごらん

アホほど薬出すから。

それでみんな納得するんだから。

ただ繰り返しになりますが、

患者目線ではそうなるというだけですよ

僕らから言えば、主訴を解決するという事は

患者を冷静な判断が出来るような状態に持っていくこと

だと思っています。

ぼくはそれを、緊急処置と呼んでいます。

それでは次回は、患者が冷静な判断を持つとどうなるか、お話できたらと思います。

今後は、それぞれの症例に対して、どのような治療計画を立てたのか、というのもお見せできたらと思います。

さて、今回のお話ですが、実際の症例に即して整理させていただこうと思います。

患者資料を使用しますので、有料記事とさせていただきます。

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臨床経験5年の歯科医師です。研修医や若手歯科医師に向けて、何か伝えられることは無いかと日々自分を省みながら発信していきます。