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同情するなら金をくれ


ぼくの借金人生の始まりは2022年1月だった。
当時のぼくは実家暮らし学生でバイト代と毎月約10万振り込まれる奨学金を武器に豪遊する日々を送っていた。何に使っていたかというと酒とタバコがほとんどだったと思う。月末にはいつも金欠で仲良い女の子に借りたり、バイト代を前借りしたりしてなんとかやり繰りしていた。貯金なんてしてるやつのことは蔑んだ目で見ていた。

そんな自転車操業にも限界が来て、女の子からの借金も10万、20万って増えていく。それでも足りず遂にアコムデビューを果たした。ここから地獄が始まる。

アコムの金利は若者の人生を簡単に壊してしまう。そのタイミングで一人暮らしを始めたので食に困り体重が10キロ近く落ちた。もともと貧弱な体型なのに。3日連続でなにも食べないなんてことは余裕であった。必殺技の女の子に奢ってもらうやつも当時付き合っている女の子がいたのでできなかった。空腹が限界でつらいときはテキーラと睡眠薬のコンボで無理矢理意識を失わせたり尖った生き方をしていた。

転機が訪れたのは2022年11月。
付き合っていた女と喧嘩して振られた。落ち込んで引きこもる期間を過ぎてからのぼくはユグドラシルの社美緒にも負けないスピードで稼いでいった。昼職ではありえない額の稼ぎ方をぼくは昔から知っている。

そして2023年1月11日
約1年前、自己破産を検討するレベルだった借金を遂に完済した。あの日の空の色は忘れたくない。

借金が無くなって幸せ!ではなかった。貯金額と幸福度は反比例するのだ。特にぼくは借金あるぐらいが似合っていてかっこいいのだ。
なにをしていても楽しくない、物足りない、満たされない、張り合いがない。ストロングゼロを夜の公園でひとり飲みながら月を見ていたら泣いてしまうおもんないドラマみたいな経験もした。えろい稼ぎ方も辞めた。生きるための援助交際はかっこいい。ただ、贅沢をするための援助交際をするようになったらもう最終回だ。

長い間悩んだがぼくみたいな男が大人になる過程においてこのセンチメンタルは不可避なのかもしれない。もっと大人になろう、ただずっと少しだけ尖っていようと最近は思えるようになってきた。
約10ヶ月間ほんとにぼく暗かったと思う。それでも関わってくれた人に感謝の気持ちが無きにしも非ず。これからのぼくの活躍を見ていてください。 ちんちん




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