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Taylor Swift - Midnights(2022)


Taylor Swift - Midnights(2022)

歴史的快挙!みたいな話をよく目にするし、確かに一時期Spotifyのトップチャートをこのアルバムで独占する状況になっていた。詳しくは下記。

普段、新しい音楽を追いかける習慣が全くないが、ちょっと研究的な意味も込めて今週は最新のグローバルヒットを順に聴いてみようと思いたち、鑑賞。

Taylor Swiftの思い出はREDだ。高校生の時、アメリカに留学していた頃、ネバエバエバみたいな曲が超流行していて、ぼくもそれなりに好きだった。あれから10年、今のテイラーは超変わった。

明るいフリして暗い。アメリカの流行のサウンドだなぁ。という感想。
と書くと、あまり変わっていないような気もするが、アメリカの流行のサウンドはこの10年で超変わったので、テイラーのサウンドも並走するように変わった。(前作とかを聴いてないから知らんけど)

今日のアメリカの流行のサウンドとはこんな感じだと捉えている👇
・シンセなどで1拍目にコードをジャーンと弾いてそのまま全音符で伸ばす
・ベースもルートを同様に伸ばすことが多い
・コードはだいたい4つの循環コード(三和音がち)の繰り返し
・といった骨組みの上にコーラスやシンセが徐々に立体的に重なっていく

不勉強なぼくが抱えている今のアメリカ音楽に対するイメージはざっくり上記。普段、好き好んで聴いている音楽には「コードやリズムの意外性」という要素があるが、最近のアメリカ音楽はその逆をいっていることが多い。つまり、コードやリズムはなるべく複雑にせず(ある種ミニマムにし)、その上のアレンジや音響効果でおもしろを作っていく、みたいな姿勢だと捉えている。特に音響効果が担っている割合は昔に比べると格段に増えていると感じている。もしかしたら作詞/作曲家よりも、アレンジャー/エンジニアの方が、リスナーにとって重要な部分を担っているのではないか、とさえ思う。「リバーブの音色作りなどによる空間演出」「そもそもの音素材のチョイス」らへんがそれにあたる。「ハーモニー」や「グルーヴ」が時間を軸に鑑賞することで初めて感じられる「音楽的」な要素であるのに対し、「リバーブ」「音色」などは時間を軸としなくても、つまり音楽として鑑賞しなくても「この音、なんか気持ちいい、聴いていたい」といったふうに、「音楽的」というよりも「質感的」というべき(だろうか)要素といえるのではないか。すなわち音楽リテラシーの高低に限らず、万人がその音像に気持ちよさを感じられるという点で、後者に重点が置かれている方が吉なのだろう。(言い過ぎなケースも当然ある。)

タラタラと長く説明したのは、要は、そういった質感的な曲作りもいいけど、ぼくは前時代的?なコードやリズムに凝った音楽が好きなので、本作にはあまりハマれなかった。

などということに、昨日の鑑賞中に気が付いた。最初は「ああ、苦手なタイプ」だと思ったが、その次には「聴き方を変えよう」と耳の感覚をスイッチさせた。コードやリズム的な要素に注目しても驚きは得られないので、ある種そこは不変で盤石なものと捉えて無視し(潜在的イメージに抑えて)、音の広がりや、ひとつ一つの音色、メロディそのもの、コーラスの重なり方、あたりを顕在的イメージとして捉えて聴こうとした。結果、それなりに楽しめはしたが、それでも不足している何かを強く感じた。これだけヒットしていて、アメリカのヤングが夢中になっているのは何故だ・・・。少し調べてわかったのは、圧倒的に歌詞が重要なのだ、このアルバムは。

本人が語るように本作はコンセプトアルバム。(確かに全体を通して受け取るイメージは一貫している) ざっくりいうと、Taylorの私生活において問題となっていることを成仏させていく的なことだと踏んでいる。彼女の事情に疎いかつ、すべての歌詞を正確に読んでいる訳ではないので、あくまでざっくりイメージ。ざっくりだが、要はこういった「物語」が目玉のアルバムであることは間違いがなく、レビューなどを探してもこのことに触れているものが主で、音楽的にどうだとかいっている人はそれに比べると少ない。

ちなみに最終的に抱いた感想は、もしかしたら「スルメ」かもしれないということ。ちょっと引き続き聴いてみて、感想が変わるか試したい。

一番の人気曲👇 アルバム中、最もメロディがキャッチーだと思う。
MVを観ればかなり歌詞やメッセージがわかりやすいが、Taylorの悩みはぼくのような常人には共感できないレベルまでいってしまっている。そういう意味では凄みを感じる。あと、途中の寸劇で普通に笑った。


この曲もMVがある。これも中では耳が惹かれた曲。こちらもあくまで「私」が中心にある。

まだ決めかねているが特にお気に入りと思った曲は👇、理由は中でもとりわけ攻撃的で多少はリズミカルだから。笑 ちょっとビリー・アイリッシュっぽい?

アンチヒーローとかビジランテとかの言葉選びが、以前の彼女とは全く違う精神状態なんだろうなと伺える・・・。

こちらの曲も良いと思ったかもしれない。

とにかく、自分の耳の古さを感じたので、その他のグローバルヒットを聴くことで新しい門が開かれることに期待。


noteにお気に入りと記した曲でプレイリストを作った。10曲ずつにしようと思う。


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