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ネットワークビジネスにハマって一家離散した話⑯ ~現実は小説より奇なり~

この物語はフィクションだったと願いたい作者の記憶をここに綴る2015年の物語である。

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~進展~

あえてこちらからは連絡をしない。
新年早々悩みを増やす必要もないし、口を出してももうひっくり返らない事というのは世の中にいくらでもある。
今回の事もそうだ。
もうここまで動きがあった以上私に出来ることというのは無い。
いや、出来ることは金銭的援助ぐらいだろうが失敗するのが目に見えている事になぜ費用を出す必要があるのかと考えてしまう。

初対面があったであろう日からおよそ3日が経ったであろう頃に私のスマホが鳴り始める。
むしろ遅かったくらいだなと感心しながら電話に出る。
もちろん相手は父親だ。
費用の無心があれば弟からかかってくるかと思ったが、徹底的に理詰めしたこともあってかそれ以来連絡は一切来ない…。
それはそうだろうが、そこで引いてどうにかなるものでもないだろうに…。
食い下がれば下がったで、そんな暇があれば働けとまた逆鱗に触れる事がもうわかっているのであろうが…。

~男の品格~

3日も経ったというのにまだ頭の中が整理できていないのには訳があったらしい。
父親曰くではあるものの…。
初対面で3泊しているという同棲相手…。
その間必死に頭を巡らせていた父親はそれでも理解できずに、同棲相手が出かけたのを見送りすぐに連絡を取ってきたという…。

3日間もあったというのによそよそしく向かい入れた実家の人間たちは大した話もせずに3日という日付を浪費したらしい。

要約すると二人は仙台で同棲をする。
費用は同棲相手が全て持つとの事。

なんという事だ…。
弟と同棲相手がそろっているのに二人がそれしか情報を伝えないという事は
目先の費用以外すべて弟が話していないという事の証明にしかならない…。
それにすら気付かないのか…。

恐らく借金がある事、その額…。
自身の名義ではアパートを借りれない事、全て同棲相手が知らない可能性が高まっている…。
そんな中で実家に呼び寄せ同棲の話をする…。

殆ど詐欺だな…。

若い女を騙したどうしようもない詐欺師まがいの完成である…。

だが、その場にいない私が首を突っ込むのも筋違い…。
そして首を突っ込みたくはない…。
もう巻き込まれたくない話だ…。
一瞬なのか長い時間なのかわからないがフルスピードで対応策をひねり出すしかない…。
思いついたがあまりにも損な役回りを親に押し付ける妙案が浮かぶ…。

うろたえる父親に対し父親らしくけじめをつけてもらうしかないだろう…。

~父の品格~

父曰く同棲相手は今日の夕方帰省するとの事。
もう時間は無い。
まして3日間も過ごしてからこの話をさせるのはあまりにも非常識だが、もう過ごした時間は取り戻せない…。
覚悟を決めてもらうしかないだろう…。

私の提案は一つ。
同棲相手へ現在の借金、弟名義ではアパートなぞ借りれないこと、全てを了承しているのかを確認。
既に知っているのであれば同棲相手の親御さんに連絡を取ってもらい、親御さんへも父親から伝え、了承を取り付ける事。

たったこれだけだ。

父親にはなるべくわかりやすく簡潔に説明したが、これを実行するとなれば相当な精神力が必要になるだろう…。

何故なら弟が隠し、うやむやにしているであろうことを暴露するわけだ。
弟が誤魔化すのをかわしながらしっかりと同棲相手に今の現状を伝える事が必要になる…。
しかも、高確率で初耳の話であろうこの事実を…。
そのうえで、それでも同棲したいというのであれば親御さんの許可だけでなく連帯保証のお願いまでしなければならない。
普通の親がこれを飲むわけもなく、こんな許されるはずもない提案をしなければならない父親の心境にはなれない…。
私ならこの提案を出来ないからだ…。

同棲相手に費用も負担させ、二人暮らしをしながら弟の作った借金を二人で返していく事をお許しください?
そんなことを了承する親はもはや世界中を探してどこにいるのであろうか…。

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