- 運営しているクリエイター
記事一覧
ヒョットコ星人との共存
ヒョットコ星人と我々地球人が共に暮らし始めてから、15年が過ぎた。
無数の宇宙船が突如として上空を覆ったあの時、
我々は皆「滅亡」を覚悟したものだった。
ひと目見れば、彼の星の科学力が地球文明の遥か上を行っていることが、
誰にでも分かったからだ。
一際大きな円形の船から降り立った先方の代表者はしかし、
至極丁寧な言葉を用い、申し訳なさそうな表情でこう言った。
「巨大な隕石によって母星が住めない
第二回 抱きしめられ過ぎ労災認定会議
議長:
えー、ではこれより
第二回「抱きしめられ過ぎ労災認定会議」を開催します。
??:
議長!議長!
議長:
なんですか『夢』さん。
夢:
前回、満場一致で私が「抱きしめられ過ぎ」として
労災認定されたじゃないですか。
なぜ第二回を開催するんですか!
議長:
時代も変わってきています。
最近、さらに抱きしめられがちな方が
出てきているという意見があり、
支給対象者の
Snow falls on...
一.
「父さんがお前ぐらいの頃、一度だけ見たよ。
周りの音が消えて、皆が落ちてくるそれを見つめてた。
あまりのことに、少し遅れて歓声が上がったもんだ。」
12月に入ると父さんは決まってこの話をする。もう何十回も聞いているけど、僕はその度、まるで初めて聞くかのように目を輝かせた。
部屋に戻ると、両親からもらった小さなノートパソコンを開いて、いつものサイトを見る。
政府の公
百物語『いちばんこわいもの』 #note百物語2017
――え、ああ、私の番ですか。
いやもう、皆さんのお話が怖くてね。耳を塞いじゃってました。
何しに来たんだっていうね、ほんと。
すいませんね、なんか。見た感じ若い人たちが多くて。
私らみたいないい歳のおじさんはあまり多くないみたいだ。
これ、どういうアレで召集されてるんだろう。なあ田中?
ああ、ごめんなさい。怖い話でしたね。怖い話。
うー
それぞれの悩み(修正ver.)
今から五百年後。かつての地球における『国境』が意味を成さなくなったこの時代にも、銀河を舞台に戦争は続いた。それは人類が考えることをやめない限り、無くならないもののように思えた。
「提督、少し休まれませんと…。」
眉間を寄せ、艦首からはるか遠くの星々を眺める男に、部下が心配そうに声をかけた。すべての部下にとって、彼は心から尊敬する上司である。宇宙戦争430年の歴史の中でも、彼の軍人としての戦