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TOEIC Speaking & Writing を受けてみた

前回、ICF 認定言語コーチについて紹介する中で、言語系の資格取得に触れました。「心配だから」「経験があった方が相談に乗りやすいから」などの理由で試験や講座を受けていたら、資格マニアみたいなことに…というお話です。

その続きというわけではないのですが、たまたま今月はじめて TOEIC  Speaking & Writing という試験を受けました。ついでに書いておこうと思います。 

今回この試験を受けた動機は2つありました。①2020年から大学入試にスピーキング試験が導入されることに関連して、スピーキング評価の実態を知りたかったのと、②日本人向けの発音やスピーキング指導を受ける人たちに興味をもったこと。スピーキングの試験は調べればたくさんありそうですが、ひとまず有名どころの TOEIC にしてみました。

公式サイトによると、TOEIC S&W は2006年に公開テストがはじまり、右肩上がりに受験者数が伸びています。とはいえ、Listening & Reading の受験者数と比べると60分の1以下ですから、まだ一般的な試験とは言えない感じです。試験の時間は計80分、スコアはそれぞれ200点満点で、発音とイントネーションの査定が出ます。申し込みはオンラインで簡単にでき、最短で2週間後に受けられます。受験票はなく、受付も L&R よりシンプル。人数が少ないのと、コンピュータ受験だからでしょう。

本当はしっかり準備してから受けるつもりだったのですが、結局当日まで何もできず。「はじめてだし、ま、ベンチマークってことで」と切り替えて臨みました。よいこはマネしないでね。

試験後の感想は、「ぐったり疲れた」と「ぶっつけ本番ではダメ」。周りの人の声に気を取られたり、時間制限を忘れていたり、のんびりしすぎたり慌てたり…。とにかくボロボロでした。やっぱり試験対策は大事です。

結果は
Speaking 170 Level 7(満点は200 Level 8)
 Pronunciation Level : HIGH(HIGH, MEDIUM, LOWの3段階)
 Intonation and Stress Level : HIGH(上と同じ)
Writing 180 Level 8(満点は200 Level 9)

うーん、微妙。

受けてみて思ったのは、スピーキング能力の測定には研究・開発の余地が多分にあるなということ。TOEIC S&W に限っていうと、たとえば時間配分に気をつけて原稿をつくり、それを暗記するようにパターン練習を積めば満点がとれそう。でも、それって“スピーキング”なのかなと疑問が残ります。また、いわゆる模範解答は受験者の本当の答え、事実でなくて構わないというスタンスが気になりました。点数のために英語で嘘をついたり、いいかげんなことを言う癖をつけてしまうのでは、と懸念します。優等生を演じ、セリフを上手に言える能力を測っているようなところがあると感じます。

たった一度の受験、しかも全力を出し切っていない状態で判断するのは気が引けるので、私自身はまた受けるかもしれません。英語を教える立場の人は勉強のために受けてみる価値があると思います。が、少なくとも今のところ、私が KEC の受講生に TOEIC S&W の受験を勧めることはなさそうです。


Photo by Petr Macháček on Unsplash

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