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他との違いを考える 4.あなたの「学びたい!」を全力で応援

KECを他とdifferentにするもの」の4つめです。学習者の「学びたい!」はすべての原動力。何をするにもなくてはならないものですが、ここでは特にインディペンデント・スタディについて説明します。

KECのプログラムには、受講生が自らデザインし、実行する「インディペンデント・スタディ」が含まれています。プログラムの後半に、卒業制作のような位置づけで組み込まれたプロジェクト。といっても、思い出づくりが目的ではありません。

インディペンデント・スタディの目的

もっとも重要な目的は、卒業後、自分で自分の英語学習をリードしていくために必要なスキルを身につけることです。辞書を引く、ネットで調べる、資料を読む、情報の正確性やソースの信頼性を確認する、文章を書く、添削する、パフォーマンスを評価する、整理するなど、プログラム前半で学んだことをもとに、自立した学習者として一人前になる練習をします。

もう1つの目的は、英語で学ぶことを通じて、英語を学ぶこと。「英語で or 英語を」ではなく、「英語で and 英語を」。学習の手段として英語を使うことは大切ですが、なんといっても受講生のゴールは英語の上達ですから、英語そのものも学んでもらわなくてはいけません。

受講生自身が「やる」と決めるプロジェクト

当然ですが、プロジェクトの内容は受講生自身が決めます。申し込みの時点で決めている受講生もいますし、プログラム前半の課題をこなしていくうちに、やりたいことを見つける受講生もいます。

「英語でプレゼンテーションする」「礼儀正しいメールを書く」「もっと有意義な会話をする」「日本の文化を伝える」など、プログラム開始時に掲げたゴールをさらに掘り下げ、本人が「やりたい」と本気で思うことなら、なんでもかまいません。

プロジェクトが決まったら、課題ごとに区切ってそれぞれに期日を決め、計画書をつくります。計画書に対するコーチの承認が得られたら、さっそく着手します。課題ごとに振り返りを記録し、期日までに提出します。


コーチが全力で応援

「インディペンデント」とはいえ、これはプログラムの一環ですから、もちろんコーチの手を借ります。「自分で決めた期日を守る」などスケジュール管理、資料の選別や補強といったリテラシー、文法や語彙などの言語知識、会話の運び方やジェスチャーを含むコミュニケーション・スキル、そしてプロジェクトを遂行するための感情面など、コーチが必要に応じてサポートします。


ようするに、いまどきの教育の、大人版

ここまで読んで、Active learning や PBL を連想される方もいるでしょう。「scaffolding」「ZPD」「learner autonomy」などのキーワードが浮かぶこともあるでしょう。ようするに、そのあたりのことです。

これらの概念は、近年、日本の中学や高校での教育に採用されつつあるようですが、まだ一般によく知られているとは言えません。まして、KECの受講生のほとんどは、ひと昔以上前の教育を受けた大人の方たち。「今までにやってきた英語学習とぜんぜん違う」と言われます。インディペンデント・スタディの説明を読んで、すぐにピンと来る人はとても少ないです。「難しい」とも言われます。

やってみたらわかるし、やり方自体は難しくない。たとえ難しくても、がんばれる。でも、それはやってみないとわからない。

もう少ししたら、時代が追いつくと思います。でもそれまでは、なるべく丁寧に説明を繰り返すしかないのかなぁ。そのために、ウェブサイトを新しくしたり、こうしてnoteを書いたりしているわけです。


Photo by Kevin Jarrett on Unsplash

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