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他との違いを考える 5.いつでも、世界のどこでも受講可能

KECを他とdifferentにするもの」の5つめ。オンラインで提供され、曜日や時間帯を気にせずコーチング・セッションが受けられる、ということです。

これ、こうしようと思ったわけではなく、こうするより他になかったんです。なにしろ、KEC創業の時点で私はすでにニューヨーク在住。受講生はほとんどが日本在住。セッションのたび、リアルに会いに行く・来ることができないからオンライン。時差が13~14時間あるから、時間帯の制限をはずす。結果として、必然的に「いつでも・どこでも」になりました。


「どこでも」にしてみたら

創業当時、すでに日本人向けのオンライン英会話サービスは話題になっていました。また、私自身は大学院でオンラインの授業をいくつも体験済み。世界中の人々がつながることにすっかり慣れていました。

だから、スタート前から「いろんな場所に住む日本人とつながるんだろうな」ということは予想できていました。でも、やってみると思いもよらない発見がありました。

たとえば、日本国内では、都市部より地方に英語学習の場を求めている人が多いこと。都市部では外国人と会うことや、英語を使う機会が多い。英語を学ぶ人がたくさんいて、英会話教室も山ほどある。業界内での競争もあるし、コースの細分化も進んでいる。私自身が見ていた“日本の英語学習事情”もそんな感じでしたが、それが都市部に限られていたということを知りました。

特に、都市部から地方へ移り住んだ人たちの「英語を学ぶ場所がない」という声は切実でした。街で英語が聞こえてくることはないし、外国人に会うのは英会話教室の中だけ。その英会話教室では、いちばん上のクラスで、“ペラペラな人”ということになっている。でも、本人は物足りなさと、自分の英語が衰えていく怖さを感じている。彼らにとって、オンライン学習は物理的に今いる場所を飛び出すと同時に、現実に目を向けるためのツールなんだなと思いました。

日本国外では、英語圏でも、環境によって困り方が真逆であることを知りました。英語しか通じない、英語を話さないとどうにもならない環境で、「もうちょっとなんとかしたい」と思う人もいれば、周りに日本人が多く、日本語で生活できてしまうだけに、「せっかく英語圏に住んでいるのに、これじゃあダメだ」と思う人も。彼らにとっては、自宅など遠慮なく日本語が使える場所で英語を学べることが、安心につながっているようです。


「いつでも」にしてみたら

時間帯についても発見がありました。「24時間オープンって、便利」ぐらいのことは予想できていましたが、「いつでもできる」ということが、学習意欲とこんなに深く関連するとは。出社前の早朝、子どもがいない昼間、仕事が終わった夜。いつも同じ時間に学ぶ、毎回違う時間に学ぶ、など。忙しい受講生たちが、学習時間を捻出してがんばる姿に頭が下がります。

ただし、「いつでも」には危ないところがあります。休むことが下手になるからです。英語学習と長くつきあっていくために、適度に手を抜くことは不可欠。大人の学習には、家族や仕事の事情も絡みます。一度も休まず続けることはできないと思っておいた方がいいのです。

「いつでも」な学習環境では、まじめで自分に厳しい人ほど、「いつでもできるのに休むなんて、ありえない」と考えやすくなります。さらに、オンラインは量的に「いくらでも」でもあるので、膨大な情報量と学習時間によって学習者が追い詰められることがないよう、注意が必要です。


「学びたいときが、学びどき」

このコピーは、数年前にできました。なんでもそうですが、タイミングってものすごく大事。受講生のやる気は、こちらが「ちょっと待ってて」と言っているうちに消えてしまうことだってあります。「気合と根性でやる気を持続する」という考え方もあるのかもしれませんが、私の知る限り、私を含め、そんなことができる人はめったにいません。

コーチとしては、正直「この時間のセッションかぁ…」と気が重くなる日もないわけではありません。が、やる気になっている受講生の顔を見れば、そんな気の重さは吹き飛びます。そっちがやる気なら、こっちもやる気になるというものです。


Photo by Domenico Loia on Unsplash

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