見出し画像

"Unleash your potential with world-class language coaching"のこと

新しくなったKECのウェブサイト、まっさきに目に入るテキストは、コピーライターのアメリカ人の友人と相談しながら考えました。日本語では「キャッチコピー」と呼ばれますが、このテキストは KEC の "slogan" です。

"unleash" は「~を解き放つ、引き出す」という意味です。出だしの 'un-' はこの場合、後ろの動詞と逆の動作を表します。ワードやエクセルなどにある左向き矢印は "undo (typing etc.)" ですが、あれは「doと逆の動作をする」ということから、ひとつ前の状態に戻す操作を指しています。

"unleash" のベースである "leash" は、動物などをつなぐ綱や鎖のこと。日本語ではイギリス英語の影響で「リード」と呼ばれます。アメリカの公園などでは "Dogs must be on a leash" や、"Dogs must be leashed" のような標識を見かけます。1つめでは「リード」という名詞、2つめでは「リードを付ける」という動詞で使われています。この"leash" に 'un-' をつけて、「リードをはずす」から、「解き放つ」という意味になっているというわけです。

「~を」に当たるのが "your potential"。日本語でも「ポテンシャル」と言いますが、可能性や潜在能力のことです。ここまでで、「あなたの可能性を引き出してください」という呼びかけになっています。上達する力はどの学習者の中にも必ずありますから、それを閉じ込めないで、解放してほしいというメッセージです。

制作段階ではほかに、 "reach(~に到達する)" "discover(~を発掘する)" "maximize(~を最大限に高める)" "spark(~に火をつける)" "boost(~を引き上げる)" などが候補にありました。どれもポジティブでよいのですが、あまりドラマチックにせず、ふと自分の可能性に気づき、その後も自由に広がっていくイメージに近いものということで、 "unleash" を選びました。

"with" は「~と一緒に」というのが基本的な意味です。”world-class” 以降を前にもってきて、 “to unleash...” とする案もありましたが、コーチが受講生と一緒に学ぶ姿勢、さらに受講生が主役であることを表したくて "with" を使いました。

"world-class" はハイフンでつながれていますが、これで一語です。'-class' は "first-class(最高級の)" などから階級のイメージが強いかもしれませんが、ここでは「世界に通用する」「国際的なレベルの」という意味です。せっかく英語を学ぶなら、日本にとどまらず世界に目を向けてほしいという想いをこめています。

そして最後は "language coaching"。「言語コーチング」について詳しくは、こちらのページに書きました。

トップ画像には、あえて日本語訳を載せないことにしました。もし読めない・わからない語があったら、ぜひ検索して、「ははぁ、そういうことか」という体験をしてほしいと思ったからです。正直、日本人向けのウェブサイトなのに日本語がないってどうなんだろう?と迷いましたし、実際のところ賛否両論。でも、アルファベットの飾りにはしたくなかったのです。サイト内には、これ以外にも英語から直接、意味やメッセージを受け取ってもらうチャンスが散りばめてあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?