トルコ語講座|第24回|可能動詞・不可動詞
– 今日のテーマは可能と不可能です。トルコ語には英語の "can" に当たる助動詞がありません。代わりに可能動詞、不可能動詞という個別の動詞を用います。
買う(kau) → 買える(kaeru)
almak → alabilmek
日本語の動詞は語末の "-u" を "-eru"("-iru", "-eru" の場合は "-areru") に変えることで可能の意味を帯びた新たな動詞の原形が作られます。ちょうどこれと同じ原理でトルコ語の動詞も、語幹に "-abilmek(ebilmek)" をつけることで可能動詞の原形を作ることができます。
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可能動詞
語幹+-(y)abilmek/ebilmek
"-abilmek(ebilmek)" は、動詞 "bilmek(知る)" から派生した語成分です。「知っている=知識がある=できる」という発想から来ています。
トルコ語の可能動詞も、ふつうの動詞と同じように文中ではあらゆる時制を伴って用いられます。ただし、時制とは関係なく「〜できる」という状態を表す場合は主に中立形を用いる傾向があります。
現在形:Ben gidebiliyorum. (今行ける。)
中立形:Sen okuyabilirsin. (いつも読める。)
過去形:O görebildi. (見れた。)
未来形:Biz yüzebileceğiz. (泳げる。)
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不可能動詞は可能の動詞の否定形ではないので注意が必要です。
不可能動詞
語幹+-(y)amamak/ememek
不可能動詞も可能動詞と同じく文中で様々な時制を伴い用いられます。
現在形:Ben alamıyorum. (今買えない。)
中立形:Sen çalışamazsın. (いつも働けない。)
過去形:O anlayamadı. (分からなかった。)
未来形:Biz gelemeyeceğiz. (来られない。)
時制によってama/emeの変化パターンが異なるので、忘れてしまった方はもう一度前に戻って確認しましょう。
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可能動詞、不可能動詞の疑問形は以下のように作ります。
可能動詞の疑問
現在形:語幹+-(y)abiliyor/ebiliyor+mı+人称の付属語
中立形:語幹+-(y)abilir/ebilir+mi+人称の付属語
過去形:語幹+-(y)abildi/ebildi+mi
※ diの部分は人称により変化する.
未来形:語幹+-(y)abilecek/ebilecek+mi+人称の付属語
不可能動詞の疑問
現在形:語幹+-(y)amıyor/emiyor+mı+人称の付属語
中立形:語幹+-(y)amaz/emez+mi+人称の付属語
過去形:語幹+-(y)amadı/emedi+mi
※ dı/diの部分は人称により変化する.
未来形:語幹+-(y)amayacak/emeyecek+mi+人称の付属語
現在形:O benimle gidebiliyor mu? (彼は私と一緒に行けますか?)
中立形:Siz yüzebilir misiniz? (泳げますか?)
過去形:Dün kitabı okuyabildiniz mi? (昨日、その本を読めましたか?)
未来形:Yarın gelebilecek misin? (明日、来られますか?)
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最後に可能動詞が表す意味についての補足です。可能動詞は本来の「〜できる」という意味以外に「〜してもいい」や「〜かもしれない」と許可や推測を表すこともできます。
Girebilir miyim? (入ってもいいですか?)
Bugün biraz erken çıkabilir miyiz? (今日ちょっと早めに出てもいいですか?)
Sınavda bu soru çıkabilir. (試験でこの問題が起こるかもしれない。)
Okullar tatil olabilir. (学校が休みになるかもしれない。)
この意味においての否定「〜しなくてもいい」「〜ないかもしれない」は動詞(否定)の語幹に"-abilmek/ebilmek" を付すことによって表すことができます。
「〜しなくてもいい / 〜しないかもしれない」
語幹(否定:-ma/me)+-yabilmek/yebilmek
Ben yarın gitmeyebilir miyim? (明日、行かなくてもいいですか?)
Bugün o gelmeyebilir. (今日、彼は来ないかもしれない。)
上の例文では、ある動作を自らの意思によってしないことを肯定したり、その可能性があることが表現されています。
しかし、周りの状況や能力の不足等の理由によってできないことを肯定したり、またその可能性に言及したりする場合は、不可能動詞を構成する要素 "-ama/eme" と可能動詞を構成する要素"-abil/ebil" を一緒に使って表します。
「〜できなくてもいい / 〜できないかもしれない」
語幹+-(y)ama/eme+-yabilmek/ebilmek
Bu ödevi akşama kadar bitiremeyebilirim. (この宿題は夜までに終えられないかもしれない。)
Hava yağmurlu. Yarın pikniğe gidemeyebiliriz. (天気が雨なので、明日はピクニックに行けないかもしれません。)
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練習問題1 音声を聞きながら、カッコ内の動詞を訳の意味になるように変化させ、文を完成させなさい。
1 Bu kitabı (vermek). (私はこの本をあげられます。)
2 Bu adamı (tanımak). (君はその人が分かりませんでした。)
3 Bugün sizinle (gölüşmek). (今日あなたと会えます。)
4 Bu süpermarketten meyve (almak). (このスーパーで果物が買うことができます。)
5 – Bu otobüse (binmek). (このバスに乗ることができます。)
– Hayır! Çok kalabalık, (binmek). (いいえ。とても混んでいるので、乗れません。)
6 – Alo! Ali bey ile (konuşmak)? (もしもし。アリさんと話せますか?)
– Şu anda burada yok. (今はここにいません。)
– Bir mesaj (bırakmak) ? (伝言を預けることはできますか?)
– Peki, yazıyorum. (いいですよ。今書きます。)
7 – Yarın görüşmeye (gelmek). (明日の会合に来られません。)
– Tamam, söyleyeceğim. (了解しました。伝えておきます。)
– Teşekkür ederim. (ありがとう。)
– Bir şey değil. Hoşça kalın. (いいえ。では、また。)
答え 1 verebilirim / 2 tanıyamadın / 3 görüşebileceğim / 4 alabilirsiniz / 5 binebiliyorsunuz, binemem / 6 konuşabilir miyim?, bırakabilir miyim? / 7 gelemem
練習問題2 音声を聞きながら質問を書き取り、その後答え(肯定/否定)をトルコ語で書きなさい。
答え (訳は省略)
1 Gelebiliyor musun?
– Evet, gelebiliyorum. / – Hayır, gelemiyorum.
2 Gelebiliyorlar mı?
– Evet, gelebiliyorlar. / – Hayır, gelemiyorlar.
3 Gelebilir misiniz?
– Evet, gelebiliriz. / Hayır, gelemeyiz.
★4 Gelebilir miydim?
– Evet, gelebilirdin. / Hayır, gelemezdin.
★5 Gelebilir miydiniz?
– Evet, gelebilirdik. / Hayır, gelemezdik.
補足(★4,5)
日本語の「行けた」には以下の2つの意味があります。
(1) 過去に遂行された動作
語幹+-abil/ebil+過去の付属語di(+人称の付属語)
(2) 過去の状態
語幹+-abil/ebil+中立形の付属語ir+過去の付属語di(+人称の付属語)
(1') Gidebildi, ama ilginç değildi. (行けたけど、面白くなかった。)
(2') Gidebilirim, ama gitmedim. (行けたけど、行かなかった。)
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