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物を売るとは信頼を売るということ

協力隊になって、4ヶ月目が終わろうとしている。相変わらず、任された仕事をこなす日々を過ごしている。今任されている仕事の一つに、「トマトの販売」がある。かっこよく言うと、「トマトの外販」なんだろうか。

簡単な経緯としては、自分がお世話になっている事業所が近隣の農家さんから弾きのトマト、いわゆる規格外トマトを購入し商品開発を行っている。しかし、その規格外が思いの外量が多い為困っていた。捨てるにも冷凍保存するにもお金がかかってくる。なので、少しでも利益になるようにということで、販売を頼まれたのである。

最初に行った時、とても緊張したのを覚えている。人前で商品を売った経験もなく、商品の説明もまともにできないから、とりあえずお隣さんの真似をしていた。“こんにちはー。いらっしゃいませー。美味しいトマトいかがでしょうかー。”
この3つの言葉を繰り返していた。黙ってても人は来ないし、何か言ってないと落ち着かなかったからだ。

上記の言葉に加えて
1.元々、日高村はトマトが有名なこと
2.規格外なので低価格で販売していたこと
3.四国初出店の店舗だったこと
この3つの要素もあったおかげで、最初の頃は上記の言葉だけでもどんどん売れていった。

次第に販売にも慣れていったある日、たまたま他の移動販売の方と一緒になった。移動販売の方はメロンパンを販売していた。焼きたての甘い香りが最高で、お昼に頂こうと決めていたのでそのタイミングで会話も始めた。
どこ出身なのかとか、いつから移動販売のお仕事をしているのかetc・・・たわい無い会話をしつつ、販売をしていたが結局お昼頃には完売していた。

この頃には、規格外でも美味しいものを選べるようになっていたし、ちゃんと商品が規格外であることも説明できるようになっていた。値段が安いことから大体のお客さんは分かってくれていたが、それでもちゃんと規格外であることや日持ちのことは伝えるようにしていた。

そして2日後の販売で再開した。笑
自分も相手もまさかこんな数日のうちに再開するとは思っていなかったと思う。この日も店舗入口だったが、いかんせん寒いうえに週始めとあって全然お客が来なかった。だから、メロンパンの方と色々と話していたが、その時相手方が

“ちゃんと商品の良くないところも説明していて偉いですね”と。
突然言われたので思わず“そうですか?”と返してしまったが

“偉いですよ。だって、私たちは物を売ると同時に信頼を売ってるわけですから。値段である程度分かってるとは思いますけど、それでもちゃんと説明してもらえるとお客さんも納得できますし。納得した上で買った商品だと、多少のことは大目に見れますから。”

正直、このようなことまで考えて接客をしていた訳ではなかった。ただ、何か聞かれても答えれるようにしておきたいのと、売るからにはちゃんと説明が必要だろうとしか思ってなかったからだ。
でも、言われてみてそうだなぁと思った。実際、自分がモノを買う時どうだろうと考えたら、やはり説明はあった方がいいしそれもいい所だけでなく悪い所も教えてもらった方が納得する。

不意な一言だったが嬉しかった。
自分のしてきたことが褒められたというか、認められた気がしたからだ。

この販売は大人の事情で来月で終わるが、自分の為になったし、販売における“信頼”という築くのは難く崩れるのは易しのものを意味を知ることができたいい機会だった。まぁ、何より接客が楽しかったのが1番かもしれない笑

どんなことも信頼ありきだと思うし、それを忘れないよう今後も気をつけて物事に取り組みたい。

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