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絶対にEDMが作れるカリキュラム Vo.4(コード/コード進行編)[DTM]

さて、キーとスケールの概念がわかったところで、次に覚えておきたいのは楽曲構成です。
当然、曲は一つのパートだけで成立しているわけではなく、トップメロディー、コード、ベースライン、打楽器などで構成されています。
日本国内では歌物の楽曲が多いため、どうしてもボーカルやメロディーにフォーカスされがちですが、そのメロディーを支えるコード、ベースラインが曲の色を決める重要な要素となります。

※いまいち何を言ってるのかわからない方は、カラオケ行った際に、
伴奏 = コード、ベースライン、打楽器
メロディ = 自分が歌う部分
と想像して頂ければわかりやすいと思います。

もし、メロディーを作ることが作曲の全てというのならば、鼻歌で済んでしまう話です。
伴奏があってのメロディーのため、まずは伴奏をどのようにして作られてるのかってことを考慮する必要があります。特にEDMの場合はメロディー以前の前提としてサウンドの重要性が高いです。
そのため、日本国内の言葉で例えるなら編曲の技術が必要になるということです(個人的に作曲/編曲分けるずに、どっちもやるのが作曲と考えていますが、、、)
したがって、今回はメロディーを支えるコードについて解説していきます。

コード

コードとは和音のこと言います。「和音って何?」という話になりますが、複数の異なる音階の音を同時に鳴らした音のことを和音(コード)と言います。
メロディーは異なる音階の音を重ねたりはしませんが、伴奏の主軸であるコードは音を重ねて鳴らします。
もちろんコードも前回説明したスケールに乗っ取って作りますので、7つの音の中からコードを作成していきます。

わかりやすく説明するために、キーはCmajor前提で話を進めます。(Cmajorであれば、使用できる音はC,D,E,F,G,A,B)

7つの音しか使用できないのであれば、当然コードのルートも7種しかありません。
ルートというのは異なる音を重ねる時に基準となる音のことです。1度とも言います。
まずコードというのはスケール内で一個飛ばしして、3つの音を並べれば作れると思ってください。※(一個飛ばししないコードももちろん存在しますが、コードの基本を学ぶためにあえて、一個飛ばしという表現をしています
また、コードの基礎的なことから学ぶため、3つの音から構成されるコード(3和音)を前提とします
)

Cをルートとした場合、次の音はDですが、一個飛ばすため、Eが来ます。そして次の音はFが来ますが一個飛ばすため、Gになります。
つまりCをルートとする3和音は「C,E,G」となります。
ルート(C)を1度
ルートから一個飛ばして(E)3度
3度から一個飛ばし(G)5度
と言います。
そして、この「C,E,G」のコードの名称を「C」もしくは「Cmajor」と言います。

1度、3度、5度という表現をしましたが、とりあえず現実点では「ルートからスケール内の音を一個飛ばしすれば良い」と考えていれば大丈夫です。

ではDをルートとして考えてみましょう。
Dがルート(1度)
Dからスケール内の音を一個飛ばして、F(3度)
Fからスケール内の音を一個飛ばして、A(5度)になります
つまり「D,F,A」となります。
このコードの名称を、「Dminor」と言います。

そして勘の鋭い方は疑問に思ったでしょが、「Majorとminorの違いは何?」と思ったでしょうが、この二つの違いは、ルートと3度の音の間に何個スキップされてるかです。
Cの場合は、CとEの間に、「C#,D,D#」の三つがあります。
それに対し、Dの場合は、DとFの間に「D#,E」の二つがあります。

コード命名では、この1度と3度の間が
三つの場合⇨Major
二つの場合⇨Minor
と命名されます。

一見、キーがCmajorの場合Cminorコードを使えそうと思いますが、存在できません。なぜならCminorコードは、「C,D#,G」で構成されており、D#はキーはCmajorのスケール外だからです。
コードにおけるMajor MinorとキーにおけるMajor Minorで混乱を起こしてしまいがちですが、現実点では「コードにおけるMajor Minorは命名規則」と認識しておきましょう(厳密にはキーとコードにおけるMajor Minorは相関関係がありますが、現段階ではわかりやすく理解するために、両者間におけるMajor Minorは別々のものとして考えましょう)

ではEをルートとしたときはどうなるでしょうか?
ルートE
飛ばしてG
飛ばしてBになります
つまり「E,G,B」の構成になるわけですが、
EとGの間にはFとF#の2個がスキップされているため、このコードの名称は「E minor」となります。

この流れで、CMajorスケール内に存在できるコードは、

「CMajor, Dminor, Eminor, FMajor, GMajor, Aminor, Bminor♭5

になります。
Bminor ♭5は「B,D,F.」になるわけですが、この「♭5」は現段階では無視でいいです。

あとは、キーがズレたら、その分コードの名称もズレるだけです。
Dがキーなら、存在するコードは 

「DMajor, Eminor, F#minor, G Major, AMajor, C#minor♭5

となるだけです。
コード名って難しそうに見えますが、上のキーがCの場合とDの場合のコードを見比べてください。
太字部分の配置が変わっていませんよね?
英語が多くて何が書いてあるのか分かりにくって思いますがロジックはシンプルで、「そもそもスケールという概念で使っていい音が7つと決まっているんだったら、どこからスタートしようが、キーから順に見て行った時に、Majorか minorかは自ずと決まるよね?」って話です。
英語が多すぎて何言ってるかわからない場合は、CDEFGABをドレミファソラシに変換してみるとわかりやすいかもしれません。

コード進行

コード進行を考える際に、いちいち「Cなんたら」「G#なんたら」のようにコード名で進行を追っかけていると頭が混乱します。したがって、まずキーから順に使用できるスケール内の音を1.2.3.4.5.6.7に振り替えましょう。なぜなら先程言った通り、キーが変わっても、スケールスタート時点がズレて、使用できる7つの音が変わるだけだからです。
なので具体例として、以下のように振り替えましょう。
キーがFなら「F=1, G=2, A=3, A#=4, C=5, D =6, E=7」といった具合です。

さて、コードを解説しましたが、楽曲は小節刻みでコードが変化していくことが多いです。このコードの変遷の流れをコード進行と言い、この流れが楽曲の雰囲気を決める最大の要素と言えます。
よくJpopで使用される代表例として、小室進行、カノン進行が上げられます。

小室進行

小室哲哉さんの楽曲のほとんどがこのコード進行のため名付けられたコード進行です。
コード進行は
「6⇨4⇨5⇨1」になります。
(最近の代表例としては
SHAUN - Way Back Home
Tani Yuuki - W/X/Y
Jonus Blue - Mama(6,4,5,6)
が上げられます)
6,4,5,1ということは、Cmajorで考えれば、

「Aminor ⇨ F Major ⇨ G Major ⇨ C Major」

になります。
原曲のキーはA# Major(もしくはB♭)のため、使用する音は
「1=A#, 2=C, 3=D, 4=D#, 5=F, 6=G, 7=A」

これを6451進行に合わせると

「G minor⇨D#Major ⇨ F Major⇨A#Major」

が、小節ごとに繰り返されていきます。
ピアノを確認してみましょう
左手がコード進行
右手がメロディ

になります。

この動画では初心者用のため3和音ではなく、ルートしか弾いてませんが、これがコード進行になります

カノン進行

カノン進行は
「1⇨5⇨6⇨3⇨4⇨1⇨4⇨5」
になります。
(代表例として
SMAP - 世界に一つだけの花
あいみょん - マリーゴールド
などが挙げられます)

カノン進行はJpopで非常に多く使用されていて、歌謡曲に向いている進行だと思います。
ピアノを見てみましょう

次に洋楽やEDMで多用されている進行を上げます

ポップパンク進行

ポップパンク進行は
「6⇨4⇨1⇨5」
になります。

この進行は洋楽を筆頭にポップスからロック、EDMもこの進行を多く使用しています。
(代表例として
Avicii - Wake Me Up
Hardwell - Apollo
The Chainsmokers - Roses
Mike Perry - The Ocean
Griffin - Tie Me Down
Steve Aoki,BTS - Waisted It On Me
One Republic - Apologize
One Republic - If I Lose Myself(Alesso Remix)
Green Day - Holiday
Linkin Park - Numb
One Ok Rock - Re:make
などなど、数えきれないあります)

4,5,6進行

4,5,6進行は
Cmajorで言うなら
「F Major⇨G Major⇨A minor」になります。
(代表例として
Avicii - Addicted To You Avicii By Avicii
The Chainsmokers - Something Just Like This
Martin Garrix,Brooks - Byte
Major Lazor,DJ Snake - Lean On
Justin Bieber - Stay
Interput - Power
澤野弘之 - Call Of Silence
などです)

※4.5.6進行の楽曲はマイナーキーになるため、
Majorキーで言うなら4.5.6ですが、マイナーキーで言うので有れば、6.7.1進行になります。

6,4,1,2進行

ポップパンク進行の最後が5ではなく2に変わる進行です。
代表例(
Axwell & Ingrosso - More Than You Know
Mike Williams,Justin Mylo - Face Up To The Sun
)

6,1,4,5進行

(代表例
Avicii - Levels
Avicii - SOS
Avicii - Freak
)

まだまだ、コード進行は数多くありますが、EDMでよく使われるコード進行を取り上げさせていただきました。
メロディーは無限に存在しますが、スケールという概念がある限り、コード進行のパターンは大体決まっています。
初めて曲作る際は、「自分が一番好きな曲のコード進行を調べて、それをそのまま使って、自分オリジナルのメロディを乗せていく」手法を取るのがオススメです。
※ちなみに、メロディーから曲を作ることをメロ先
コードを決めてからその上にメロディーを乗せることをコード先とかって言ったりします。

次回はEDMサウンドデザインする上で必須な「シンセサイザー」について、話していきたいと思います。
それでは良きDTM生活を!!

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