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2003年 コミュニケーション×Webデザインのマスターピース

2003年、ホームページビルダーの体験版を卒業し、今は無き Adobe GoLiveとLiveMotion, Macromedia FLASHで日々覚えたことを、誰に向けてと言うこともない自分の「ホームページ」のアップデートに充てて満足していた当時、雑誌「Web Creators」で知った1つのサイトに自分の中の「インターネット」が啓かれ、初めて世界と繋がりました。

そう、中村勇吾さん(@yugop)が制作された「ecotonoha」です。

今よりも日本語のWebサイトは個人発信も企業のものも全然少ない中で、拙いながらも公開していた私の小さなホームページでさえ、10年以上も会っていない小学校や中高の同級生からメールをもらったり、直接知らない人と自分のサイトに設置した掲示板(BBS)で盛り上がったりするのは等身大の「インターネット」としてとても新鮮で楽しいものでした。

そんな中で出会った「ecotonoha」は当時の自分にはどう作られているかも全く想像できない未知の体験で、そして「インターネット」が世界に開かれているのをリアルに感じられるものでした。

このプロジェクトは同Webにアクセスした参加者がメッセージ(言葉)を枝葉として書き加えていくことによって仮想の木が伸び、参加回数が100回に達するごとに、当社が実施している植林事業における植樹数を増やしていくというものです。2003年度のプロジェクト期間中には、世界各国から約17万人のアクセスがあり、寄せられたメッセージは6万件にのぼりました。NECではオーストラリア・カンガルー島でCO2削減に貢献することを目的とした植林を実施しており、このプロジェクトの結果、609本の植樹を追加したしました。(エコトノハとは、エコロジーのエコと言の葉(コトノハ、言葉の古語)を組み合わせた造語です)

NECのecotonoha(エコトノハ)がカンヌ国際広告コンクールでグランプリを受賞 


実際に体験した世界の人たちの何でもない挨拶のメッセージが葉となり、葉が増えれば枝が分かれ、木が生長し、そしてリアルな植林へと繋がっていく。
Web上のコミュニケーションの美しい視覚化と、Webとリアルが繋がったメッセージ(体験した個々人とNECと)。このサイトを知った時の感動は13年経った今でも色褪せないでいます。

その後のFLASHの作品群も「デザインあ」も中村勇吾さんの作品はどれも常に新鮮で新しい体験をもたらしてくれるものですが、最初に出会ったecotonohaは特に強烈でした。


WEB暴力。ケンカ相手求む!!
 これは11月に「チク菱」を立ち上げる中村ユウゴ氏が行なったネットバトル企画で、「ちょっと持て余しの気味のニキビっこ諸君にとっておきのお願いがありまーす」とやや挑発的に、ウェブ上で喧嘩相手を募集したのが始まりだった。

自分の知らない日本のインターネットの創世記に、中村勇吾(中村ユウゴ)さんが上記のようなことをされていたのも後で知ってニヤリ😏としたのを覚えています。

Webデザインで「コミュニケーション」をこんなに素敵に表現できる、世界と繋がれる可能性を教えてくれた eocotnoha が自分にとって「#はじめてのインターネット」だったのかも知れません。

中村勇吾さんの作品のようなサイト、サービスを作りたくてこの業界に足を踏み入れてもう十数年。まだまだ2003年のマスターピースの足下にも及びませんが、少しでも近づけるようにとまた日々自分の仕事を頑張りたいと思います。

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