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19新卒デザイナーへの推薦図書5冊を選んだ理由。

今年の2月頃だったか、4月に入社する新卒デザイナー7名に向けて入社前に読んで欲しい参考図書を5冊選んで全員に渡してもらいました。

前提ですが、
・弊社CAMは複数の事業領域と大小様々な多くのサービスを持つ事業会社
・新卒デザイナーは美大生及び一般大学でデザインを専攻
・私:デザイン組織のマネジメントとクリエイティブディレクションなど
こんな感じ。

それぞれ学校でもデザインを学んできているわけですが、そんな彼ら彼女らに推薦図書を選ぶというのは難しくもあり、とても楽しいものでもありました。学生から社会人へ、プロフェッショナルへ。Web/アプリを中心としたデジタルのデザイナーへ。その準備のために参考になればと言う5冊です。

今その彼らは1ヶ月半の厳しいデザイナー研修において、これまでの学生時代との勝手の違い、思ったようにアウトプットができないもどかしさ、初めて使うツール、圧倒的な完成度不足という現実に向き合い、自信をなくしかけながらもどうにか一矢報いようと頑張っています。そんな彼らへのメッセージとして、今さらですがこの記事を書いてみようと note デビューしてみました。


いきなり最初からですが、まだあなたたちは「デザイナー」ではないのです。デザイナーの定義はわかりませんが少なくとも「プロのデザイナー」ではありません。これからデザインの力で事業をサービスを成長させ、その対価として給与をもらって初めて「デザイナー」を名乗れるのだと思います。
これまで一人の力と責任で完成させられてきた学校課題での「作品」とは違い、これから作って、育てていくサービスはディレクターやエンジニア、そしてもちろんその先のユーザーがいて成り立っています。

この手の推薦図書の大定番の「ノンデザイナーズ・デザインブック」はデザイナー以外の職種の人たちが実践的なデザインについて体系的に学ぶのにとてもよくまとめられた本ですが、まず「デザイナー」になるあなたたちにしっかり読んで欲しいと思います。学校でも学んできたところと重なったりもすると思いますが、これから自分たちが作っていくデザインを客観的に見ていくためにも、ここにまとめられている「基本原則」は感覚として理解して欲しいものです。

デザインに興味があって、デザイナーともっとよい仕事をしたいと思っているディレクターやエンジニアも読んでいますので共通言語、共通の前提としてきっと役に立ってくれるはずです。


UIについて向き合っていくことは、何の事業に関わるかによらず、これからは避けては通れない道です。プラットフォーム、OSのガイドラインやチーム、サービスのガイドライン、流行... UIの一つ一つについて深く考え理解を深めていく前に、良いUI、良いインターフェイスとされるもの、必要とされるインターフェイスがそもそもどういう所を目指しているのか、その勘所を掴めるとUIへの理解がとても進みます。流行や技術的な進歩によって、議論される、取り入れられるUIは常に移り変わっていきますが、インターフェイスがそもそも目指して行くもの、そのコアの所は実はそんなに変わりはなかったりします。そこをうまく掴んでもらいたいです。


ちょっと変わりますが、こちらは昨年出た新しい本ですね。より実践的な内容です。これは私の経験からですが、新卒、2年目など若いデザイナーは仕事や新しいツール、その事業に慣れてくれば来るほど、ある種の「空白恐怖症」というような情報とレイアウトの詰め込み過ぎ問題に陥りやすいように感じています。プロセスとして足し算の過程、引き算の過程があって、引き算というのは経験がまだ多くないと特に難しいと思っていますが、この本で「けっきょく、よはく」だよね、と示してくれるのはありがたく思っています。セレクトした5冊の中では一番とっつきやすいんじゃないかと思います。


この「デザインの輪郭」と「デザインのデザイン」、それぞれの筆者の深澤直人原研哉はこれからやっていくWebデザインやアプリのデザインとは関係してこないようですが、「デザイン」は「デザイン」です。
これから事業領域やサービスのターゲットユーザー、トンマナなどに合わせてデザインをより深く、ある意味狭く掘り下げていく中で色々悩むことも多くなってきます。先輩のデザイナーもそうでしたし、これを書いてる自分もそうです。

同じ事をずっとやっていてデザイナーとして成長出来ているのだろうか、やることが変わったら全然通用しないのではないか、そもそもんんでデザイナーになろうと思ったんだっけ... と。

そんなときに偉大な先輩たちが「デザイン」に関して思いを巡らせている本のことを思い出し、Webの「デザイン」でもなく、iOSアプリの「デザイン」でもなく、大文字の「デザイン」についてあらためて考えてみたり、ヒントをもらうことはとても助けになってくれます。

一番ベーシックなことによって、
その人のスキルというかその力が最も表現されているようなものが、
僕は好きなのかなと思います。

ゆで卵を食べるか、
ゆで卵を上手くゆでて食べるかの違いです。
僕はゆで卵を上手くゆでて食べたい。

どうせやるなら。それだけのことです。

- 『デザインの輪郭』 深澤直人

深澤直人じゃなくても原研哉じゃなくてもいいのです。自分が「デザイン」のことをやろうと思ったときに好きになったデザインを作っていた人。そんなデザイナーの本を1冊でも2冊でも近くに置いて欲しい。きっと読む度に新しい気づきと自分の成長に合わせて理解できることが増えているから。
もしまだそんな1冊がなかったら是非この2冊から探して見てください。
できるだけ、会社や事業のデザイン領域にこだわらないものを。

と言うわけで、私的に推薦図書を5冊選んだ理由です。
本当は入社前に読んで欲しかったんだけど(泣)、まだきっと読んでないだろうからGWに是非読んでみてください。

長く厳しい研修を終えて頼もしくなったあなたたちと同じデザインの仕事ができるのを楽しみにしています。

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Kondo Kei

CAMという会社でデザイン組織を見たり、CAMFORTUNEという占いサービス群のクリエイティブディレクションなんかをしています。元々はファインアートを勉強し、作品を作っていました。

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